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» 2011年02月07日 18時00分 UPDATE

3Dコンテンツを作ろう!:クリエイター向けの3D Vision対応フルセット――「MDV-ADS7410S-WS-3DV」を試す (1/2)

NVIDIAの3D立体視システムを使って、CGや動画を作成するためのPCがマウスコンピューターの「MDV-ADS7410S-WS-3DV」だ。3D対応コンテンツ制作の導入機に最適。

[小川夏樹,ITmedia]

3つの目的に分類されるマウスコンピューターの3D対応モデル

og_3dforcreator_001.jpg マウスコンピューター「MDV-ADS7410S-WS-3DV」

 マウスコンピューター3D立体視対応モデルは、大きく3つに分類される。まず1つが3D対応動画を視聴するための「3D for Theater」、次に3D立体視対応ゲームを快適に楽しめる性能を備えた「3D for Gamer」、そして最後が3Dコンテンツを“作る人”にうってつけの「3D for Creator」だ。

 PC USERでは以前から動画用の「3D for Theater」とゲーム用の「3D for Gamer」を紹介してきた。いずれもコストパフォーマンスに優れ、掛け値なしで3D立体視用の動画や3Dゲームが楽しめる仕様になっており、非常にオススメできるモデルであった。

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 今回紹介するのは「3D for Creator」は、3D立体視対応コンテンツを作成するクリエイターに向けたモデルとなる。ゲームや動画観賞は、一般ユースに含まれるところがあるが、コンテンツ作成のクリエイター向けとなるとユーザーが限定されてしまう。というより、業務用PCに分類されるので前の2モデルとは大きく異なった性格を持つ。まずはハードウェア面から「MDV-ADS7410S-WS-3DV」(以下、ADS7410S)を紹介していこう。

Lynnfield世代のCore i7-870にIntel P55 Expressという“安定”の組み合わせ

 前述したように、ADS7410Sはクリエイター向けモデルだ。業務用途で何より重視されるのは「堅牢さ」と「安定動作」。加えてコンテンツ作成用ソフトウェアの確実な動作といった条件が加わるため、常に最新のシステム構成というわけにはいかない。むしろ少し前くらいのパーツで確実に動作確認が取れているモノを組み合わせて構成するのが大原則になる。

 こうした背景から、すでにSandy Bridgeが登場しているにも関わらずADS7410SのCPUは、1つ前のLynnfieldのCore i7-870(2.93GHz)とIntel P55 Expressとの組み合わせになっている。なぜなら新しい命令セットが追加されているSandy Bridgeのシステムで、既存のコンテンツ作成ソフトが安定動作するかは、まだ確認が取れていないからだ。

 さらに、Sandy Bridge世代のシステムは、Intel 6シリーズチップセットの不具合で一時供給が止まった状態にある。もちろん、これを見越したわけではないだろうが、ADS7410Sは安定動作を前提にし、前世代のパーツで構成されているため、この点でもまったく問題はない。また、2.93GHzのLynnfieldとはいえ、4コアでHyper-Threadingによる8スレッド同時実行も可能で、Turbo Boost Technology時は最高3.6GHzで駆動する。スペック的にも十分現役といっていい。

 ADS7410Sに搭載されるマザーボードは、MSIのP55-SD60(型番はMS-7583)だ。前述した通り、チップセットにはIntel P55 Expressを採用する。拡張スロットはPCI Express x16が2基、PCI Express x1が2基、PCI Express x4が1基、PCIが2基と豊富に用意されている。出荷状態で利用しているのはx16が1基のみなので、十分な拡張性が残されている。将来的にはx16スロットを2基使ってマルチGPU構成にすることも可能だ。

 メモリスロットは4スロットあるが、標準では2スロットに2GバイトのDDR3 PCモジュール(PC3-10600)を装着している。残りの2スロットに同様のメモリモジュールを装着することで、最大容量の8Gバイトまで増設できる。OSは64ビット版のWindows 7 Home Premiumだ。

og_3dforcreator_006.jpgog_3dforcreator_007.jpg LynnfieldのCore i7-870を搭載する。コア数は4でHyper-Threading技術によって8スレッド同時実行が可能。2.93GHz駆動だがTurboBoost動作時には最高3.6GHzという高いクロックで動作する(画面=左)。搭載しているマザーボードはMSIの「P55-SD60」というOEM向けで型番は「MS-7583」となっている。チップセットはIntel P55 Expressだ(画面=右)

og_3dforcreator_008.jpgog_3dforcreator_009.jpg メインメモリーの容量は4Gバイト。2Gバイトのモジュールを2枚装着している。メモリの種類はDDR3(PC3-10600)だ。最大では8Gバイトまで搭載できる(画面=左)。グラフィックスカードはNVIDIAの「Quadro FX580」。OpenGLに最適化されてはいるがDirectX10まで対応する(画面=右)

グラフィックスカードに「Quadro FX580」を採用

og_3dforcreator_005.jpg NVIDIA Quadro FX580を搭載

 ADS7410Sがクリエイター向けであることを示す何よりの証といえるのが、グラフィックスカードだ。搭載しているのはNVIDIAの「Quadro FX580」(ビデオメモリは512Mバイト)。クリエイター向けのエントリーGPUで、DirectX10、OpenGL 3までの対応だ。G96コアを採用し、動作クロックは450MHzとなっている。消費電力が40ワットと低消費電力なのも特徴の1つで、そのため電源ユニットの容量は500ワットと、最近のデスクトップPCにしては低容量の電源を積んでいる。

 3D立体視に対応する一般向けモデルなら、同じNVIDIAであればGeForce系のグラフィックスカードを搭載するが、今回のモデルは業務向けということで、CADや3D CG作成といったソフトで動作保証されるQuadro FXを搭載している。OpenGLに最適化されているため、DirectXに関する動作はDirectX9あたりまでが実用に耐える程度と考える必要はあるだろう。

 なお、グラフィックスカードにはDVIに加えて、2つのDisplayポートが用意されている。また、HDCPに対応しているため、標準添付される3D立体視対応液晶ディスプレイであるLG電子の23インチ液晶「W2363D-PF」と組み合わせれば、著作権保護コンテンツの表示も行える。この液晶に加えて、3D Vision用の専用グラスから、IRユニットまでのフルセットになっているので、画面を見ながら3D立体視対応コンテンツをすぐに作り始められる。

og_3dforcreator_012.jpgog_3dforcreator_010.jpgog_3dforcreator_011.jpg 標準でLG電子の23インチワイド液晶「W2363D-PF」がセットになっている。このディスプレイは120Hzの倍速駆動が可能でかつ3D Visionに公式に対応しているディスプレイだ(画面=中央)。NVIDIAコントロールパネルでGeForce系では見られない「ワークステーション」項目によって、Quadro FX580が業務向けのグラフィックスカードであることが理解できる(画面=右)

1テラバイトのHDDと必要十分なインタフェース類

 ADS7410Sは、同社のMDV ADVANCEシリーズに属するので、ケースも同シリーズで採用されるミドルタワーケースになっている。シンプルな構成のため、内部空間にはかなりの余裕があり、メンテナンスでアクセスしにくいということはほとんどないと思われる。

 HDDの容量は1テラバイトと十分だ。また各種インタフェースに関してだが、内蔵用ではSATA IIを6ポート用意し、このうちHDDとDVDスーパーマルチドライブで2ポート利用している。残り4ポートと拡張性は十分だ(PATAはなし)。USBは2.0ポートが本体背面に6ポート、本体前面に2ポート用意される。

 標準ではマウスで使う以外にUSBポートを利用するデバイスは付属しないので、残り5ポートと、こちらも余裕がある。ネットワークに関してはギガビットLANのポートを背面に用意している。インタフェース類に関しては、十分に余裕があると考えていいだろう。

og_3dforcreator_002.jpgog_3dforcreator_003.jpgog_3dforcreator_004.jpg 本体前面、背面、左側面

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