FF14特需が終了した9月以降も、グラフィックスカードはPCパーツ系ニュースの主役であり続けた。
9月中旬からNVIDIAとAMDが次世代GPUを年内に投入するというウワサが流れており、その通りに10月にはRadeon HD 6000ファミリーの上位GPU「Radeon HD 6870/6850」を搭載したグラフィックスカードがデビューしている。
性能は「Radeon HD 5850のちょっと上」(クレバリー1号店)だが、価格はHD 6870カードが2万5000円前後から3万円弱でHD 6850カードが2万円前後と、HD 5850カードの初登場時よりも5000円以上安い。さらに、12月後半には最位シリーズの「Radeon HD 6970/6950」搭載カードも5万円弱と3万5000円前後の価格で登場し、リーズナブルさから好評を博した。
しかし、年末時点でRadeon HD 6000ファミリー以上に注目を集めているのは、11月に登場したNVIDIAの次世代ハイエンドGPU「GeForce GTX 580」だ。5万円前後から6万5000円の価格ながら、旧最上位のGTX 480よりも消費電力が低く、性能が向上している点が人気を集めている。
フェイス秋葉原本店は「イメージ的にはGTX 485といったところでしょうか。目立った機能の向上はありませんが、GTX 480をちょっとずつ良くしている優等生的なGPUです」と評価していた。セールスポイントが地味だったために発売当初は様子見するユーザーが多かったが、あらかたGPUが出そろったところで再評価され、年末に最も入手しにくいレアな存在となっている。
11月はもう1つ、HDDの最大容量が1年半ぶりに更新されたのも見逃せない。ウェスタンデジタルが3TバイトHDD「WD Caviar Green WD30EZRS」を2万5000円前後で投入し、続いて日立GSTも3Tバイトの「Deskstar 7K3000 HDS723030ALA640」の出荷を2万5000円弱でスタートさせている。
ツートップ秋葉原本店は「2TバイトHDDが8000円を切っているので容量単価では圧倒的に分が悪いですが、チャレンジ精神が豊富な方を中心に意外と売れています」と話していた。2.19Tバイトを超える容量はWindows XP以前では認識できないうえ、Windows Vista以降のOSでも導入にひと手間かかる。その手間を買って出る“人柱”なユーザーが多く集まるのがアキバという街なのだ。
ただし、「自作PCの街」は依然として厳しい状況にある。次回は2010年に起きたPCパーツショップ界隈の変化を中心に追っていこう。
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