日本HPの“速くて安い”第2世代Core i7搭載ノートを徹底検証新Core i7搭載で6万円台から(2/5 ページ)

» 2011年01月17日 18時15分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

DirectX 11対応の外部GPUを搭載、インテル製SSDも選択可能

dv7-5000の底面。2基のメモリスロット(SO-DIMMスロット)と2基のHDDベイには、ネジ止めされた底面のカバーを開けることで簡単にアクセスできる

 dv7-5000のチップセットはIntel HM65 Expressで、メモリはPC3-10600 SO-DIMMを採用する。メモリの容量は8Gバイト(4Gバイト×2)、4Gバイト(4Gバイト×1)、2Gバイト(2Gバイト×1)の3種類が選べる。

 データストレージについては、大型のボディを生かし、ノートPCでありながら、2.5インチのHDDおよびSSDを最大2基まで内蔵可能だ。HDDは500Gバイト(7200rpm)、1Tバイト(7200rpm)のほか、1Tバイト(5400rpm)を2台搭載した2Tバイトの構成や、160GバイトSSDと500GバイトHDD(7200rpm)の組み合わせも用意されている。SSDは性能、信頼性ともに定評があるインテルの「X25-M」(34ナノメートル版)だ。

 内蔵の光学ドライブは、Blu-ray Discドライブ(DVDスーパーマルチドライブ機能搭載)とDVDスーパーマルチドライブから選べる。

 グラフィックス機能は外部GPUとして、AMDの「ATI Mobility Radeon HD 6570」(グラフィックスメモリGDDR5/1Gバイト)を搭載していると、日本HPは発表している。AMDは2010年内にATIブランドをAMDブランドに統合するとしており、このGPUも正式には「AMD Radeon HD 6570M」として発表されているものだ。しかし、今回は製品発売前にこしらえた評価機のためか、AMDのユーティリティでもAMD Mobility Radeon HD 6570と表示されていた。

 AMD Radeon HD 6570Mは、モバイル向けではミドルレンジのGPUで、3Dゲームも特別にGPUへの負荷が高いタイトルでなければ、一通りこなせる性能を持つ。DirectX 11に対応し、400基のユニファイドシェーダを内蔵している。動画再生用のビデオエンジンは最新のUVD3ではなく、一世代前のUVD2を搭載しており、Blu-ray 3DのコーデックであるMPEG-4 MVCのハードウェアデコードには対応しない。

 なお、第2世代Core iシリーズの大きな特徴であるCPU内蔵のGPUコア「Intel HD Graphics 3000」は利用しておらず、内蔵GPUと外部GPUの切り替え機能もない。もちろん、AMD Radeon HD 6570MはIntel HD Graphics 3000より高いグラフィックス性能を発揮する。

GPU-Zの情報表示画面。dv7-5000は外部GPUとして最新のAMD Radeon HD 6570Mを装備。DirectX 11対応でユニファイドシェーダ数は400基、グラフィックスメモリは1Gバイトを搭載する
グラフィックスユーティリティのCatalyst Control CenterでもGPUの情報が確認できる。ここでもGPUはAMD Mobility Radeon HD 6570と表示されていた
Catalyst Control Centerでは、PUの性能と消費電力を調整する「Power Play」の設定などが行える。CPU内蔵GPUと外部GPUとのGPU切り替え機能には対応していない

dv6-4000 Premiumの底面。dv7-5000と同様、カバーを開けると、2基のメモリスロット(SO-DIMMスロット)とHDDベイが現れる。HDDベイは1基だ

 一方、15.6型ワイド液晶を搭載したdv6-4000 Premiumもほぼ同等の基本スペックだ。

 ただし、CPUに最上位のCore i7-2820QM(2.3GHz/最大3.4GHz)が選べないことに加えて、HDDベイが1基のため、160GバイトSSDかHDD(500Gバイトもしくは320Gバイト、いずれも7200rpm)か、どちらかしか内蔵できない。

 また、グラフィックス機能として、AMD Radeon HD 6570M(グラフィックスメモリ1Gバイト)のほかに、CPU内蔵のIntel HD Graphics 3000を選択できる点が異なる。

アルミ+ZEN-design+光るロゴで高級感を演出したボディ

 ボディは2機種とも共通のデザインイメージを採用している。トップカバーとパームレストにはアルミニウム素材を使用しており、縦方向のヘアラインを施したうえで、日本HPおなじみの「ZEN-design」による独特のパターン“nagisa”を刻み込んだ、非常に凝った仕上げだ。

 天面には起動時に白く点灯するHPのイルミネーション・ロゴもあしらい、金属の質感が味わえる落ち着いたシルバー系のカラーも含め、全体的にプレミアムなイメージを演出している。大柄でスリムながら、しっかりした剛性を確保している点も好印象だ。

dv7-5000の外観。トップカバーとパームレストはアルミニウム製で、縦方向のヘアラインや独自のパターンも施したこだわりのデザイン。天面の左下にあるHPロゴは起動時に白く点灯する

dv6-4000 Premiumの外観。デザインやカラーはdv7-5000と共通化されている

 dv7-5000の本体サイズは420(幅)×278(奥行き)×32〜39.5(高さ)ミリ、重量は約3.05キロだ。dv6-4000 Premiumはそれをそのまま小さくしたようなイメージで、本体サイズは382(幅)×250(奥行き)×30〜37(高さ)ミリ、重量は約2.45キロとなる。

 底面の奥側に搭載するリチウムイオンバッテリーの容量は共通で55ワットアワー(10.8ボルト)。公称の駆動時間はdv7-5000が約3時間、dv6-4000 Premiumが約6時間と2倍の開きがある。どちらも重さからして携帯用途には向いていないが、約6時間の駆動時間はたまに持ち運ぶ必要が生じた場合にも頼もしい(バッテリー駆動時間のテスト結果は後述)。付属のACアダプタも120ワットの巨大なものだ(dv6-4000 PremiumでIntel HD Graphics 3000を選択した場合、ACアダプタは90ワットタイプとなる)。

dv7-5000は55ワットアワーのリチウムイオンバッテリーと、大きめの120ワットACアダプタを採用
dv6-4000 Premiumのリチウムイオンバッテリー(55ワットアワー)と120ワットACアダプタ。Intel HD Graphics 3000を選択した場合、ACアダプタは90ワットタイプとなる

端子やカードスロットは標準的な構成

 端子類の構成および配置は2機種で共通だ。USB 2.0ポートは左右2基ずつ合計4基(1ポートはeSATA兼用)、ディスプレイ出力はアナログRGBとHDMI 1.3を装備し、5in1カードスロット(SDXC/MMC/メモリースティックPRO/xDピクチャーカードなどに対応)や音声入出力も備える。

 通信機能は1000BASE-T対応の有線LANのほか、IEEE802.11b/g/n対応の無線LANを標準装備しており、BTOではBluetooth 3.0も追加できる。高速なUSB 3.0ポートは装備しないが、実用十分な内容で特に使いにくそうな配置も見られない。液晶フレーム上部にはWebカメラ、パームレストの右端には指紋センサーも備えている。

dv7-5000の前面。ステレオスピーカーを内蔵する。搭載する高音質化技術については後述
dv7-5000の背面。液晶ディスプレイが後方に回り込んで開くため、背面にインタフェースはなく、バッテリーで占有されている

dv7-5000の左側面。手前から5in1カードスロット、音声入出力、USB 2.0、USB 2.0/eSATA兼用、HDMI出力、有線LAN、アナログRGB出力、排気口を装備
dv7-5000の右側面。手前からインジケータ、USB 2.0×2、光学ドライブ、ACアダプタ用のDC入力、セキュリティロックケーブル用スロットを配置している

dv6-4000 Premiumの前面。ステレオスピーカーを内蔵する。搭載する高音質化技術については後述
dv6-4000 Premiumの背面。dv7-5000と同様、インタフェースはなく、バッテリーが占有している

dv6-4000 Premiumの左側面。手前から5in1カードスロット、音声入出力、USB 2.0、USB 2.0/eSATA兼用、HDMI出力、有線LAN、アナログRGB出力、排気口を備える
dv6-4000 Premiumの右側面。手前からUSB 2.0、光学ドライブ、インジケータ、USB 2.0、ACアダプタ用のDC入力、セキュリティロックケーブル用スロットが並ぶ

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