「テザリング? 何それ?」──「Pocket WiFi S」をあくまで“Pocket WiFiの新型”とするイー・モバイルの狙いじつはSIMロックフリーでもある(1/2 ページ)

» 2010年12月14日 18時46分 公開
[岩城俊介,ITmedia]
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「Pocket WiFi S」は通話もできるポータブル無線LANルータ──ガワはAndroidスマートフォンだが……

photo 新機種「Pocket WiFi S」と従来のPocket WiFiを掲げ、「サイズはほとんど同じで小型軽量」とアピールするイー・モバイルのエリック・ガン社長

 イー・モバイルは12月14日、累計60万台超を販売したというイー・モバイルのヒット機器“Pocket WiFi(D25HW)”の機能追加版、「Pocket WiFi S(S31HW)」を発表。2011年1月中旬に発売する。

 Pocket WiFi Sは、従来のPocket WiFiで評価の高かった小型・軽量、シンプル操作、無線LANシェアリング機能といった特徴を継承しつつ、通話・カメラ・GPS・Webブラウズ機能など、既存ユーザーより追加要望の寄せられた機能を追加し、進化を果たした機器。OSにAndroid 2.2、3.2型ワイドのタッチパネルディスプレイ(240×320ドット/静電容量方式)を採用する──いわゆるAndroidスマートフォンだが、同社は“通話もできるPocket WiFi”として訴求する。

 「発売より約1年が経過したPocket WiFiは1年間で累計60万台を出荷し、イー・モバイルの中でも大ヒット機器に成長。実にたくさんのユーザーに使ってもらっている。Pocket WiFiの主な接続機器はノートPC(73.5%)だが、携帯音楽プレーヤー(27.5%)やデスクトップPC(26.5%)、携帯ゲーム機(23.5%)など、ほかのデータ通信端末がノートPCでの利用がほとんどの中で、さまざまな利用シーンで自由に使ってもらっている。ユーザーの割合は女性が31%、20代男性が25%で、特に女性と若年層に評価を得ていることも人気の理由。ちなみにデスクトップPCの率が意外に多いのも、自宅のメインインターネット回線として選んでもらっていることが伺える」(イー・モバイルのエリック・ガン社長)

 そのユーザー層を中心に機能追加の声が高かったのが、通話/カメラ/GPS/アプリ/起動をもっと簡単に、の5点だった。(製造元のHuaweiにこれら機能を備えたAndroid端末がそもそもあった、あるいは開発できる能力があった背景はあるとは思われるが、)Pocket WiFiにこれらプラスアルファの機能を追加する方法を考え、結果的にAndroid OSの採用に落ちついたようだ。ポータブル無線LANルータ機器としてのブランド認知度が高い“Pocket WiFi”を用いることで、女性/若年層、さらに「Androidって何? テザリングって何?」といった一般層に対して「簡単」をテーマに引き続きアピールしていく。つまりターゲットは、PC初心者/中級者を含む一般層もたぶんに含まれる。「ルータ機能も使えるAndroid 2.2搭載スマートフォン」ではなく「Androidスマートフォンとしても使えるPocket WiFi」というわけだ。

photophotophoto Pocket WiFi S好評だったPocket WiFiの「簡単」なポイントやターゲットをそのまま引き継いで展開する。3色のカラーバリエーションも用意する

 「Android 2.2搭載のスマートフォンは、2010年12月にHTC製の“HTC Aria(S31HT)”を投入する。Pocket WiFi SもAndroidスマートフォンであり、もちろん機能制限のたぐいもない(ほぼ素状態のAndroid 2.2搭載スマートフォンとして使える)が、コンシューマーに親しみやすいPocket WiFiのブランドを活用することで、想定するターゲットにもきちんと提案できると思う」(イー・モバイルの阿部副社長)

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