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» 2011年04月22日 16時01分 UPDATE

共有する人がいなくても:一人暮らしにぴったりな低価格NASキット――QNAPで始めるデジタル新生活 (1/2)

この春から親元を離れて一人暮らしを始めた大学1年生、社会人1年生も多いだろう。初めて自分用のPCを購入する人は一緒にNASもそろえてみたい。PCやスマートフォンをもっと便利に活用できる!

[瓜生聖,ITmedia]
og_qnap_001.jpg 今回紹介するQNAPの「TS-119P+」(左)と「TS-112」(右)

 4月も半ばを過ぎた。この春から一人暮らしを始めた人も多いことだろう。食事や住居が保証されている実家暮らしに比べて、一人暮らしはいろいろと制約が多い。もちろん、その半面自由も多いが、いかにうまく制約を乗り切り、そしていかにうまく自由をおう歌するかで新生活の楽しさはずいぶん違ってくる。今回はそんな一人暮らしのスタートにぴったりなストレージとして、NASの利用を考えていく。

 一般に一人暮らしの場合、光熱費などの基本料金がかかってくること、自由にできる収入が少ないこと、居住スペースが狭いことなどから、よりコストパフォーマンスの高いソリューションが求められる。

 PCで例を挙げると、一人暮らしには自宅でも外出先でも利用できるノートPCがぴったりだ。使わないときは片付けてしまうことで部屋のスペースを有効活用できるし、省電力であるうえに、バッテリーを内蔵しているために停電時でも利用できるなど、メリットは多い。そして自宅のネットワーク環境は、ケーブルの取り回しが不要な無線LANルータで構築する。このように、ミニマルでありながら、快適な環境を構築することは難しくない。だが、ミニマルであるがゆえの制限もある。

 例えば、ノートPCは2.5インチHDDを1台しか内蔵していないことがほとんどで、ストレージ容量は3.5インチHDDに比べてかなり少ない。また、ノートPCのストレージ容量を増やしたいときは、内蔵ドライブ自体を換装するか、外付けHDDを利用することになる。そして、一般的なUSB接続の外付けHDDは、PCと有線で接続する必要があるため、HDDをPCの近くに設置する必要もある。当たり前のように受け入れていることではあるが、これでは部屋の中のどこでも利用できるノートPCの機動性を奪ってしまう。

 一方、PCから離れた所にも設置でき、PCがなくてもそれ自身でダウンロードを行ったり、外出先から音楽や動画を楽しむこともできるストレージがある。それがQNAPの「TurboNAS」シリーズだ。ここではNASを活用した新生活の環境構築を考えてみよう。

NASを使うと何ができるの?

 家庭向けNASと聞くと、高価で使い方も難しいマニア向け製品という印象を持っている人がいるかもしれない。しかし、QNAPのNASキット「TurboNAS」シリーズは、現行モデルでも30機種を超え、1ベイの個人向けから8ベイのラックマウントまで、用途に応じた幅広いモデルを取りそろえている。

 その中でも、搭載ベイ数が1つの「TS-119P+」や「TS-112」は、“一人暮らしサイズ”といってもよいくらいコンパクトなデザインが目を引く。特にTS-112は、実売2万円を切る低価格製品でありながら、パフォーマンスやアーキテクトによる制限を除いて、上位機種とほぼ同じ多機能ぶりを実現している。また、1000円程度で購入できるUSB無線LANアダプタに対応しており、設置場所を選ばないのも特徴の1つだ。

og_qnap_002.jpgog_qnap_003.jpgog_qnap_004.jpg 「TS-119P+」の本体前面/背面/左側面

og_qnap_005.jpgog_qnap_006.jpgog_qnap_007.jpg 「TS-112」の本体前面/背面/左側面

og_qnap_008.jpgog_qnap_009.jpg 互換性が確認されている無線LANアダプタ、バッファローの「WLI-UC-GN」。1000円前後で購入できる(画面=左)。ワイヤレスLANの設定画面(画面=右)

 前述したように、一人暮らしで使うならノートPCが向いている。だが、ノートPCにこそ外部ストレージが必要になる。

 持ち歩きを前提としたノートPCの場合、高速な起動や耐衝撃性の高さからSSDを選択する人も多いが、SSDは容量単価が高く、保存できるデータ容量には制限がある。特にマルチメディアファイルは、地デジ放送を30分録画するだけで2Gバイトに達するなど、大容量化傾向にある。そのため、放送の録画はノートPCで行い、一度視聴した番組は順次NASに移移していくといった運用が理想的だ。

 一方、ノートPCにSSDではなくHDDを使った場合も、容量制限はやや緩和されるものの、逆にノートPCの落下や満員電車での圧迫など、ディスククラッシュの危険性は高くなってしまう。いざというときのためにもバックアップはとっておきたいところだが、そのバックアップ先としてTurboNASが有力な選択肢になる。

バックアップ先にTurboNASを使う

 PC内のデータをバックアップする場合、方法は大きく分けて2種類ある。1つは「イメージバックアップ」と呼ばれるもので、ディスクのイメージを丸ごと1つ(あるいは数個)のファイルにアーカイブする方法だ。これにはWindows標準のバックアップ機能や、「Acronis True Image」「Backup Exec」などの市販ソフトを使用する。

 イメージバックアップをしておけば、万が一システムがクラッシュしてもリカバリが可能だ。ただし、その際にはWindows PEやLinuxなど、ミニマム構成のOSから起動してバックアップファイルを読み込まなければならない。そのときにNASから直接ファイルの読み込みができないと、面倒な手順を踏まなければならなくなる。この点、TurboNASの公式サイトにはバックアップソフトの互換性情報が掲載されているので安心だ。また、ここに掲載されていないものでも、CIFSやFTP、NFSなど複数の方法でファイル共有が可能なため、ほとんどのバックアップソフトは利用できるはずだ。

 もう1つは、データファイルのみをバックアップする「ファイルバックアップ」だ。QNAPから無償提供されるNetBak Replicatorは、指定フォルダ以下の更新状況をリアルタイムに検出し、TurboNASに同期保存するソフトだ。そのほか、rsyncに対応しており、Linuxでも利用できる。

og_qnap_010.jpgog_qnap_011.jpgog_qnap_012.jpg バックアップソフトの互換性リスト(画面=左)。rsync設定はアプリケーション > バックアップサーバーから。「最同期サーバー」がrsyncを指す(画面=中央)。TurboNASは通常のWindowsファイル共有(CIFS)のほか、UNIX系でよく利用されるNFSや、ファイル転送プロトコルであるFTP、HTTPを利用したWebDAV、Appleネットワークで利用されるAFPなどが利用可能。同じフォルダをさまざまな方法で共有できる(画面=右)

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