2画面タッチタブレットPC「ICONIA」、国内価格は14万円日本エイサー発表会

» 2010年12月15日 18時00分 公開
[後藤治,ITmedia]
日本エイサー代表取締役ボブ・セン社長。国内初披露となるタブレット製品をチラ見せし、「2011年春以降に投入予定、楽しみにしてほしい」とコメント

 日本エイサーは12月15日、2画面タッチタブレットPC「ICONIA」の国内向け説明会を実施した。米国ニューヨークで行われたグローバルカンファレンス「interract」を受けた発表で、ICONIAの国内価格は14万円前後、発売日は2011年2月以降となった(ワールドワイドで1499ユーロとアナウンスされていたことを考えると、円高の影響を差し引いてもかなり引き下げた印象だ)。

 発表会の冒頭に登壇した日本エイサーのボブ・セン社長は、2009年のデジタル業界を振り返り、「家電のトレンドでいうと地デジ対応テレビが盛り上がり、PC業界でも法人需要の回復やコンシューマー市場の微増といった傾向も見られるが、いまいち元気が足りない。しかしそんな中にあってエイサーは出荷台数を伸ばすことができた」と総括。「15.6型モデルに主軸を置いた展開で2011年も引き続きノートPCに力を入れていく」と述べる一方で、「来年はPCだけでなくさまざまな製品にもチャレンジしていく」と語り、先日ニューヨークで発表したタブレット端末の国内投入にも意欲を見せた。

ICONIAの国内価格は14万円前後

 一方、ICONIAの製品説明は、同社プロダクト&マーケティングコミュニケーション部の瀬戸和信氏が担当した。同氏は「最新技術をいち早く市場に投入すること、誰もが購入を検討できる適正価格でPCを提供すること、エイサーの使命としてこの2つを今後も継続していく」と改めて強調し、“新しい市場”の開拓をめざすICONIAを紹介した。

 既報の通り、ICONIAはマルチタッチ対応の14型ワイド液晶を2枚搭載した世界初のタブレットノートPCだ。2画面でのタッチ操作に最適化された独自UIを搭載しているのが特徴で、例えば5本の指を下の画面に触れるとAcer Ringと呼ばれるリボルバー型のランチャーが立ち上がり、さまざまなアプリケーションにアクセスできるようになっている。また、両手を画面にのせればバーチャルキーボードが立ち上がり、14型ボディを生かしたフルサイズのキーボードで快適にタイピングが行える。必要なときに必要なUIが起動し、それ以外のときは、2つの画面をいっぱいに使って、Webやメディアファイルを閲覧できるというわけだ。「一見すると慣れ親しんだノートPCなのに、実際に使ってみると心にぐぐっとくる。日常的に使ってもほとんどの操作はタッチで行えると思います」(瀬戸氏)。

5本の指を下の画面にのせるとリボルバー型のランチャー「Acer Ring」が浮かび上がる

文字を入力したいときは両手を画面にのせればバーチャルキーボードが立ち上がる

 また、2画面タッチ液晶の可能性を広げるアプリケーション群も目を引く。Webブラウズ時の一覧性を上げる「Touch Browser」は、2画面でブラウザを表示するだけでなく、下の画面を指で手前にちょっと引くだけでスクロールが行えるため閲覧時の操作が直感的に行える。もちろん、拡大/縮小も可能だ。また、閲覧時に気になった情報があれば指でそのまま切り取って「My Journal」に保存しておける。切り取った内容はリアルタイムで更新され、ここから該当ページへジャンプすることもできる。FaceBookやYoutube、Flickrの更新情報を3ペインで表示する「Social Jogger」もユニークな機能で、随時更新されていく情報から気になるものをクリックすれば該当ページが上の画面に表示される仕組みだ。もちろん、写真、動画、音楽などのメディアファイルを閲覧する際も、下画面にサムネイル、上に該当コンテンツを表示するといったように、2つの画面を使って直感的に扱える。

「実際に触れば(ICONIAの)魅力がよく分かるはず。最新技術に敏感なユーザー、他人と異なるものを持ちたいと考えるユーザーに使ってほしい」(瀬戸氏)。

2つの画面をいっぱいに使ってWebブラウズができる「Touch Browser」(写真=左)。FaceBook、Youtube、Flickrの更新情報が流れていく「Social Jogger」も面白い機能だ(写真=右)

 国内モデルの主なスペックは、CPUがCore i5、メモリが4Gバイト、HDDが640Gバイトで、光学ドライブは搭載しない。液晶ディスプレイは、1366×768ドット表示対応の14型マルチタッチ液晶を2つ搭載する。重量は約2.8キロで、約3時間のバッテリー駆動が可能。OSは64ビット版のWindows 7 Home Premiumだ。

 なお、今回の説明会で公開されたスペックシートには、CPUが型番なしでCore i5とだけ記載されており、チップセットも明らかにされていない。2011年初頭に投入される「Sandy Bridge」の採用について質問が飛ぶと、同社は「現段階ではお答えできない」と明言を避けている(ただし、ニューヨークで先行展示されたモデルでは、従来のIntel HM55 Expressを組み合わせた構成となっていた)。

左側面に2基のUSB 2.0とHDMI、右側面にオーディオ関連端子とUSB 3.0、アナログRGB、有線LANが並んでいる

 また、今回の発表にあわせて円高還元キャンペーン「円高パソ安プロジェクト」を実施、現行モデルの価格改定を行い、対象機種を最大1万5000円引きで販売する。ノートPCのほか、ゲーミングPCの「PREDATOR」シリーズやホームサーバも対象だ。

対象機種一覧。ゲーミングモデルやホームサーバも値下げ対象になっている

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年03月29日 更新
  1. ミリ波レーダーで高度な検知を実現する「スマート人感センサーFP2」を試す 室内の転倒検出や睡眠モニターも実現 (2024年03月28日)
  2. Synology「BeeStation」は、“NASに興味があるけど未導入”な人に勧めたい 買い切り型で自分だけの4TBクラウドストレージを簡単に構築できる (2024年03月27日)
  3. ダイソーで330円の「手になじむワイヤレスマウス」を試す 名前通りの持ちやすさは“お値段以上”だが難点も (2024年03月27日)
  4. 「ThinkPad」2024年モデルは何が変わった? 見どころをチェック! (2024年03月26日)
  5. ダイソーで550円で売っている「充電式ワイヤレスマウス」が意外と優秀 平たいボディーは携帯性抜群! (2024年03月25日)
  6. 日本HP、個人/法人向けノート「Envy」「HP EliteBook」「HP ZBook」にCore Ultra搭載の新モデルを一挙投入 (2024年03月28日)
  7. 次期永続ライセンス版の「Microsoft Office 2024」が2024年後半提供開始/macOS Sonoma 14.4のアップグレードでJavaがクラッシュ (2024年03月24日)
  8. サンワ、Windows Helloに対応したUSB Type-C指紋認証センサー (2024年03月27日)
  9. 日本HP、“量子コンピューティングによる攻撃”も見据えたセキュリティ強化の法人向けPCをアピール (2024年03月28日)
  10. あなたのPCのWindows 10/11の「ライセンス」はどうなっている? 調べる方法をチェック! (2023年10月20日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー