第1回 「VAIO Z」のクアッドSSDを味わうVAIO Z 長期使用リポート(2/2 ページ)

» 2010年12月09日 15時30分 公開
[望月瞬(撮影:矢野渉),ITmedia]
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VAIO Zといえば、やっぱり“クアッドSSD”

 雑談が長くなってしまったが、手始めに筆者私物のVAIO Zと今回借用したVAIO Zのコアスペックを比較してみる。どちらもVAIOオーナーメードモデルで概要は下表の通りだ。

今回テストしたVAIO Zの基本スペック
モデル 私物のVAIO Z 借用したVAIO Z
OS 64ビット版 Windows 7 Professional 64ビット版 Windows 7 Ultimate
CPU Core i7 620M(2.66GHz/最大3.33GHz)
メモリ 4Gバイト
グラフィックス Intel HD Graphics/NVIDIA GeForce GT 330M(グラフィックスメモリ1Gバイト)
ストレージ 5400rpm 320GバイトHDD 256GバイトクアッドSSD
光学ドライブ Blu-ray Discドライブ

グラフィックス機能の切り替えスイッチ。SPEEDはディスクリートGPU、STAMINAはCPU統合グラフィックスを利用する。AUTOは自動切り替えだ

 偶然にもCPUとメモリ容量は同じだ。グラフィックス機能はカスタマイズ不可で、CPU内蔵のIntel HD Graphicsと、ディスクリートGPUのNVIDIA GeForce GT 330Mを搭載する。Windows 7が起動した状態で、ハードウェアのスイッチによって2つのグラフィックス機能を切り替えられるのがVAIO Zの特徴だ。液晶ディスプレイの解像度も1920×1080ドットで共通なので、Webカメラや指紋認証といった付加的な機能を除けば、最大の違いはストレージ構成となる。

 VAIO ZのVAIOオーナーメードモデルは、ストレージの選択肢が豊富だ。2010年12月9日現在、HDDが4種類、SSD+DVDスーパーマルチドライブの組み合わせが3通り、SSD+Blu-ray Discドライブの組み合わせが3通りと、合計10通りも用意されている。このうち、SSDの構成がVAIO Zの最大の特徴といってもよい。すでにご存じの読者も多いと思うが、VAIO Zでは独自設計のSSD基板を採用し、SSD基板×2枚の「デュアルSSD」(128Gバイト)、SSD基板×4枚の「クアッドSSD」(256Gバイトもしくは512Gバイト)が選べる。デュアルSSDとクアッドSSDはRAID 0構成なので、アクセスも高速だ。

 最高の選択肢は512GバイトのクアッドSSDだと思うが、最も安価な320GバイトHDDを選択する場合と比べて、DVDスーパーマルチドライブとの組み合わせで10万5400円も高くなってしまうため、この構成で買った人は少数派だろう。2010年春モデルが登場したときから、512GバイトのクアッドSSDはあこがれの存在だったのだ。筆者のVAIO Zも、最安の320GバイトHDDを選択している。ストレージ性能は体感速度を大きく左右し、クアッドSSDのサクサク感は非常に魅力的だったのだが、さすがに手が出なかった。

 ちなみに、クアッドSSDよりは劣るものの、128GバイトのデュアルSSD+DVDスーパーマルチドライブの選択肢なら、最安のHDDと比較して2万9500円のアップで済む。128Gバイトの容量でやりくりできそうで、かつ予算が許すとすれば、積極的に検討したい構成だ。

クアッドSSD+Blu-ray Discドライブ搭載VAIO Zの内部構造。ボディの下部中央にクアッドSSDのユニットを搭載している
クアッドSSDのユニット。デュアルSSDモジュールを2枚に重ね、マウンタに装着してある。サイズ、端子ともに汎用のものではない
デュアルSSDモジュールの表と裏。片面で1基のSSDとなっており、両面で2基のSSDという扱いだ。端子は片側にしかない

 実際、クアッドSSDが載ったVAIO Zは、やはり速くて静かだ。2台のVAIO Zを並べて使い比べていると、より実感する。320GバイトHDDも決して遅いわけではないが、クアッドSSDのほうが何をするにしてもワンテンポ速い。特に、Windows 7や比較的大型なアプリケーションの起動、ファイルコピーなどで、その差は顕著だ。HDDを搭載した筆者のVAIO Zは、HDDの回転音も気になってしまう。

 2台のVAIO Zでベンチマークテストも行ってみた。筆者のVAIO Zは64ビット版Windows 7 Professional、今回入手したVAIO Zは64ビット版Windows 7 Ultimateという点を除き、CPUとメモリ容量、グラフィックス機能(NVIDIA GeForce GT 330Mで計測)が同じなので、ほぼ純粋にHDDとクアッドSSDの差と見ることができる。結果は以下の通りだ。

Windowsエクスペリエンスインデックスのスコア。左が私物のVAIO Z、右が借用したVAIO Z。「プライマリハードディスク」以外のスコアは、2台のVAIO Zで同一だった。プライマリハードディスクにおける「5.8」と「7.6」というスコアは、Windowsエクスペリエンスインデックスではかなり大きな差だ

定番のストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 3.0 x64」の結果。左が私物のVAIO Z、右が借用したVAIO Zだ。実行前から分かっていたとはいえ、比較するのも嫌になるくらい、クアッドSSDが高速だ。実際に使っていると、そこまでの速度差はないように思えるのだが……

総合的なパフォーマンスを測定する「PCMark Vantage」のスコア。ストレージの速度差が各テストの結果に大きく影響している。正直、ストレージだけの違いで、ベンチマークテストの結果がここまで違うのはショックだ
「PCMark05」の結果は非常に分かりやすい。CPU、Memory、Graphicsの3項目は、2台のVAIO Zでほとんど同じ。HDD項目のみ、実に5倍もの差が出ている。しつこいようだが、体感的にはそこまでの差は感じない

 参考までに、Windows 7の起動時間もストップウォッチで計測してみた。電源オンからWindows 7のデスクトップが表示されるまでのタイムは、筆者のVAIO Zが約60秒、借用したVAIO Zが約38秒だ。どちらもシステムリカバリ直後の状態(WindowsアップデートとVAIOアップデートを一通り適用)なので、スタートアップ起動するソフトウェアを削るなどすれば、トータルの起動時間は速くなる可能性がある。


 やはり、価格差はパフォーマンスの差となって明確に現れたが、このままでは少し悔しい。次回は私物のVAIO Zのパフォーマンスアップを図る予定だ。

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