「GALAXY Tab」と「NAVIONICS」で冬の海を渡る!勝手に連載「海で使うIT」(3/4 ページ)

» 2011年02月23日 11時30分 公開
[長浜和也,ITmedia]

航海支援機能はシンプルなれど、揺れる船上でも操作は容易

 航海支援機能としては、航跡表示とルート作成、そして、2点間の距離と方位の算出表示を用意する。いずれも画面のタップだけで操作が完結するので、揺れる小型船舶の甲板でもストレスを感じることなく使える。

 ルート作成は任意のポイントをタップすればWay Pointが設定される。海図のパンニングとWay Pointのタップは誤認識されず、また、間違った場所にWay Pointを置いてもUndoできる。ただし、PCの航海ソフトで用意されている補助線(航路の正横を示す線など)を表示する機能はない。Way Pointの設定を終わるときはメニューを開いて有効になっているWay Pointアイコンをタップすればルートの保存画面が表示される。この画面では、設定したルートの総合距離やWay Pointoごとの針路と距離だけでなく、事前に設定しておいた巡航速度と燃費で算出した予想航行時間と予想消費燃料も表示される。

 設定したルートは、任意の名前を付けて保存できるだけなく、ネットワークにアクセス環境であればメールやFacebook、Twitterで共有も可能だ。保存したルートの詳細情報が表示される画面で「Share」をタップすれば、オプションで設定しておいたアカウントからFacebook、Twitter、メール(この場合は、その都度アドレスを入力する)に投稿する。投稿された情報には、ルートデータをプロットしたGoogle Mapの短縮URLが自動で入力されるので、そこから設定したルート情報を参照できる(メールの場合はkmzファイルが添付される)。

 トラック機能では、GPSで取得した位置情報を海図に航跡として表示する。こちらも、任意の名前で保存できるだけでなく、Facebook、Twitter、そして、メールで共有可能だ。

Way Point機能を有効にして海図をタップすると、Way Pointが設定される。画面左下のUndoでやり直し可能だ(写真=左)。設定したRouteでは、Way Point間の距離と針路を示すほか、オプションで設定した巡航速度と燃費から、航行時間と消費する燃料も算出する(写真=中央)。また、保存できるだけでなく、FacebookやTwitter、メールで共有も可能だ(写真=右)

ナビゲーション機能はシンプルだが、簡単な操作でカバー

 2点間の距離と方位の算出機能では、2点とも任意に変更できるほか、GPSで取得した現在位置と任意の1点でも利用可能だ。この場合、算出する距離と方位は、移動する現在位置にあわせてリアルタイムで変化する。また、距離と方位の算出点に表示されるピンは、タップしてスライドさせると簡単に移動できる。

 なお、ハンディGPSなどに実装されているナビゲーション機能では、設定したWay Pointと現在位置との距離や方位、設定したルートと現在位置のずれなどを表示できるが、NAVIONICSの航海ソフトでは、この機能が用意されていない。そのため、GPSの現在位置と任意の1点における距離と方位を算出する機能を利用して設定した航路を航海することになる。Way Pointを通過するたびに次のWay Pointに算出点を移動しなければならないが、画面のタップとスライドで簡単に変更できるので、実際の運用にあたって苦労は感じなかった。

GPSで取得した現在位置(赤いピン)と海図でタップしたポイント(紫のピン)の距離と方位を表示する。赤い矢印から伸びる線は船が取っている現在の針路。なお、長さは固定で速度にあわせて変化しない(写真=左)。Way Pointを自動で選んで針路を示すナビゲーション機能を持たないが、紫のピンをスライドさせて目標とするWay Pointに移動させれば同じ利用方法が実現できる(写真=右)

 このほかに、ユーザーが任意に選んだポイントに情報やデバイスで撮影した画像を追加する機能もサポートする。自分が利用する港に設けられている魚網のポジションといったローカルな情報や、初めて利用した港の画像などを、水路情報として集積していくことも可能だ。

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