新型「VAIO S」徹底検証(前編)――VAIO初“Sandy Bridge”モバイルの出来栄えは?第2世代Core i+GPU切り替え+クアッドSSD+フルフラットボディ+長時間駆動(4/5 ページ)

» 2011年03月09日 11時45分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

メモリは4Gバイトオンボード実装、クアッドSSDも搭載可能

底面のネジ止めされたカバーを外すと、バッテリーとともに1基のメモリスロットと2.5インチSerial ATA HDDベイが現れる

 メモリとHDDの仕様は標準仕様モデルの2機で共通だ。メモリはDDR3-1333(PC3-10600 SO-DIMM)に対応し、標準で4Gバイトをオンボード実装している。空きのSO-DIMMスロットが1つ用意されており、最大で8Gバイトの構成が可能だ。

 4Gバイトのメモリモジュールを空きスロットに1枚装着するだけで8Gバイトできるため、最初から最大容量の8Gバイトまで増設する前提ならば、標準的な2Gバイト×2枚の構成よりも無駄が少ないというメリットがある。ただ、標準状態でメモリのデュアルチャネルアクセスが利用できない点で少し性能が制限されている部分はある(体感ではまず分からないが)。

 データストレージには2.5インチSerial ATA HDD(5400rpm)を採用しており、容量は500Gバイトと十分だ。本体落下などの衝撃からHDDのデータを保護する「VAIO HDDプロテクション」機能も持つ。従来機のように落下だけでなく、転倒直前に発生する急な揺れといった予備動作についても、加速度センサーで感知して磁気ヘッドの退避を行うようになった。

 さらに、VAIOオーナーメードモデルでは256Gバイト(+4万円)/512Gバイト(+9万円)/1Tバイト(+19万円)のクアッドSSD(RAID 0構成)、128GバイトのシングルSSD(+1万円)、750Gバイト(+5000円)/640GバイトのHDD(+3000円)など、柔軟なデータストレージの選択が可能だ。

 なお、メモリスロットとHDDベイには底面のカバーを外すだけで簡単にアクセスできる。ソニーによると、クアッドSSDのユニットはVAIO Zと同じ独自仕様となっており、シングルSSDはカバーがない基板むき出しのタイプとのこと。もし、(メーカー保証外の行為だが)将来的にデータストレージをユーザー自身で交換したいと考えているならば、HDDを選択したほうが交換しやすいと思われる。

 左側面の奥には光学ドライブを内蔵しており、上位機ではBlu-ray Disc(BD-RE)ドライブ、下位機ではDVDスーパーマルチドライブを採用している。光学ドライブなしの構成や、代わりに別のデータストレージを内蔵するといったオプションは用意されない。

WiMAX、USB 3.0、HDMI出力など充実のインタフェース

 通信機能はなかなか充実しており、1000BASE-Tの有線LAN、IEEE802.11a/b/g/n準拠の無線LAN、IEEE802.16e-2005準拠のWiMAX、Bluetooth 2.1+EDRを標準で備える。さらにVAIOオーナーメードモデルでは受信最大7.2MbpsのFOMA HIGH-SPEEDに対応した無線WAN+GPSも追加可能だ。

 本体装備の端子類は右側面にまとめられており、1基のUSB 3.0、2基のUSB 2.0のほか、SDXC対応SDメモリーカードスロット、PRO-HG対応メモリースティックデュオスロット、HDMI出力など、なかなか先進的な内容だ。

 液晶ディスプレイの上部にはWebカメラ(有効31万画素)、タッチパッドのクリックボタンの間には指紋センサーも装備している。VAIOオーナーメードモデルでは、セキュリティーチップ(TPM)の内蔵も可能だ。

 一方、従来機にあったIEEE1394(4ピン)やExpressCard/34スロット、FeliCaポートなど、多くのユーザーの利用頻度が高くなさそうなものは省かれている。

前面にワイヤレス通信の切り替えスイッチを搭載(写真=左)。ヒンジのある背面にインタフェースはなく、排気口が配置されている(写真=右)

左側面には光学ドライブとヘッドフォン出力を用意するが、ヘッドフォン出力が奥にあって光学ドライブのトレイ開閉時に干渉しがちになるのは少々使いにくく感じる(写真=左)。右側面にはPRO-HG対応メモリースティックデュオスロット、SDXC対応SDメモリーカードスロット、アナログRGB出力、HDMI出力、USB 3.0、USB 2.0×2、有線LAN、ACアダプタ接続用のDC入力、盗難防止ロック用ホールが所狭しと並ぶ(写真=右)

 なお、オプションとして、4ポートのUSB 2.0、2基のギガビットLAN、HDMI出力、アナログRGB出力を備えたドッキングステーション(直販価格1万9800円)も用意されている。このドッキングステーションもよく考えられており、拡張バッテリーを装着した状態でも問題なく着脱できる。

ドッキングステーションは背面にインタフェースを集めている(写真=左)。VAIO Sをセットすると、本体の奥が持ち上がり、キーボードがチルトする(写真=中央)。ドッキングステーションの右側面にあるレバーを操作することで、端子部分が飛び出し、拡張バッテリーを装着した状態でも接続できる(写真=右)

OSは64ビット版7 Home Premium、Office Home and Business 2010も標準装備

 OSには64ビット版のWindows 7 Home Premiumを採用しており、オフィススィートとしてMicrosoft Office Home and Business 2010もプリインストールされる。VAIOオーナーメードモデルでは、64ビット版のWindows 7 Ultimate(+1万5000円)やWindows 7 Professional(+5000円)、Office 2010のほかのエディションも選択可能だ。

 そのほか、リコメンド機能付きのメディアプレーヤー「Media Gallery」、写真や動画の管理と編集に対応した「PMB VAIO Edition」、本体の専用ボタンで起動するサポート/トラブルシューティングツール「VAIO Care」といった、VAIO独自のこだわったアプリケーション群も健在だ。

標準仕様モデル上位機(VPCSB19FJ/B)のデバイスマネージャ画面。ディスプレイアダプタが2つ登録されているのが分かる

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