2010年のGPUで、まず話題となったのが1月に米国で行われた2010 International CESで参考展示されていた“Fermi”世代のGeForceシリーズだったが、実際に製品として登場するのは、季節が春に移ろうとする時期だった。“イマイタ”レビューで2010年の最初に登場したGPUは、2009年に多くのユーザーから支持されたAMDのRadeon HD 5000シリーズで1万円台モデルとなる「Radeon HD 5670」だ。
1スロット厚のクーラーユニットと補助電源コネクタを持たないリファレンスデザインから、小型PCでの利用で期待されたGPUで、1万円台のモデルでもDirectX 11に対応することが訴求された。
ベンチマークテストの結果では、Radeon HD 5750とRadeon HD 5670、そして、Radeon HD 4670のちょうど中間という結果になり、競合するGeForce GT 240と比べて1割程度上回るスコアを出していた。
続いて登場したのが、Radeon HD 5670のさらに下位モデルとなる「Radeon HD 5570」だ。動作クロックも内蔵するStreaming Processerの数もRadeon HD 5670の“約7割”に抑え、価格を下げるためにグラフィックスメモリもGDDRではなくDDR3を採用するバリューモデルで、ベンチマークテストの結果も、そのまま「対Radeon HD 5670の7割」に落ち着いている。
年初めに話題となった“Fermi”世代のGeForceシリーズは、3月の末になってようやく「GeForce GTX 480」が登場した。内蔵するCUDAコアは480基にとどまったが、GeForceシリーズで初めてDirectX 11に対応したほか、GPUコンピューティング開発環境「CUDA」に最適化された新しいアーキテクチャが、ゲームを動かした環境でどれだけの性能を発揮するのかなど、ベンチマークテストの結果が気になるGPUでもあった。
3DMark系ベンチマークテストやゲームタイトルを用いた性能検証で、GeForce GTX 480はRadeon HD 5870を上回り、それまでNVIDIAのGPUで最上位モデルだったGeForce GTX 285にも大きく差をつけた。ただし、それだけに消費電力も突出し、2枚構成のSLI環境においてシステム全体の消費電力は測定ピーク時で677ワットを記録した。
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