同社執行役員の齋藤邦彰氏からは、STYLISTIC Q550シリーズの具体的な特徴が紹介された。齋藤氏は、スレート型PCを、通常のPCから用途を特化させて派生したデバイスで、インターネット接続利用に特化したNetbookの進化モデルと位置付け、直感的な操作で誰もがマニュアルなしで使えることを特徴とした。このようなデバイスが企業に導入されることで、これまでPCが使えなかったユーザーでもインターネットをはじめとするネットワークサービスが利用できるようになり、そこに、新しい市場が生まれると齋藤氏は説明する。
STYILISTIC Q550シリーズは、法人利用に特化するために、このような直感的な操作に加えて、企業がすでに所有するアプリケーションとハードウェアとの高い互換性が求められるほか、セキュリティ、大量導入にも対応できるサポート体制が必要だ。齋藤氏は、そのためにWindowsを導入したPCが最適という。STYLISTIC Q550シリーズでは、電磁誘導式ペンの採用や長時間のバッテリー駆動、背面に滑りにくいラバー層塗装の実施、持ちやすい本体形状と重量バランスの実現、ギリギリの軽量化など、「富士通の総合的な技術力を結集して」(齋藤氏)開発が行われたとアピールしている。
また、直感的なユーザーインタフェースでも、Windows 7に導入されたタッチパネル操作インタフェースに加えて、「らくらくPC」のノウハウを利用して独自に開発した専用アプリで実現している。それ以外でも、使い勝手の向上では、オプションでUSB 2.0を多数搭載するクレードルやBluetooth接続のキーボードを用意して、デスクトップPCのような操作も可能にしている。さらに、バッテリーも軽い標準バッテリーと長時間駆動が可能な大容量バッテリーが使い分けられるように、このサイズのスレート型デバイスでは例が少ない、着脱式のバッテリーを採用する。
ゲストとして登場した日本マイクロソフト代表執行役社長の樋口泰行氏は、「タブレットデバイスが市民権を得つつある現在でも、企業の利用ではすでに所有しているアプリケーションやハードウェアとの互換性など、Windowsでないと困るという意見が多い。今回登場したSTYLISTIC Q550シリーズは、待ちに待ったデバイス」と述べた。
また、同じくゲストで登場したインテル 取締役副社長の宗像義恵氏は、STYLISTIC Q550シリーズで採用される“Ork Trail”世代のAtomについて紹介。省電力向上と性能向上の両立を実現したと述べた上で、この後PC以外のデバイスもインターネットに接続され、ユーザーはそれらをシームレスに利用することを希望するが、それを実現するプラットフォームとして“Ork Trail”世代のAtomが開発され、その最新のAtomを採用するSTYLISTIC Q550シリーズは、インテルの戦略としても重要な製品になるという考えを示した。
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