無料のiPhoneアプリ「TVPlayer」を使えば、GV-MVP/FZとDT-F200/U2Wで録画したビデオデータや受信中の番組を、LAN内にあるiPhoneで視聴できるようになる。TV Playerさえインストールしておけば、どちらのモデルでも使えるが、DT-F200/U2Wはさらに独自アプリ「TVリモコンi」との連携機能も利用できる。
iPhoneでTVPlayerを起動すると、LAN内にあるチューナーを接続したマシンの情報を自動で取得し、そのままストリーミングによる視聴が行える。アプリ上でチャンネルを変更したり、録画データに切り替えるといった操作が可能だ。木造1階に置いたマシンと2階の寝室にあるiPhoneをIEEE802.11gで接続したところ、若干のコマ落ちが発生したものの、十分視聴に耐える状態で30分番組が楽しめた。チューナー自体の感度は良好だったので、IEEE802.11nならさらに快適な“家中どこでもテレビ”環境が手に入ると思われる。
ソファーに寝ころびながらや、料理の片手間にでもiPhone片手に地デジを楽しむことができるので、モバイル用途だけでなく据え置きとしての用途も充実している。さらに、ワンセグで録画できるDT-F200/U2Wなら、録画データをiPhoneへダビングするといったことも可能だ。事前にエンコードする必要がないので、毎朝通勤用にビデオを転送するといったスタイルも無理なくできる。
PC用地デジチューナーといえば、家電に比べて新機能の投入が遅く、一段遅れた使用環境というのが当たり前だった。しかし現行のハイスペックモデルなら、録画データの移動制限がある以外は、自由なスタイルで番組を楽しめるようになった。しかもそれが1万円程度で買えるのだ。接続するPCも選ばず、数年前のワンセグチューナーのような感覚で機能を追加できるのは、地上アナログ放送が停止する直前の今、最も魅力的な周辺機器の1つだろう。
ただし、導入にあたってはもう1つ重要なポイントがある。モバイルで使うなら避けて通れない受信感度だ。後編ではPC USER恒例の山手線テストで2チューナーの実用度をチェックしていく。
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