ラスベガスで“Fusion”なThinkPadに接近する2011 International CES(1/2 ページ)

» 2011年01月09日 10時04分 公開
[登丸しのぶ/Shinobu T. Taylor,ITmedia]

OSをAndroidに変更したIdeaPad U1 hybrid

レノボ・イノベーションセンター プログラムマネージャーのケビン・ベック氏

 2011 CESのレノボブースで最も注目されていたのが、2010 CESでコンセプトモデルとして登場した「IdeaPad U1 hybrid」の製品版だ。正式名称は「IdeaPad U1 hybrid with LePad Slate」となり、2011年のCES Unveiledでも多くの来場者が集まっていた。

 2010 CESで発表された「IdeaPad U1 hybrid」は、Windowsが導入された通常のノートPCとして動作するが、ディスプレイ部分を取り外すとLinuxベースのタブレットデバイスとして使えるギミックが注目されていた。

 そのコンセプトモデルと2011 CESで登場した製品版の大きな変更として、レノボ・イノベーションセンター プログラムマネージャーのケビン・ベック氏は、タブレットPC側のOSを独自でカスタマイズしたLinuxベースからAndroidに変えたことを挙げている。Androidを採用した理由をベック氏は「Linuxをレノボが独自にカスタマイズしたOSでは、動作するアプリケーションの開発が困難なため」と説明する。

IdeaPad U1 hybrid with LePad Slate。Windows 7で動作するノートPCの状態(写真=左)。キーボード上部のレバーでAndroidに切り替えるとLePadを取り外すことができる(写真=右)

 ユニット部分のタブレットデバイスはLePadを呼ぶが、そのLePad単体での販売も予定している。単体の場合は3499元(約4万3000円)、ベースシステムと組み合わせたノートPCのフルセットは8888元(約11万円)で、2011年3月から中国で販売を開始する。

 中国以外での販売は未定だが、ベック氏は「レノボにとって最も大きな市場である中国での反応を見てから考える」と答えている。ちなみに、LePadの「Le」はフランス語ではなく、中国語の「Le」(楽)の意味だそうだ。

Windows 7搭載のタブレットPCも

 もう1つ、2011 CESのレノボブースで話題となったのが、Windows 7を搭載したタブレットPC「IdeaPad Slate」のコンセプトモデルだ。スタイラスペンとタッチスパネルのマルチタッチに対応し、タブレットPCにはドック式のキーボードが接続できる。なお、IdeaPad Slateに標準で付属する充電器とこのキーボードはLePadにも使用可能だ。

 Androidを導入したLePadと、Windows 7を導入したIdeaPad Slateの違いを、ベック氏は「LePadは持ち運びに特化した、コンテンツを消費するためのデバイスだが、IdeaPad Slateはコンテンツの創造もできるデバイスだ。このため、スタイラスペンなど、より多くの機能を持たせている」と説明する。IdeaPad Slateの用途としては、学生が授業でスタイラスペンを使ってノートを取るといったシーンを想定している。発売時期は未定だが、レノボでは2011年中を目標としている。

スタイラスペンとタッチスクリーンに対応したIdeaPad Slateのコンセプトモデル(写真=左)。IdeaPad Slateをキーボードドックに接続した状態(写真=右)

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