富士通は1月12日、個人向けの2011年PC春モデル9シリーズ22モデルを発表。2011年1月20日より順次発売する。
新モデルのテーマは「匠」「疾風」。インテルの最新プラットフォーム(コードネーム:Sandy Bridge)をいち早く採用、家でも外でも1台2役で使える新生活向けシリーズの強化、PCならではの“テレビプラスα”な使い方を提案するデジタル放送機能をポイントに、「ユーザーのライフパートナーになる。あらゆるシーンでユーザーの役に立つPC」(富士通執行役員兼パーソナルビジネス本部長の齋藤邦彰氏)とする多彩なラインアップで展開する。テーマを日本語としたのも、“Made in Japan”ならでは技術力や安心感、きめ細かな対応を付加価値として強く訴求したいためと思われる。
2011年7月に終了する地上アナログ放送を目前に、プライベートルームに導入する「PCでも地デジ」の訴求も従来モデル以上に行っていく。23型ワイドのディスプレイを内蔵する液晶一体型デスクトップPC「FMV ESPRIMO FH」は最上位のFH99/CMで同社PC初の“グラスレス3D”に対応し、3Dメガネなしで3D立体視対応の放送、Blu-ray 3D、動画投稿サイト内コンテンツ、DVD、ゲーム、静止画などのコンテンツが楽しめる。3D対応の一部モデルにはディズニーと提携した3D立体視対応の映像コンテンツをバンドルし、「買って、すぐ3D体験できる」特典も設けるという。
地上デジタル放送チューナーはFMV ESPRIMO FH、同EHシリーズ、FMV LIFEBOOK NH、同AHシリーズに備わり、従来通り3波(地上/BS/110度CS)対応デジタルチューナー2基+最大10倍録画のAVCREC機能や高品位サウンドシステムを備えたAV機能を強化した上位モデルも用意する。
PC春モデルは新入学・新生活需要を軸にした春商戦向けの製品だ。現在、国内のノートPC市場は15〜16型クラスのA4スタンダードモデルが最も売れ筋で、同社も「FMV LIFEBOOK AH」シリーズを主力に据えて展開する。ただ、新生活需要においては「家でも、外でも」と1台2役のニーズが比較的高まるとし、A4スタンダードモデルで不満点に上がるバッテリー動作時間・重量・サイズのポイントを解消するシリーズ「FMV LIFEBOOK SH」を一新し、こちらも3D対応モデルや地デジPCとともに強くプッシュする。
FMV LIFEBOOK SHは13.3型ワイドの液晶ディスプレイと光学ドライブを内蔵し、A4スタンダードモデルと同性能の新CPU、同様の使い勝手を実現しながら、重量約1.52キロの軽量・堅牢なボディで手軽に持ち運べるモバイル性能も両立した。
「2010年は新OSに関わる買い換え需要などがあったほか、初の3D立体視対応モデル、らくらくパソコン、ナノイー機能など、富士通ならではの特徴的な機能・製品を投入し、台数ベースで前年比120%ほどの成長と堅調に推移した。2011年は、さらに大きな変化がある年と認識している。全社的に目標にするグローバル展開の方向はPC事業にも当てはまるが、それには国内市場が盤石でなければならない。日本で一貫して企画・開発・製造するMade in Japanを前面に出し、それを付加価値とする商品作りのこだわりを今後も徹底して追求していきたい」(富士通執行役員副社長の佐相秀幸氏)
佐相副社長は同社のAndroidタブレット・スレート機器への取り組みについても言及。これらの機器は、1月に行われた2011 International CESで高い注目を集め、海外メーカー以外に、NECや東芝、パナソニックなど国内競合のPCメーカーも参入し、製品を積極展開していく考えだが、富士通もそれは同じようだ。「タブレット・スレート機器について若干後手に回ってしまった感はあるが、2011年はWindows 7以外にAndroid搭載機器もきちんと世に出していくことを計画している」(佐相副社長)
(おまけ:踏んで解説する「FMV LIFEBOOK SH」)
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