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» 2011年03月09日 21時00分 UPDATE

日立GST買収にも言及:HDDトップシェアのWD、「WDの強みを生かすホームネットワーク機器」で個人市場も強化

先日、日立GST買収を発表したウエスタンデジタルが、他国ですでに本格展開するホームネットワーク機器の説明会を実施。内蔵HDD以外に、ホーム向け機器を日本でも強化すると説明した。

[岩城俊介,ITmedia]

内蔵HDD以外に、「家庭向けネットワークストレージソリューション」も訴求

 ウエスタンデジタルジャパンは3月9日、Western Digital(WD)ブランドのHDDを軸にしたコンシューマー向けネットワークストレージ機器の製品説明会を実施した。

photophotophoto 1TバイトのHDDを内蔵するホームメディアサーバー「WD TV Live Hub」(国内未発売)。よくあるブロードバンドルータを横置きにしたほどの小型ボディに、NAS機能のほか、LAN、HDMI出力といった端子を備え、テレビに接続して家庭内のメディアセンターとして機能する。中央はHDDレスの「WD TV Live HD Media Player」。こちらはプライベートルームへの設置を想定し、ネットワークもLAN端子でなくホームPLCアダプタ「WD Livewire」を利用した家庭内ネットワークのシーンを想定する

 WD製HDDのワールドワイドシェアは31.1%(2010年第4四半期)。2009年までトップだったSeagetaを抜き、2010年度にシェアトップを獲得した。1986年は76社もあったHDDメーカーは、2011年3月現在は5社まで減った。そして、3月7日に発表された日立グローバルストレージテクノロジーズ(日立GST)買収により、2011年9月には4社になる。「それだけ統廃合が多く、競争の激しい業界」(ウエスタンデジタルジャパンの金森苧社長)だという。

 自作PCユーザーなどPC中級者以上の層を除き、HDDはおおむね容量のみが重要で、メーカーやブランド、サイズやインタフェースに至ってもレコーダーや外付けHDDといった完成品の部品の1つとして認識するため、ほとんど気にしないかもしれない。ただ、昨今のシェア上昇はそれだけ機器への採用例が多いことを物語る。

 WDはコンシューマー向けホームネットワーク製品を、ハイビジョン映像や写真といった大容量化するコンテンツの普及とともに1家庭あたりの平均データ保存量が急増すると予想される数年後を見据え、HDDメーカーならではの訴求を行いつつ、ブランド力の向上を図る。1家庭あたりのデータ保存量は2014年に平均840Gバイトと、2010年の約6.3倍(2010年は平均133Gバイト)に急増すると予想される。

photophotophoto テレビ、PC、タブレット機器、スマートフォンの4種で利用するデータを「WD TV Live Hub+外付けHDD」に集約して、家でも外でも、いつでも共通の操作性でデータを取り出せるシーンを想定する。ハイビジョン映像・写真関連機器の普及にともない、今後、家庭内で扱うデータ容量は急激に増えると予想される
photophotophoto ポート解放などのいわゆる“ルータ越え”の知識なしに外部ネットワークから家庭内のHDDへアクセスできるようにするソフトウェアも提供する。iPhoneアプリ「WD Photos 1.2」は2011年4月公開予定。家のHDDにある写真・動画へ容易にアクセスできるほか、外出先で撮影した写真をまとめてアップロードする機能なども備える。どこで、どんな機器で使うにも、データが分散することなく一元管理できるのがメリットという。他国で発売済みのWD TV Live Hubは、映画・動画のビデオオンデマンド視聴機能も用意する。国内未発売なのは、この部分の権利・契約関連がネックになっているようだ
photophotophoto このほか、映像・音楽・写真コンテンツの保存に「My Book AV」シリーズもプッシュする。「1Tバイトの外付けHDDとしては、他社さんのより少し高価かもしれません。ただ、My Book AVは普通のドライブとは違う特別なAV向けドライブ“WD AV-GP”を搭載します。大事な画像や動画を保存するなら、ぜひ選んでいただきたいですね」とのことだ。また、現在1ドライブ単位で最大容量となる3TバイトのHDDを採用した外付けHDD「My Book Essential 3TB」も発売した。価格は1万9800円前後


日立GSTを買収「さらに強力な体制が作れる。ユーザーや顧客にもすばらしいシナジー効果がある」

photo ウエスタンデジタルジャパンの金森苧社長

 また、3月7日に発表された日立グローバルストレージテクノロジーズ(日立GST)買収についても言及。「2大HDDメーカーが一緒になり、さらに強力な体制が作れる。ユーザーや顧客にもすばらしいシナジー効果があると思う、研究開発力の強化や製品ラインアップの拡充、コスト競争力のさらなる強化を見込んでいる。日本市場においても当然、さらによい製品を提供したい」(金森社長)と述べた。

 米Western Digitalと日立製作所は、日立製作所子会社でHDDメーカー大手の日立GSTを35億米ドルの現金およびWD株2500万株(7億5000万米ドル相当)での計43億米ドルで買収することで同意したと発表。買収は2011年9月(第3四半期)に完了する見込みで、ワールドワイドシェアが約5割を占める巨大HDDメーカーとなる(2010年第4四半期シェアはWDが31.1%、日立GSTが18.3%)。

 HDDは年々バイト単価が下がっており、PC利用はもちろん、テレビやレコーダーといった家電製品用としての需要も大きく高まっている。個人市場でも、バイト単価でのコストパフォーマンスに優れる2Tバイト内蔵HDDは実売1万円を大きく切る価格で販売(2011年3月現在、実売6000円前後とする店舗も多い)され、購買需要増に拍車をかけている。


photophotophoto WDは2010年にSeagateを抜きHDDシェアトップのメーカーになった。1986年は76社あったHDDメーカーは2011年9月完了予定の日立GST買収により、全4社となる

 HDDメーカーとしては、一般ユーザーではあり余るほどのストレージ容量を単なるデータ保存用途だけ、あるいは使い方を自身で応用できる中級者以上の層だけに訴求するのではなく、「大容量なので、このようなことも便利です。こういう使い方もできます」とHDD単体だけでない身近な利用シーンの提案とともにHDD需要のさらなる拡充を図る考えだ。


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