新型「VAIO L」徹底検証――“テレパソ”の弱点を克服した24型ボードPC2つのテレビ機能+新感覚のタッチ操作が楽しい(4/5 ページ)

» 2011年04月19日 11時00分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

モバイル向けSandy Bridgeシステムを採用

 基本システムには、Sandy Bridge(開発コード名)こと、第2世代のCore iシリーズのモバイル向けシステムを採用している。低消費電力で発熱の低いモバイル向けのCPUとチップセット、メモリを利用することで発熱を抑えつつ、比較的発熱の差が少ないHDDはデスクトップ向けの3.5インチHDDを搭載し、大容量のストレージ領域を確保している。

 CPUは、上位機ではクアッドコアのCore i7-2630QM(2.0GHz/最大2.9GHz)、下位機ではデュアルコアのCore i5-2410M(2.3GHz/最大2.9GHz)を採用している。どちらも1コアにつき2スレッドを取り込んで同時に処理するHyper-Threadingに対応しており、クアッドコアでは8スレッドの同時実行が可能で、ビデオ編集や動画エンコードなども高速に行なえる。もちろん、高負荷時に安全な範囲で動作クロックを上昇させるTurbo Boost 2.0もサポートする。

 チップセットにはIntel HM67 Expressを採用している。グラフィックス機能は、上位機ではNVIDIAのGeForce 315M(グラフィックスメモリ512Mバイト)、下位機ではCPU内蔵のIntel HD Graphics 3000を利用する。

CPU-Zの情報表示画面(画像=左/中央)。上位機ではCore i7-2630QM(2.0GHz/最大2.9GHz)を採用。高負荷時に安全な範囲で動作クロックを上昇させるTurbo Boost 2.0、省電力機能のEIST(Enhanced Intel Speedstep Technology)を搭載しており、必要なときだけ動作クロックを上げて高速に処理する一方、アイドル時や低負荷時は逆に動作クロックと電圧を下げて消費電力を節約する。GPU-Zの情報表示画面(画像=右)。グラフィックス機能にはNVIDIA GeForce 315M(512Mバイト)を採用している。3D描画性能ではCPU内蔵のIntel HD Graphics 3000とそれほど大きな差があるわけではないが、GPGPUのCUDAに対応しているため、CUDAに対応したPMB VAIO Editionでの動画変換などが高速に行なえるメリットがある

背面のスタンドを外すと、2基のSO-DIMMスロットと3.5インチHDDベイが現れる

 メインメモリにはPC3-10600 SO-DIMMを4Gバイト(2Gバイト×2)搭載している。データストレージには3.5インチのSerial ATA HDD(回転速度7200rpm)を内蔵しており、容量は1Tバイトだ。背面のスタンドを取り外すことで、メモリスロットとHDDベイにアクセスできる。

 光学ドライブは、1層BD-Rの最大6倍速記録、2層BD-Rの最大4倍速記録、1層/2層BD-REへの最大2倍速書き換えなどに対応したBD-REドライブをボディ右側面に搭載している。

 通信機能は1000BASE-T対応の有線LANのほか、IEEE802.11b/g/n対応の無線LAN(150Mbps)、Bluetooth 2.1+EDRも備えている。

「PMB VAIO Edition」では、静止画/動画の編集やオリジナルDVD/Blu-ray Discの作成などが行える。NVIDIA CUDAに対応し、NVIDIA GPU搭載モデルでは動画の変換(SD動画のHD動画への変換含む)などが高速に行なえる

 OSには64ビット版のWindows 7 Home Premiumを採用。付属ソフトは前述のGigaPocket DigitalやASSISTボタンで起動するVAIO Careに加えて、リコメンド機能付きのメディアプレーヤー「Media Gallery」、写真や動画の整理・編集・保存が行える「PMB VAIO Edition」、DLNAサーバ/クライアント「VAIO Media plus」など、定評あるソニー独自のタイトルをそろえている。

 また、子どもでも楽しめるお絵かきツール「You Paint」や、映像に手書きしたメッセージを添えられる伝言板ツール「WebCam Message Board」など、タッチパネルを生かしたソフト群が用意されているのも見逃せない。

 さらに、フォトレタッチソフトの「Adobe Photoshop Elements 9」や動画編集ソフトの「Adobe Premiere Elements 9」、オフィススイートの「Microsoft Office Home and Business 2010」といった定番アプリも付いており、ホビーからビジネス文書の作成まで、幅広い用途に追加投資なしで対応できる。

VPCL219FJ/Wのデバイスマネージャ画面

 なお、ソニーストア直販のVAIOオーナーメードモデルでは、Core i7-2820QM(2.3GHz/最大3.4GHz)や8Gバイトのメモリ、2TバイトHDD、64ビット版Windows 7 Ultimateなど、よりハイスペックな構成で購入できるほか、タッチパネル付きのブラックボディも選べる。

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