Let'snote B10の大画面ディスプレイと軽いボディにホレるボクはでっかい画面が好きだー(2/3 ページ)

» 2011年01月27日 15時00分 公開
[長浜和也(撮影:矢野渉),ITmedia]

打ちやすいのに静かなキーボードが実現した

 大画面液晶ディスプレイを搭載したことで、キーボードレイアウトにも余裕がある(ただし、テンキーは搭載しない)。ほとんどのキーでピッチが均等で19ミリを確保、ストロークも3ミリとデスクトップPC用のキーボードと同じだ。Let'snote B10では、使う場所を選ばず、会議室や図書館でも迷惑をかけることなくキーをたたけるように、キーボードを打ったときの発生音を抑えている。実際、力強くキーボードをたたいても、音は「フカフカフカ」となるだけで、カチャカチャとした刺激的な音は出ない。ただし、打ち込んだときの感触も軟らかい。とはいっても、キーボードがゆがむわけではなく、打った指の力もしっかりと受け止めてくれるので、不快でない。「メカニカルなクリック感が欲しい」というユーザーには厳しいかもしれないが、そうでないユーザーには使いやすいキーボードだ。

 パームレストのポインティングデバイスは、ほかのLet'snoteシリーズと同じ、ホイールパッドを載せている。従来のホイールパッドでは、クリックボタンを下側に配置して、上側にはHDDアクセスランプなどのステータスインジケータを配置しているが、Let'snote B10では、下側と合わせて上側にもクリックボタンを設けた。下側だけだと「人差し指でパッドをなぞって、人差し指でクリック」という使い方でキーボードから手を移動させなければならないが、上にもクリックボタンを設ければ、「親指でなぞって、親指でクリック」とキーボードから手を離さなくても使えるようになる。

 パームレストにトラックボールを備えたノートPCを使ったことのある“古参”ノートPCユーザーにはなつかしい操作方法というだけでなく、キーボードに置いた手を動かさなくともポインティングデバイスが使えるので便利と思えるが、(手の大きさや指の長さなどの個人差もあるかもしれないが)実際に試してみると、キーボードに手を置いたままでは、親指の“腹”をパッド面に向けるのは難しい。指の“側面”で使うようになってしまうが、そうすると“腹”より動きの追従性が落ちるように感じた。

 Enterキーが配置された列の右側には、「Home」「Page Up」「Page Down」「End」キーが配置される。日本のユーザーには「Enterキーをたたいたつもりが、別なキーをたたいてしまう」と評判はよろしくないレイアウトだが、Let'snote B10では、Enterキーの列とその右列のキーの間に仕切りを設けて離すことで、打ち間違いを防いでいる。評価作業で長文を入力したが、Enterキーの右側列を間違ってたたくことはなかった。

 ファンクションキーと「Home」「Page Up」「Page Down」「End」の各キーには、Fnキーと組み合わせてシステムの設定を行う機能が割り当てられている。その機能はキートップにアイコンで記されているが、これが分かりにくいというユーザーの意見に対応して、Let'snote B10では、Fnキーを押すと割り当てられた機能がデスクトップ画面にアイコンとなって表示されるようになった(設定でオフにもできる)。慣れないと、表示されたアイコンをマウスカーソルでクリックしたくなるが、そのような操作には対応していない。

ピッチ19ミリを確保したキーボードとクリックボタンを上下に用意したホイールパッドなど、入力環境も改善された(写真=左)。Fnキーを押すと、割り当てられた機能とその場所がアイコンで表示される(写真=右)

フルHDだけじゃない、1920×1080ドットの有効性

 繰り返しになるが、Let'snote B10に搭載された15.6型ワイド液晶ディスプレイの最大解像度は1920×1080ドットだ。15.6型ワイドということもあって、標準状態ではフォントが小さく感じるかもしれないが、これは、フォント表示の設定を変更すればいい。また、Fnキーで使える機能設定で、解像度を1920×1080ドット、1600×900ドット、1366×768ドット、1280×720ドットに変更できる。

 1920×1080ドットという解像度が表示できると、「フルHDコンテンツの利用」というコンシューマー的な利用場面が訴求されることが多い。実際、Let'snote B10では、内蔵する光学ドライブを、ほかのLet'snoteの2スピンドルシリーズで搭載する軽量小型の専用タイプではなく、通常のトレイタイプを採用する。この変更で、Web販売限定のマイレッツ倶楽部モデルプレミアムエディションは、Let'snoteシリーズで初めて、Blu-ray Discドライブを内蔵することが可能になった。

 しかし、ビジネス利用においても1920×1080ドットの効果は絶大だ。パナソニックは第三者機関のユーザビリティテストで、「文字検索修正作業」「グラフ作成作業」「ファイル検索移動作業」の時間を1366×768ドット表示のノートPCと1920×1080ドット表示のLet'snote B10で比較したところ、それぞれ、40%、27%、24%の作業時間短縮が確認されたと説明している。

 ただ、そのような、厳密なテストではないにしても、評価作業中に撮影した画像を整理して修正を加え、その画像の説明文を入力しつつ調査結果をワークシートで計算してグラフ化する、という汎用的な仕事でよくある作業を迅速に行えた。特に、たくさんのウインドウを広げたままで作業を進めているとき、解像度が低いディスプレイでは、「Alt」キーと「Tab」キーの組み合わせを連打して、「下に埋まったウインドウを掘り起こす」感覚で使うアプリケーションを探すが、そのようなことをしなくても済む高解像度のデスクトップは作業の迅速化に大きく貢献する。

 普段はオフィスの机に置いた液晶ディスプレイで、1680×1050ドットや、1920×1080ドットという解像度で作業をしているユーザーが、出先や出張に持ち込んだノートPCの1366×768ドットという解像度に「息苦しさ」を覚えたりするが、Let'snote B10を持ち歩けば、そういうこともなくなるだろう。

なんだかんだいっても、Let'snote B10の存在意義は15.6型ワイドで1920×1080ドットという解像度を実現した液晶ディスプレイにある(写真=左)。正面にトレイ式の光学ドライブを内蔵。マイレッツ倶楽部モデルのプレミアムエディションではBlu-ray Discドライブを搭載する(写真=右)

 Let'snote B10は、複数のウインドウを使いやすいサイズに広げて並べてくれる「画面分割ユーティリティ」を用意する。「2分割」「3分割」「4分割」のそれぞれで、事前に用意された分割レイアウトを選べるほか、ユーザーも自分で分割領域を設定できる。なお、ユーザーの設定は“直前”の状態が保存される。この画面分割では、“ウインドウを表示させない領域”も指定できるので、メニューを展開させたいデスクトップの左下やガジェットを表示させておきたいデスクトップ右寄りで、アプリケーションのウインドウを配置させないレイアウトも可能だ。

 ただ、実際に使ってみると、起動させたアプリケーションのウインドウがワンアクションで並べられたりということではなく、ウインドウを指定した領域に移動して、そこで最大化にすると分割したサイズにあわせて展開するなど、操作がやや難しい。評価時間が限られていたため、正しい設定や操作に気が付いていない可能性もあるが、うまく使うにはある程度の習熟が必要なのは確かなようだ。

画面分割ユーティリティには事前に分割レイアウトが用意されている(写真=左)。アプリケーションウインドウの配置のほか、「ウインドウを配置しない」領域も指定できる(写真=右)

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