GPUの性能測定で欠かせないベンチマークテストの1つが、Futuremarkが開発する3DMarkシリーズだ。その最新版となる3DMark 11が12月にようやく公開された。GPUはDirectX 11対応が必須で、OSもWindows Vista以降に限られるなど、ハードウェア要件が一新されたが、無料のBasic EditionがPerformanceモードだけながら繰り返し測定可能となったことで、利用するユーザーの数と有効度はかなり改善された(ベンチマークテストは、ユーザーへの普及度合いと測定された結果の蓄積数も価値のうち)。
3DMark 11では、Graphics Test 1〜4とPhysics Test、Combined Testという6種類の個別テストが用意される。Graphics Testでは、海中シーンで構成された「Deep Sea」(Graphics Test 1とGraphics Test 2)、ジャングルの中にある古代遺跡で構成された「High Temple」(Graphics Test 3とGraphics Test 4)が用意され、テッセレーションやライティング、シャドウが用いられる。また、物理演算能力を評価するPhysics Testや、物理演算能力に加えて、GPUコンピューティング性能も測定できる「Combined Test」など、GPUに求められる“役割の変化”に対応したのも3DMark 11の特徴だ。
GeForce GTX 580とRadeon HD 5870で3DMark 11を走らせて見たが、Graphics Testでは、Performanceモードで早くも30fpsを切り、Extremeモードでは、10fpsを下回って描画が「カクカク」としてしまうなどの“重さ”が確認された。
Performance | GeForce GTX 580 | Radeon HD 5870 |
---|---|---|
3DMarks | P5983 | P4297 |
Graphics | 5705.5 | 3931.5 |
Physics | 8235 | 9076.5 |
Combined | 5730.5 | 3937.5 |
Graphics Test 1 | 24.955 | 21.86 |
Graphics Test 2 | 26.275 | 20.73 |
Graphics Test 3 | 36.59 | 24.57 |
Graphics Test 4 | 17.925 | 10.075 |
Physics | 26.145 | 28.815 |
Combined | 26.655 | 18.315 |
Extreme | GeForce GTX 580 | Radeon HD 5870 |
---|---|---|
3DMarks | X1958.5 | X1557.5 |
Graphics | 1771 | 1397 |
Physics | 8215 | 9075.5 |
Combined | 2147 | 1719 |
Graphics Test 1 | 8.955 | 7.915 |
Graphics Test 2 | 9.19 | 8.01 |
Graphics Test 3 | 8.77 | 7.03 |
Graphics Test 4 | 5.41 | 3.77 |
Physics | 26.08 | 28.81 |
Combined | 9.985 | 7.995 |
2011年になると同時に新世代モデルが“大量に”登場するといわれているCPUと違い、GPUでは、“新世代”となるモデルは2010年のうちに一通り登場した。残るのはデュアルGPU構成の最上位モデルや、下位クラスへの派生モデルの展開になる。それとあわせて、グラフィックスカードで、オーバークロックモデルやベンダーオリジナルのクーラーユニットを搭載したモデルがどれだけ登場するのかに、まずは注目することになるだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.