続いて、これまた液晶ディスプレイが苦手とするゲームジャンルのFPS(一人称視点のシューティングゲーム)から、ミリタリーFPSの「メダル オブ オナー」をプレイしてもらった。
FPSはレースゲームと同様に画面が高速で切り替わるため、動画ブレの少なさが重視されるが、それ以上に大事なのは「表示の遅延」が発生しないことだ。画質にこだわった液晶ディスプレイは、入力された映像信号を内蔵メモリに取り込んで高画質化処理を行ってから表示することが多く、ゲームのプレイではボタンを押してから一瞬遅れて画面に反映されるといった問題が生じる。RPGやシミュレーション、アドベンチャーなど動きが少ないゲームではまったく気にならないが、FPSやリズムアクション、格闘ゲームなど、入力タイミングがシビアなゲームでは、この表示遅延が命取りになりかねない。
さて、MP ENGINEIIIの設定には表示の遅延を極限まで抑える「MP MODE レベル1」が用意されている。これは60fps映像の1フレーム目と2フレーム目を単純に2度書きする120Hz駆動を行いつつ、液晶の表示に合わせて、画面の上方向から下方向へバックライトを順次点滅させる「LEDバックライトスキャンニング」も併用することで、動画ブレを低減しながら表示遅延をカットする設定だ。動画ブレの低減効果はレベル3ほどではないが、表示の遅延は最も抑えられる。
実際にMP MODE レベル1とレベル3で設定を変えながら、しばらくメダル オブ オナーをプレイしてもらったところ、桑村鉄平氏(マーケティングコミュニケーションズ メディア/イベント/クリエイティブ ディレクション)は「レベル1は確かにまったく操作の誤差がないが、正直にいってレベル3でもプレイに違和感がない。動画のキレがいいぶん、レベル3のほうが個人的にはプレイしやすかった。レベル3の表示をRDT231WMと見比べてみると分かるが、明らかにボヤケ感が少ない」との感想だった。レベル3はレベル1に比べて、わずかに遅延が発生するのだが、今回メダル オブ オナーをプレイした限りでは、実用レベルだという。
また、プレイしてもらったステージは暗い夜間の戦闘シーンが中心だったが、北村氏からは「全体に暗い場面でも暗部がつぶれることなく、しっかり出ていて、黒もちゃんと黒く見える(黒浮きがない)。安い液晶ディスプレイは暗いシーンで、黒くつぶれて見づらくなってしまうこともあるが、MDT231WGの表示は視認性がよい」との評価だった。
ちなみに、MP MODE レベル3ではバックライトが一瞬しか点灯しないため、ほかの表示モードに比べて、輝度がCRTと同じかちょっと明るい程度まで下がる。昨今の高輝度な液晶ディスプレイに目が慣れていると少し暗く感じるが、それでも暗いシーンでの階調性は保たれており、一般家庭の室内照明程度の明るさならば問題なくプレイできるはずだ。
アメリカ軍最高位の勲章「Medal of Honor(名誉勲章)」の名を冠するミリタリーFPS「メダル オブ オナー」シリーズの最新作。クオリティの高いグラフィックスと音響表現、そして緻密(ちみつ)な現地取材と時代考証によって構築されたリアリティが、プレイヤーを本当の戦場へと導いてくれる。
本作は、アメリカのアフガニスタン侵攻を舞台に、アメリカ軍最高ランクの戦闘員「Tier 1オペレーター」の実体験を下敷きに描かれている。パキスタン国境付近のシャヒコト峡谷、アフガニスタン山岳地帯、タクル・ガル山脈といったニュースで耳にする地名が登場する。
製品情報 | |
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対応機種 | プレイステーション 3/Xbox 360/PC(Windows) |
ジャンル | ミリタリーFPS |
発売日 | 2010年10月21日 |
価格(税込) | 7665円(PC版はオープン価格) |
プレイヤー人数 | 1人(オンライン対応人数:最大24人) |
付属物 | オンラインパスコード、アイテムアンロックコード |
CERO | D(17歳以上対象) |
次に試したのは、これまでと打って変わって“ゆるい”ゲームの「ザ・シムズ3」だ。仮想キャラクター「シム」を自分の分身として操り、仮想世界をじっくり楽しむ人生シミュレーションゲームとなっている。動画ブレや表示遅延がシビアなゲームではないが、3Dのキャラクターやオブジェクトがグリグリと動くので、動画の表示が滑らかだとより快適に楽しめるタイトルだ。
ここではMDT231WGの倍速補間技術(倍速CP)を利用してみた。倍速CPでは、60fpsや30fps、24fpsといった映像に対して、次の動きを予測した新たな映像を作り出して補間することで、滑らかに動く毎秒120フレームの映像に仕上げる。古澤氏にRDT231WMと見比べながらプレイしてもらったところ、「視点を移動したりすると、確かにすごく滑らかに動いているのが分かる。明るさや黒の締まりもあり、カラフルな色使いが鮮やかに再現できているのもいい」と快適にプレイできたという。
ちなみにMP ENGINEIIIは、60fps映像の前後フレームから差分を計算し、新しく中間フレームを生成して120Hz駆動にする倍速補間を行いつつ、LEDバックライトスキャンニングも併用することで、ブレを抑制した滑らかな動画を実現する「MP MODE レベル2」という設定も備えている。今回試したゲームはすべてプレイステーション 3版であり、現状で60fpsのフレームレートが出るゲームタイトルは少ないが、PCやXbox 360で60fpsのタイトル(動きが激しかったり、表示遅延にシビアでないもの)をプレイする場合、このモードが有効に働く。ただし、中間フレームを生成するという高度な画像処理が必要なため、MP MODEレベル2では表示遅延が最も発生しやすい点は覚えておきたい。
仮想キャラクター「シム」を操作しながら、街中や自宅などでさまざまな経験を楽しめる人生シミュレーションゲーム「ザ・シムズ」シリーズの家庭用ゲーム機版最新作。PC版は6月に発売されており、プレイステーション 3/Xbox 360版ではオンライン接続時に両プラットホームの枠を超え、プレイヤー相互にアイテムをダウンロード、アップロードして共有することができる。ゲーム内でのさまざまなアイテム交換や、Facebookを利用したコミュニケーションにも対応している。
グラフィックや演出面に強化・改良が施され、シムをハッピーにも不幸にも導ける新要素が追加されている。PC版では「レイトナイト」や「カーライフ」といった追加パックも販売されており、豊かな生活を提供している。
製品情報 | |
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対象機種 | プレイステーション 3/Xbox 360 |
ジャンル | 人生シミュレーション |
発売日 | 2010年11月18日 |
価格(税込) | 7665円 |
CERO | C(15歳以上対象) |
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提供:三菱電機株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2011年7月19日