先週、パイオニア製BDドライブが大幅に値下がりし、BDR-S06Jが2万3000〜4000円前後で買えるようになった。その価格改定と同時期に、Blu-ray Discの上位規格「BDXL」のリードとライトに対応するSATAドライブ「BDR-206MBK」が登場。価格は3万円弱で、在庫は潤沢だ。
BDXLではディスクの記録層が3〜4層に拡張されており、3層タイプは100Gバイト、4層タイプは128Gバイトの容量を持つ。対応ディスクは1回書き込みの3層版と4層版が規格化されており、書き換え対応タイプは3層ディスクのみラインアップされている。
シャープが7月にBDXL対応レコーダー「AQUOSブルーレイ BD-HDW700/70」を発表したのを皮切りに、デジタル家電分野では他社も対応製品を投入しているが、PC向けドライブでは対応が遅れていた。しかし、先々週にバッファローの「BRXL-6FBS-BK」が少数出回り、先週になってパイオニア製品もそろい、100Gバイトを超える大容量書き込みが行える環境がにわかに整いはじめたといえる。なお、対応メディアは3層式の1回書き込みタイプのみ出回っている。価格は1枚4000円強から5000円だ。
BDR-206MBKは3〜4層のBD-Rに最大4倍、3層のBD-REに最大2倍の書き込みが可能で、1〜2層のBD-Rは最大6倍まで対応する。付属ソフトはBlu-ray 3D対応の再生ソフト「PowerDVD 10」などをそろえる。
入荷したフェイス秋葉原本店は「無劣化で連続ドラマ1クール分を1枚のディスクに保存するといったことが可能になります。需要はまだこれからとなるでしょうが、注目している人は多いはず」と語る。また、BDXLメディアを扱うFIRST MEDIA SHOP 2号店は「夏ごろから扱っていますが、最近になって問い合わせが増えてきたと思います」と話していた。
ただし、どこまで需要が拡大するかは未知数だ。某ショップは「HDDなら1Tバイトが5000円ですからね。すでにHDDスタンドを利用して、HDDをビデオカセットのように使っているユーザーも少なくありません。そこに1枚5000円近くする100Gバイトのメディアに苦労して書き込むという人がどこまでいるのか……。おそらく、市販ビデオでBDXL対応タイプが増えないと一般化しないでしょう。最近動きがなかった光学ドライブとしては面白い規格だと思いますが、いかんせん、HDDが安すぎますから」と漏らしていてた。
実際、光学ドライブの人気はBD-ROMドライブに集まっているという声も多い。前述のフェイス秋葉原本店は「再生専用のいわゆる“ロム専”ドライブならBDタイプが6000円で買えますからね。一番の人気はDVDとCDには書き込み可能なタイプですが、そちらは品薄状態となっています」という。
※記事初出時、一部の製品関連情報に誤りがありました。おわびして訂正させていただきます(2010年11月29日13時30分)
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