先週、NVIDIAの新しいGPU「GeForce GTX 560 Ti」を搭載したグラフィックスカードが店頭に並んだ。ギガバイトやMSI、GALAXYなど複数のメーカーが投入しており、オリジナルクーラー搭載モデルやオーバークロックモデルもいくつか店頭に並んでいる。平均的な価格は3万円弱だ。
GeForce GTX 560 Tiは、GTX 570の1つ下位にあたるGPUで、822MHz動作のコアと1644MHzのCUDAプロセッサを備える。GDDR5メモリのバス幅は256ビット、標準仕様のカードは1Gバイトを積んでいる。TDPは170ワットだ。
旧世代の400ファミリーと照らし合わせると、GeForce GTX 460からの強化版といえそうだが、多くのショップは「GTX 470に近い」と話していた。クレバリー1号店は「GTX 460よりもTDPが10ワットも上がっていますし、実際に性能を比較するとGTX 470に匹敵するかちょっと足りないか、というくらいです」と話していた(関連レビュー:「GeForce GTX 560 Tiのオーバークロックモデル」は“みんなが喜ぶ”グラフィックスカードか?)。
売れ行きについては多くのショップが「微妙」と話していたが、その理由も共通している。TSUKUMO eX.は「登場したばかりで3万円弱という価格になっていますから。対するGTX 470は在庫一掃を兼ねて2万円ちょっとで売られているわけですよ。いまは当然、GTX 470を買う人が多くなるでしょう。まあ、400世代のハイエンドが市場か消えるころが本番だと思います」と語る。
“本番”までにどこまで値下がりするかがヒットのカギとなるようだ。ソフマップ秋葉原本館は「1カ月もすれば価格が落ち着くと思いますが、個人的には、2万円台前半まで落ちればヒット、2万円台半ばで落ち着くならそこそこという感じになるでしょう」と予想していた。
一方で、「GTX 560 Tiのあとに、無印のGTX 560カードが登場するというウワサもあります。すると無印が2万円前後に落ち着いて、GTX 560 Tiは2万円台半ばということになる。もうちょっと下がってもらえるとうれしいですが……」(某ショップ)という声も挙がっており、最終的な価格帯に見当をつけるのは難しい状況のようだ。
ただし、モノとしての評価は高い。フェイス秋葉原本店は「GTX 460と比べて1.4倍程度の性能アップを実現しているようですし、ミドルレンジとしては相当な強化が期待できるでしょう。初回からかなりの引き上げ幅を記録したオーバークロックモデルが出回って、バリエーションも豊富。まあ、長い目で見守っていきますよ」とコメントした。
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