「3DMark 11」で最新GPUの“カクり具合”を確かめるイマドキのイタモノ(1/4 ページ)

» 2010年12月14日 10時14分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]

3DMark 11だからDirectX 11以外はお断り

DirectX 10環境では起動時にエラーが表示された

 グラフィックスカードの性能評価に用いるベンチマークテスト「3DMark」シリーズに最新版「3DMark 11」が登場した。ここでは、3DMark 11の各エディションにおける機能やテスト項目、プリセットの設定内容を紹介するとともに、現時点における最上位GPUを搭載したグラフィックスカードで測定してみた。

 3DMark 11はDirectX 11専用のベンチマークであるため、DirectX 11環境以外では起動できない。DirectX 11環境というのは、OSとGPUの両方でDirectX 11に対応していなければならない。となると、OSはWindows 7またはDirectX 11にアップデートしたWindows Vistaに限られる。なお、3DMark 11のインストールイメージは1種類しか用意されていないが、これで32ビット版と64ビット版に対応するとされている。そこで、64ビット版のWindows 7 Ultimateにインストールしたところ、「Program Files(x86)」フォルダではなく「Program Files」フォルダに導入されていた。

 GPUもDirectX 11への対応が必須であるので、Radeon HDでは5000シリーズ以降、GeForceではFermi世代(400シリーズ)以降になる。Windows 7では、一部のDirectX 11機能がソフトウェアシミュレーションで実行できるとされていたが、GPUにGeForce GTX 280を組み込んだシステムでは、インストールは可能でも実行できずにエラーメッセージが表示された。

 そのほかハードウェアでは、CPUがAMD、Intelともにデュアルコアの動作周波数1.8GHz以上、メモリは1Gバイト以上、HDDには1.5Gバイト以上の空きスペース、そしてWindows 7/Windows Vistaに対応したサウンド機能が必要になる。なお、自分のPCがこうしたシステム要件を満たすかどうかをチェックするツールもFuturemarkから配布されているので、このツールで確認してから3DMark 11をダウンロードするといい。

無料のBasic Editionで繰り返し利用が可能に

 3DMark Vantageと同じように、3DMark 11にも有料、無料の各エディションが用意されている。いずれもFuturemarkの専用Webページからダウンロード可能だ。またCDで購入もできる。

 3DMark 11では、Basic、Advanced、そしてProfessionalという3つのエディションが用意されている。3DMark Vantageでは、無料で導入できる「Trial Edition」用意されていたが、4種類のプリセット設定のうち“Performance”を1回だけ実行できるという制限の厳しいエディションだった。その上のBasic Editionは約7ドルで実行回数の制限はなくなるが、利用できるプリセットモードはPerformanceだった。

 3DMark 11のBasic Editionは無料で利用できるだけでなく、回数制限がない。何度でも利用できるが実行可能なプリセットモードは「Entry」「Performance」「Extreme」のうちのPerformanceのみだ。とはいえ、3DMark Vantageで最もよく利用されたプリセットがPerformanceであったことを考えると、3DMark 11のBasic Editionで使えるのがPerformanceだけであっても、利用価値は十分にあると思われる。

 Basic Editionの上位版となる3DMark 11のAdvanced Editionは19.95ドルのシェアウェアになる。これは、3DMark VantageのAdvanced Editionと変わらない。Advance Editionでは3つのプリセットがすべて実行可能になるほか、解像度や画質オプションの設定変更もできる。PCパーツベンダの一部でグラフィックスカードに3DMarks 11の有料ライセンスキーをバンドルするパッケージが予定されているが、ここで提供されるのもAdvance Editionだ。

 Professional Editionは商用利用を想定しており、995ドルという価格が設定されている。デモ用のループ再生機能や、コマンドラインからの実行機能などが追加された。

Edition Basic Advanced Professional
利用可能なプリセット Entry ×
Performance
Extreme ×
カスタム ×
機能 ベンチマークのループ ×
デモのループ × ×
コマンドライン実行 × ×
オンライン機能 個人アカウント
結果の比較
広告無しでの利用 ×

4種類のプリセットは3種類に整理

 先に紹介したように、3DMark 11では動作環境の設定としてEntry、Advanced、Extremeの3種類が事前に用意されていると紹介したが、こちらの設定内容を確認しておこう。なお、3DMark Vantageで用意されていた「High」モードは3DMark 11で廃止されている。

 EntryはDirectX 11対応の低価格ノートPCやNetbook、バリュークラスのGPUを搭載したPCが対象だ。解像度は1024×600ドットとされている。Performanceはゲーマー向けPCを想定したとされているが解像度は1280×720ドットにとどまる。ハイエンドゲームを動かすPCを想定したExtremeでようやく1920×1080ドットが設定される。

 それぞれのプリセットモードでは、解像度だけではなく画質設定、アンチエイリアスやテクスチャフィルタリング、陰影処理やDirectX 11の機能であるテッセレーションなどの負荷に関しても、Entryは低負荷(Low)、Performanceは中間(Medium)、Extremeは高負荷(High)とレベルが設定されている。それぞれの設定内容は、メインのユーザーインタフェースを解説した項目で掲載したプリセットのスクリーンショットで確認していただきたい。

 3DMark 11のメインユーザーインタフェースには、「Basic」「Advanced」「Result」「Help」という4つのタブがある。Basicタブはプリセットを選ぶセレクトボタンと、動作するプログラムを「デモ」「ベンチマークテスト」から選ぶセレクトタブだ。なお、Basic Editionでは「Upgrade Now」というレジスト用のボタンも用意される。

Basicタブ。この画面では基本的にプリセットモードと実行内容を選ぶ。Basic Edition(写真=左)ではPerformanceしか選択できないがAdvanced Edition(写真=右)では3種類のプリセットモードが選べる。

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