「U33Jc」実力診断――美しき“竹”ノートの世界に浸るPCに天然素材のやさしさを(3/4 ページ)

» 2010年12月13日 00時00分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]
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CPUとGPU以外は手堅い構成

底面のネジ止めされたカバーを外すと、2基のSD-DIMMスロットと2.5インチSerial ATA HDDベイが現れる

 チップセットにはIntel HM55 Expressを採用。メモリはPC3-8500 SO-DIMMに対応しており、標準で2Gバイト(2Gバイト×1)、最大では8Gバイト(4Gバイト×2)まで搭載できる。底面のネジ止めされたカバー内に2基のメモリスロットが用意されており、標準ではそのうち1基に2Gバイトモジュールが装着されている(当然ながら、ユーザーによる増設や交換によって発生した問題はサポート外)。CPUやグラフィックスのスペック、64ビット版Windows 7の採用を考えると、標準で2Gバイトのメモリ容量は少し物足りない。

 データストレージは320Gバイトの2.5インチHDD(5400rpm)を内蔵。メモリと同様、底面のカバーを外すことで、HDDベイにアクセスできる。そのほか、容量制限がないASUS WebStorageサービスの体験版(60日制限)も利用可能だ。光学ドライブは内蔵しない。

 通信機能は、1000BASE-T対応の有線LAN、IEEE802.11b/g/n対応の無線LANに加えて、Bluetooth 2.1+EDRも装備する。また、USB 3.0対応が1基、USB 2.0対応が2基と合計3基のUSBポートを装備するほか、メモリカードスロット(SDHC対応SDメモリーカード/MMC/メモリースティックPRO/xDピクチャカードなどに対応)、HDMIとアナログRGBのディスプレイ出力を備えるなど、充実した内容となっている。液晶フレームの上部には200万画素の高画質Webカメラも装備する。

前面の下部にはステレオスピーカーを内蔵する
背面はリチウムイオンバッテリーで占有される

左側面にはUSB 2.0、HDMI出力、アナログRGB出力、排気口を配置している
右側面にはメモリカードスロット、音声入出力、USB 3.0、USB 2.0、有線LAN、ACアダプタ接続用のDC入力が並ぶ

 プリインストールOSには64ビット版のWindows 7 Home Premiumを用いている。付属ソフトはシンプルな構成で、オフィススイートは用意せず、CD/DVDライティングソフトの「CyberLink Power2Go」を除き、ウイルス対策ソフトや有害サイトフィルタリングソフトの体験版、そしてASUS独自のユーティリティソフト群で固められている。

U33Jcのデバイスマネージャ画面

1366×768ドット表示の13.3型ワイド液晶を装備

 液晶ディスプレイのサイズは13.3型ワイド(アスペクト比は16:9)、画面の表示解像度は1366×768ドットと、このサイズのノートPCでは標準的だ。低消費電力で輝度劣化の心配が少ないLEDバックライトを採用している。

 表面は光沢仕上げで、照明などの光が映り込みやすい一方、写真などを鮮やかに表示できる。表示品質は標準的だが、最大輝度は少し低めの印象だ。視野角は上下方向は狭いが、左右はモバイルノートPCとしては比較的広めに感じる。液晶ディスプレイの角度は約138度まで開く。

 ASUSが従来より提供している、購入日から30日間のZBD(ゼロ・ブライト・ドット)の日本国内保証は健在だ。ZBD保証とは、液晶ディスプレイに常時点灯ドットが1つでも存在した場合、無償で液晶ディスプレイを交換してもらえるサービスのことだ(常時消灯ドットの場合は対象外)。

 サウンド機能は「SRS Premium Sound」に対応している。SRS Premium Soundではコンテンツに応じて人の声の周波数帯を強調したり、空間音響情報を再現したり、重低音を感じさせる処理などを施す技術で、大きなスピーカーを搭載しにくいノートPCでもリアリティの高いサウンドを再現する。実際、有効と無効を切り替えてみると、その効果ははっきりと分かる。

1366×768ドット表示の13.3型ワイド液晶ディスプレイは、適度なドットピッチでアイコンや文字が見やすいサイズで表示される。表面は光沢仕上げだ。液晶ディスプレイの上部には200万画素のWebカメラを配置している
画質を調整するユーティリティ「Splendid Video Enhancement Technology」がプリインストールされている。4種類のプリセットそれぞれにガンマや色温度の調整が可能で、映像や写真で効果を確認しながら設定できる
リアリティの高いサウンド再現を可能とする「SRS Premium Sound」に対応している。有効/無効の切り替え、およびコンテンツの選択はタスクバーに常駐するユーティリティから行える

竹のパームレストを装備した打ちやすいキーボード

アイソレーションデザインのキーボードは、Enterキーの周囲で変則的なキーピッチが見られるが、全体的にゆとりがある作りで入力しやすい。竹製パームレストのサイズも十分だ

 キーボードは、キートップの間隔を広くとり、キートップのみをベゼル上に露出させたアイソレーションデザインを採用している。キーボードベゼルはアルミニウムをヘアライン加工で仕上げており、剛性感、高級感ともに抜群だ。竹素材のパームレストはすべすべとした手触りが心地よく、また、奥行きも約69ミリと広く確保されており、しっかりと安定して手の平を置くことができる。

 主要キーのキーピッチは実測で約19×約19ミリとフルサイズを確保しており、Enterキーも大きく、全体に余裕がある配列だ。カーソルキーはやや細めという程度で打ちにくそうなキーはなく、特に気になるような配列のクセも見られない。キーボードの固定もしっかりしており、タイプ時にたわむようなことはなく、またスイッチの感触も適度で良好なタッチ感だ。

 キーボード手前側にはタッチパッドを装備している。竹素材のパームレストと一体化しており、パッド領域は薄いラインで示されている。左右ボタンは一体成形のため、意識して左右の端のほうを押す必要があるが、スイッチの感触自体は悪くない。シナプティクスのドライバ(V7.0)が導入されているが、標準ではパッドの右辺の利用した上下スクロール機能のみが有効となっている。最近のノートPCには珍しく、マルチタッチジェスチャーには対応していない。

タッチパッドは竹素材のパームレストと一体化しており、パッド領域は薄いラインで示されている。左右のボタンは一体化されている
タッチパッドにはシナプティクス製のドライバを導入しており、パッド右辺をなぞることで上下スクロールを行なう機能が標準で有効だ

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