第6回 新型WiMAX Speed Wi-Fiの使い勝手は?──AtermWM3500Rの「8時間動作」を検証本田雅一のハイスピード・ワイヤレス・チャンネル(2/2 ページ)

» 2010年12月21日 10時00分 公開
[本田雅一,PR/ITmedia]
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長時間駆動+クレードルで、家でも外でも

photo 幅70ミリ、厚さ14.8ミリのスリムボディ。バッグはもちろん、ズボンやスーツのポケットなどにもすっぽり入る

 さて、このAtermWM3500R。スタートではややつまずいてしまったが、いったん動き始めてみれば素晴らしい体験がそこには待っている。

 WiMAXの高速性は言うまでもなく、都内の筆者利用環境においては実測値で6M〜8Mbps程度のダウンストリーム速度が普通に出る。アップストリームも2.5Mbps前後でる場所なので、当然ながら遅さは感じない。しかし、やはりこの製品の真骨頂は、まだなくならないの? と思うぐらいに長持ちするバッテリーである。

 カタログ値の8時間動作という数値だが、独自にPCバッテリベンチマークソフト BBenchで計測したところ「8時間10分程度」は動き続けてくれた。このソフトは定期的にWebサイトへアクセスするようプログラムされているので、実際にWebサイトにアクセスしながら使い続けた時の数値に近くなるのでは、と考えたためだ。今までの2〜3時間程度ならまだしも、さすがに8時間以上もPCの前で待っていられないので、ビデオカメラをセットしてWebサイトにアクセスできなくなるまでの時間を計測したわけだ。それが上記の数字である。

 なお、この数値は無線LANの電波強度を25%に設定した時の数字だ。初期設定の12.5%ならまだもう少し伸びると思われる(筆者の環境では通信が不安定になるので、25%で運用することにしている)。試しに100%に設定して使ってもみたが、バッテリーが減るペースはほとんど変わらなかった(Web設定ツール上でチェックできる)。おそらくこれでも7時間以上は使えるのではないだろうか。この程度の差しなかいとするなら、「自宅でもWiMAX」の人は100%の強度にしておいてもよいと思う。


photo バッテリーは着脱できない仕様だが、単体で8時間も動作し、USB外部バッテリーなども併用すれば問題なく運用できるだろう

 ここで感じたのは、外部電源と接続しているときは自動的に無線LANの出力強度を100%に、バッテリー動作中は設定した出力強度に切り替わるような設定も加えてほしいということ。実際にはそうした制御を行っている可能性もあるが、Web設定ツールのステータス上では確認できない。

 いずれにしろ、ここまでバッテリー動作時間が延びてくれれば個人的にはほとんど文句なしだ。この長時間動作性能を得たこと、そして充電と有線LAN対応を兼ねるクレードルを活用することで、家でも会社でも外でも高速なインターネットアクセスが利用できる。この感覚は想像以上に気持ちいい。

 すっかり充実した都市部のサービスエリアを考えれば、モバイル環境でインターネットのアクセスをするのに、現時点ではこれ以外の製品は考えられないと思う。あえて弱点と言えば、2010年12月現在、WiMAX Speed Wi-Fiは海外での利用に対応できないという程度だろうか(インテル製WiMAXモジュールを内蔵するWiMAX内蔵パソコンなら、海外の一部都市でもそのまま使える「WORLD WiMAX」が利用できる。米国では2011年3月31日まで無料トライアル期間として、WiMAX利用者なら無料で使える)。


ほぼ最良の選択肢──ルータ型の利用スタイルに切り替えるのもよいかもしれない

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 コンパクトになり、バッテリー動作時間が長くなる。AtermWM3500Rはそれだけで使い勝手が大幅に上がった。もしPCと一緒に持ち歩くならば、いざというときはUSBケーブルで充電しながら本機を使うこともできる。さらに、USB接続して単体のネットワークアダプタとして機能させることも可能だ(つまり、USB接続型のWiMAX機器と同じ使い方)。この際ももちろん電源はUSBから取ることができる。

 これだけ電源まわりのサポートが充実していると、そうそう簡単にはバッテリーはなくならない。PCは持ち歩かないという人は、USB給電機能付きのポータブルバッテリーを持ち歩けば、やはり充電しながら利用ができる(なお、三洋電機「エネループモバイルブースター」シリーズでメーカー動作確認済みとなっている)。

 このほかにもバッテリーに関する細かな配慮は随所ある。AtermWM3500Rは3.7ボルト/2500ミリアンペアアワー(9.3ワットアワー)のリチウムポリマーバッテリーを内蔵するが、バッテリーの70%までしか充電しないようすることで内蔵バッテリーの劣化を防ぐ機能も備えている(ノートPCに備わる、例えば「いたわり充電モード」と同じ機能だ)。本機は原則としてユーザーがバッテリーを交換できない仕様だが、このモードを使えばバッテリーの寿命を延ばせる。そもそも長時間動作できる性能を長期利用時のマージンとして利用できると考えれば、ひんぱんに充電/放電を繰り返しながら長期間使う人はうれしい機能だろう。

 AtermWM3500Rは、現状で最高クラスのWiMAX Speed Wi-Fiであることは間違いない。本当に最高! と叫べる製品にかなり近付いてきた。PCだけで利用するのであればWiMAX内蔵パソコンを使うべきと思うが、無線LAN搭載のタブレット型端末やスマートフォンも高速なWiMAX通信で利用したいなら、やはりWiMAX Speed Wi-Fiは便利だ。WiMAXは1契約で2つまでWiMAX機器を追加登録できる「WiMAX機器追加オプション」がある。機器追加登録料は1台あたり200円/月と安価なので、WiMAX内蔵パソコンもWiMAX Speed Wi-Fiも一緒に登録して、用途に応じて使い分けてみてはいかがだろう。

 筆者自身、外出先ではWiMAX内蔵パソコンを使ってきたが、スマートフォンなども所持するので、AtermWM3500Rならばルータ型の利用スタイルに切り替えるのもよいかもしれない……と思い始めている。

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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2010年12月31日