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本田雅一のハイスピード・ワイヤレス・チャンネル:第9回 UQコミュニケーションズ野坂社長インタビュー前編「2010年、なぜWiMAXは躍進したのか」

なぜ高速か、なぜ快適か。新世代のモバイルブロードバンド時代を迎える中、4Gの「WiMAX」を国内で展開するUQコミュニケーションズは何を目指しているのか。UQコミュニケーションズの野坂章雄社長に聞いた。

「2010年はWiMAXが飛躍した年」

 2010年、積極的な基地局投資を行うとともに、マーケティング面でも普及戦略を次々に打ち出したUQコミュニケーションズのWiMAX。2010年11月より急速に契約者数を伸ばし、高速ワイヤレスコミュニケーションの中でもっとも充実したサービスに成長してきた。

 とはいえ、NTTドコモがLTE(Long Term Evolution)を用いたXi(クロッシー)を開始し、ソフトバンクもウィルコムの資産を活用した次世代XGP、あるいはチャイナモバイルやボーダフォンなどとともにTD-LTE(ドコモが採用する周波数分割複信によるLTE対して、時分割複信による二重化を行ったLTE)基地局を共同で調達すると発表するなど、次世代のモバイル通信を巡る動きは激しい。

 新しい世代のモバイルブロードバンド時代への激動の年を迎える中、UQコミュニケーションズは何を目指しているのか。代表取締役社長の野坂章雄氏に話を聞いた。



聞き手本田雅一(以下、本田) 2010年はWiMAXが飛躍した年でした。2010年6月に現KDDI社長の田中氏よりUQコミュニケーションズを引き継いだ直後、これからは地方都市へとエリアを伸ばすことに力を入れるのか? と尋ねました。このとき、野坂さんは「さらに都市部のエリア強化を行い、基地局密度も上げていかなければならない」と話していました。

(撮影:平沼久奈) UQコミュニケーションズ代表取締役社長の野坂章雄氏

UQコミュニケーションズ 野坂章雄社長(以下、野坂氏) 田中からバトンを受け取る際、私なりにWiMAXが提供する価値とは何なのかを自問しました。WiMAXはワイヤレスブロードバンドサービスの中で、「速度あたりのコストが圧倒的に安い。リーズナブルな料金でモバイル通信を利用できる」部分がもちろん魅力なのですが、一方で自宅やオフィスで利用する場合も、「配線や大がかりな設備が必要なく、手軽に高速インターネットが利用できるようになる」点がもっと訴求されるべきだろうと感じました。

本田 感覚的には、圧倒的にエリアの広い無線LANスポットというイメージですよね。しかもいちいちユーザーが逐一認証プロセス(公衆無線LANサービス利用時のように、利用前にIDやパスワードを入力して認証する)を経る必要もない。

野坂氏 その通りです。WiMAXを日常的に使っていると、通信をしているという意識を超えてきます。現時点(2011年2月現在)はまだ3Gサービスほどエリアは広くありませんが、それ以外の面で、データ通信における3Gサービスに負ける要素はないと思いました。そこでWiMAXを安心して使ってもらうために、3つの分野に集中して改善を指示しました。

 簡単に言えば「料金プラン」、「デバイスの多様化と強化」、それに「実質的な利用エリアの拡大」です。

本田 2010年11月後半からの驚くべき契約者の伸びは、何が要因でしょう?

野坂氏 何か1つとは特定できませんが、特に料金面での施策が大きかったのではないでしょうか。「WiMAXスピードNo.1キャンペーン」(2010年7月)に始まり、「WiMAX PC バリューセット」(2010年10月)を実施しました。そして2010年11月には新料金プランの「UQ Flat 年間パスポート」(1年間の継続続利用を条件に、使い放題で3880円/月)を導入しました。

(撮影:平沼久奈) 聞き手の本田雅一

本田 UQ Flat 年間パスポートは、契約期間による縛りを行わない、従来のUQコミュニケーションズの料金プランとは異なる手法でした。

野坂氏 重要なことは、選べることです。ユーザーは従来通り、契約期間を設けないプランも選べます。言い換えれば、顧客層が徐々に広がってきて、一般層の方々もWiMAXを利用してくれるようになってきたということになります。

 例えば、iPad Wi-Fi版と一緒に購入されたモバイルルータで大変よく売れたのがWiMAX対応製品です。ここで認知を得て、今度はWiMAX内蔵パソコンの契約も増え始めるなど、とてもよいサイクルでWiMAXの市場での評価が高まりました。そうした意味で、1つ1つの施策というよりも、うまくその時代に合ったマーケティングプランを実行し、同時に品質向上への投資をゆるめなかったことがよかったのでしょう。

サービスエリア「東京都内ならば、すでに実人口カバー率99%」 2011年度の方針は?

本田 そもそもがWiMAXは異例のペースで基地局を増やしてきましたが、主要都市部でのエリア満足度が高まってきている中でもそのペースをゆるめるのではなく、むしろ早めています。漫然と基地局数を増やすのではなく、何らかのポリシーの元に拡大していったのでしょうか。

野坂氏 基地局は、私がUQコミュニケーションズを引き継いだ時点で7013局が開局(2009年度末)していましたが、2010年末の時点で1万3000局強まで増えています。2010年度末までに1万5000局の公約を掲げましたが、なんとかゴールが見えてきました。2.5GHz帯と高い周波数帯を使うということで屋内への浸透度に関しては(電波は周波数が高いと回折しにくい=屋内で電波が届きにくい特性があるため)他通信事業者とイコールの比較はできませんが、屋外のカバー率は非常に高まってきています。(筆者注:2011年1月末時点での基地局免許数は、LTEサービス Xiの912に対して、WiMAXは1万4282。月ごとの増加局数も現時点ではWiMAXの方が圧倒的に多い)

 具体的には、実人口カバー率※は、東京23区、大阪市、名古屋市で99%です。窓際にWiMAXルータを置いて頂ければ、多くの場所でWiMAXを楽しんでいただけます。

 こうしたエリア拡充の評判はインターネットなどを通じて徐々に広がり、それが広がった頃にはさらにエリアが拡充しているという好循環を生み、「都内ならば屋外はもちろん、自宅やオフィス内でもでかなり使える」ということが周知されたと思います。

(撮影:平沼久奈)  

(続く) 次回は、2011年度のエリア拡大方針について、他社の新世代サービスに対するWiMAXの強みがどこにあるか、改めて聞く予定です。

※対象地域のエリアカバー人口÷対象地域の居住人口。人口データは、平成17年国勢調査の数値を参照。




提供:UQコミュニケーションズ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2011年3月4日

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