ドイツで使うvodafoneの“真っ赤なSIMカード”海外プリペイドSIM導入マニュアル番外編(2/2 ページ)

» 2011年03月31日 11時30分 公開
[長浜和也,ITmedia]
前のページへ 1|2       

開通手続きとオプション選択を自分でやってみた

 スターターパックには、SIMカードのほか、CallYaで利用できる料金プランとオプションの説明書が用意されている。通話、データ通信を含めた従量制、定額制のサービスは、SIMカードの開通手続きを行ったあとに、契約内容を設定できる「CallYa KontoServer」に電話(「22 9 22」とダイヤル)をかけて、自動音声で案内されるメニューにしたがって選択することになる。

プリペイドSIMカードを単体で購入するときは、「CallYa スターターパック」を24.95ユーロで購入することになる(写真=左)。中にはSIMカードと問い合わせや設定の電話番号を記したリファレンスカード、マニュアル3冊が付属する(写真=右)

SIMカードホルダーの左ページには黒いスクラッチカバーがあって、ここを削るとPIN番号が記されている(写真=左)。真っ赤なSIMカードのvodafone(写真=右)

 SIMカードの開通手続き方法は、契約書類(A4で2枚)の2枚目冒頭に書いてあるほか、スタッフも口頭で説明してくれる。契約書類はドイツ語で書いてあるので、スタッフが話してくれる英語の説明が頼りだが、手続きは簡単なので怖れることはない。SIMカードをセットした端末で「*100*15桁の登録番号#」とダイヤルして電話をかけると、開通手続きが自動で処理される。開通処理ができた時点で、15ユーロのプリペイドフィーが有効になる(SMSでお知らせがくる)。

 この状態で「CallYa Open End」を契約していることになっていて、データ通信も1分0.09ユーロ(9セント)の時間従量制で利用できる。データ通信を定額で利用したい場合は、「CallYa-Tarif Dazubuchen」(CallYa-Flatrates)オプションで、「CallYa MobileInternet Flat」を選ぶ。このオプションでは、利用期間によって、1日0.99ユーロの「TagesFlat」、1週間4.95ユーロの「WochenFlat」、1カ月14.95ユーロの「MonatesFlat」が用意されている。どれも、プリペイドフィーの15ユーロで利用可能だが、Call Ya OpenEndでは通話もできるので、1週間以内の滞在であれば、WochenFlatを選んでおくといいだろう。

 オプション選択の手続きは、電話番号「22 9 22」にダイヤルすると流れる自動音声案内に従って選択肢の番号を入力しながら行う。アナウンス言語もドイツ語と英語を選択できるので、ドイツ語ができなくても大丈夫だ。ただ、“CallYa”が“コリア”に聞こえて、「え、なに、この選択肢は韓国語なの?」としばらく混乱したので注意しておきたい(これは個人的聞き取り能力の問題かもしれないが)。

「*100*15桁の登録番号#」とダイヤルして電話をかけると、開通手続きが自動で処理されて、15ユーロのプリペイドフィーが有効になったお知らせがくる(写真=左)。続いて「22 9 22」に電話をかけて音声案内に従って1週間4.95ユーロの「WochenFlat」を選択。すると、SMSで手続き完了と利用期間の案内が届く(写真=右)

 ここの手続きまでは、SIMカードをセットしたスマートフォンが必要になるが、この後の設定は「電話をかける」作業はないので、モバイル無線LANルーターにSIMカードをセットしても行える。必要なのはアクセスポイント(APN)の設定だけで、APNのアドレスを入力すれば、ユーザー名とパスワードは不要だ。

今回は、モバイル無線LANルーターの「E5830」にSIMカードをセットして運用した(写真=左)。裏カバーを外してバッテリーを取ると、SIMカードスロットにアクセスできる(写真=右)

APNの設定は「Tools」→「Options」→「Profile Managemet」で行う。APNは「web.vodafone.de」で、ユーザー名とパスワードはいらない

データ転送速度でけっこう悩む

 vodafoneのデータ通信専用プリペイドSIMカード定額プラン(SIMカード購入で19.90ユーロ、7日間1Gバイトまでで12.95ユーロ、30日1Gバイトまでで39.95ユーロ)では7.2Mbpsが利用できるが、CallYa OpenEndのオプションとして利用するデータ通信の転送レートについては、Webページに説明がない。「私は、このプランでHigh Speedのデータ通信を使えますか」との質問にvodafoneのスタッフは、「はい、使えます」と答えてくれたが、実際に使ってみると、日本で使っている日本通信のb-mobile SIM U300とそれほど変わらない感触だった(「なぜ、ここで数値を示さない」と思うかもしれないが、これは、ノートPCにvodafoneを差したモバイル無線LANルーターを接続した状態で、何度試みても転送速度測定が完走しなかったためだ)。

 定額で利用できるデータ通信における転送速度の問題は、T-MobileとO2でも同様で、先ほど紹介したように、T-Mobileが用意している24時間0.99ユーロのデータ通信オプションも転送速度は384Kbpsと遅い。データ通信専用のプランでは、T-Mobile、Vodafone、そしてO2も7.2Mbpsが利用できるが、こちらは、容量制限があって、これを超えると転送レートが一気に落ちる(O2では64Kbps)ので、頭を悩ませるところだ。

 ただ、2010年にドイツで利用したO2のデータ通信サービスと比べて、vodafoneの利用可能エリアは格段に広く、ICEの移動中でも接続は切れることなく、展示ホールをだいぶ入った中央付近のブースでも撮影画像とともにTwitterで発信できた。

 無線LANと同じ作業環境を実現できたか、という問いには「それは、なかなか難しい」と答えざるを得ないが、それでも、宿の無線LANがまったく使えないときや、プレスセンターの有線ネットワークが混雑して機能しなかったとき、そして、プレスセンターから遠く離れた会場の片隅や片道1時間半のICE通勤で利用するのに十分なネットワーク環境をvodafoneの真っ赤なプリペイドSIMカードは提供してくれた。本当にありがとう。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年03月28日 更新
  1. Synology「BeeStation」は、“NASに興味があるけど未導入”な人に勧めたい 買い切り型で自分だけの4TBクラウドストレージを簡単に構築できる (2024年03月27日)
  2. 「ThinkPad」2024年モデルは何が変わった? 見どころをチェック! (2024年03月26日)
  3. ミリ波レーダーで高度な検知を実現する「スマート人感センサーFP2」を試す 室内の転倒検出や睡眠モニターも実現 (2024年03月28日)
  4. ダイソーで330円の「手になじむワイヤレスマウス」を試す 名前通りの持ちやすさは“お値段以上”だが難点も (2024年03月27日)
  5. ダイソーで550円で売っている「充電式ワイヤレスマウス」が意外と優秀 平たいボディーは携帯性抜群! (2024年03月25日)
  6. 次期永続ライセンス版の「Microsoft Office 2024」が2024年後半提供開始/macOS Sonoma 14.4のアップグレードでJavaがクラッシュ (2024年03月24日)
  7. いろいろ使えるFireタブレットが最大7000円オフ! Echo Budsは半額以下で買える! (2024年03月26日)
  8. 2025年までに「AI PC」を1億台普及させる――Intelが普及に向けた開発者支援をアップデート ASUS NUC 14 Proベースの「開発者キット」を用意 (2024年03月27日)
  9. 15.5万円の有機ELディスプレイ「MPG 271QRX QD-OLED」に指名買い続出 (2024年03月25日)
  10. サンワ、Windows Helloに対応したUSB Type-C指紋認証センサー (2024年03月27日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー