インタビュー
» 2010年12月22日 14時00分 UPDATE

Smartia開発者インタビュー:「Androidやクラウドを意識させず」新たなネット生活シーンを提供──NECビッグローブ+Smartiaの戦略を聞く (1/4)

Androidやクラウドなどと細かに言うより“多くの人が手軽に利用できる新しいインターネット機器”を目指したという「Smartia」。改めてSmartiaとは何か、NECビッグローブのSmartia開発チームに話を聞いた。

[坪山博貴,ITmedia]

Smartia──「Androidを意識せず」に使える新たなネット生活シーンを提供する商品

photo NECビッグローブ「Smartia」。Android搭載タブレット「LifeTouch」(写真)+ビッグローブオリジナルのソフトウェア+同ネットサービスを統合した「Smartia」という名称で展開する製品だ

 最近「Android」という単語とそれに関連する機器に関する話題が注目されるが、それは本当に多くの人が自然に利用できるほど伝わっているのか。

 国内におけるAndroidをOSに採用した端末は、携帯電話キャリアが販売する例が多い。通話機能を持つAndroidスマートフォンならそれも自然だが、最近は通話機能を備えないタブレット型の端末も携帯電話キャリアが販売するようになってきており、Androidも話題先行から普及期に入り始めたと感じられる。

 このような流行・普及期の中で、機器とそれを使うためのネットサービス群を融合した新しい取り組みをインターネットプロバイダのNECビッグローブ(以下、ビッグローブ)が「Smartia」という名称で展開する。

 Google認証済み、かつ技術基準適合証明も認定済みとする日本ユーザーが安心して利用できる端末を用い、スマートフォンと同様にAndroidマーケットが利用可能、かつ自社でのアプリケーションやコンテンツ提供も積極的に展開し、「Android端末」というより「多くの人が手軽に利用できるインターネット機器」を目指して開発し、サービスを展開するという。このAndroid搭載タブレット機器に対する積極性は、携帯電話キャリア以上と感じる部分が多くある。

 改めて、Smartiaとは一体どんな製品・サービスなのか、NECビッグローブの企画・開発担当者に話を聞いた。

photo NECビッグローブのSmartia開発チーム 左がアプライアンス事業開発本部マネージャの加藤剛史氏(以下、加藤氏)、右がアプライアンス事業開発本部グループマネージャ兼事業開発室シニアエキスパートの粟冠(さっか)徳幸氏(以下、粟冠氏)

「Smartia」とは何か、何を目指す商品なのか

photo 「我々はISPですが、ネットワーク側の向こう側で何をやったとしてもお客さんには届ききらないというジレンマを感じており、お客さんはその中で使っても悩んでしまうこともあります。このため、“それをうまく結びつけるものが必要だ”という考えで、Smartiaを発売しました」

── Smatiaは、これまでのAndroid機器のようないわゆる中上級者向けのとんがったものでなく、何となく柔和で、簡単そうという印象を受けます。改めまして「Smartia」とはどんな製品なのか教えてください。

粟冠氏 Smartiaは、インターネットサービスプロバイダ(ISP)である当社NECビッグローブが提供する商品で、機器単体の名称ではありません。機器はNEC製の「LifeTouch」を採用し、これにビッグローブオリジナルのホーム画面「Smartホーム」やアプリケーションを搭載し、オリジナルのネットサービスもあわせて提供します。ハードウェア、ソフトウェア、サービスを1つにまとめたものが「Smartia」です。

 インターネットやアプリケーションを簡単に使いたいというお客様に対して「まず使っていただける、手にとっていただける商品はできないか」ということを念頭に開発しました。カタログなどでもandroid端末である点は前面には出ておらず、どちらかといえば「インターネットが使える機器です」という説明のほうがSmartiaには合っていると思います。

 オリジナルで提供するホーム画面は、左側に大きめのウインドウを配置して、各ページに合わせたインターネット情報をリアルタイムに表示するよう工夫したものになっています。ここがPCや携帯電話とはまた違う使い方をしていただくための、インターネットを利用する入り口になります。「ニュース」「アプリケーション」「お買い物」「お出かけ」など、目的に応じたページを呼び出せばすぐにインターネットサービスを利用できます。アプリケーションを起動しなくても、目的のページに切り替えるだけでまず使えます──というスタイルを第1のポイントに据えてインタフェースを開発しました。

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photophotophoto ユーザーの「何がしたい」をサポートするオリジナルのホーム画面を用意する。横UIの大きなサイズの画面を活用し、画面の左半分にコンテンツを表示、右半分は自由にアプリケーションアイコンを配置できる。andronaviをはじめ、豊富なビッグローブのネットサービスと自然に融合しているのが分かる

── このホーム画面は独自開発のものなのでしょうか。

粟冠氏 はい。昨今のタブレット型機器というと、普段はスリープ状態で持ち運び、必要なときだけ電源をオンに(スリープを解除)して使うというスタイルが一般的ですよね。8時間動作するバッテリーを内蔵するので、もちろんSmartiaもそういう使い方ができます。

 ただ、家庭内の普段の生活シーンに新たに“加わる”ものとして、インターネットの最新情報を常時表示したまま身近な場所に置いていただくような、例えばフォトフレームのような新たなスタイルを家庭内に付加してもいいのではないかという考えがあります。これは、スタンドに置きやすい横型スタイルにこだわった理由の1つでもあります。


photophoto 家庭内に置く「新たなスタイルのインターネットが使える機器」を想定する(もちろん持ち出すことも可能)。横向きに設置できるスタンドも付属する
photo 設定したメールアドレスあてに写真付きメールを送ると、そのままSmartiaで表示できるネットワーク対応フォトフレームアプリ「お届けフォト」。ビッグローブ会員のSmartia購入者に専用メールアドレスが1つ無料で付与される

 フォトフレームに関してはビッグローブで「お届けフォト」と呼ぶサービスを用意しています。携帯電話で撮影した写真をSmartiaユーザー専用のメールアドレス(1つ無料で付与)宛にメールを送るだけで、LifeTouchが自動受信してスライドショーとしてすぐ表示できます。

 携帯電話キャリアの通信機能付きフォトフレーム機器と同じことが、原則無料でできるのが強みです。ビッグローブではユーザーさんからプロバイダとしてのインターネット接続料金をすでに頂いていますから、それ以上の負担がないようお届けフォトは無料サービスとして提供することにしました。手軽に利用できますので、日々のできごとを家族に写真で伝える、離れた場所に住む親に子どもの写真を送る──そんな今まで少し手間がかかった使い方もSmartiaで自然に簡単にできるようになりますよ。

photo Androidスマートフォン向けアプリサイト「andronavi」より厳選した、Smartia対応のお勧めアプリケーションをダウンロードできる

 また、Androidの魅力であるアプリケーションに関してもそんなユーザーのために工夫を施しています。ビッグローブでは「andronavi(アンドロナビ)」と呼ぶAndroid専用コーナーを設け、最新・オススメのandroid機器向けアプリケーションを紹介しつつ、独自にアプリケーションの情報も蓄積しています。Smartiaは、Smartホームに準備したandronavi用コーナーでSmartiaの7型ディスプレイに対応したアプリケーションを厳選して紹介し、簡単にダウンロードしていただけるようにしています。

 Androidアプリケーションそのものはすでにたくさんありますが、「たくさんありすぎて、どれを選べばいいか分からない」と感じるユーザーに対し、Andronavi編集部のお勧めやダウンロードランキングなどどともに、まずはお勧めアプリケーションを使ってみてくださいという取り組みです。お勧めするアプリケーションはLifeTouchで動作可能かどうか確認を行いますので「動作せず、残念……」ということはありません。この「Androidの第1歩」となる点をきちんと対応できていると思います。

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