“グラスレス”で3D立体視が手軽に楽しめる――「FMV ESPRIMO FH99/CM」を試すもうメガネには頼らない(4/4 ページ)

» 2011年04月26日 10時15分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]
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各種ベンチマークテストのスコアは?

Windowsエクスペリエンスインデックスのスコア

 それでは、各種ベンチマークテストの結果を見てみよう。Windowsエクスペリエンスインデックスのスコアについては、モバイル向けのシステムを採用しているとはいえ、Sandy Bridgeを採用しているので全体的なレベルが高い。グラフィックスのサブスコアが5.8と一番低い結果となったが、プロセッサのサブスコアは7.4と特に高い数値をマークしている。

 ほかのベンチマークテストの結果もスペックなりのスコアだ。10カ月ほど前に富士通が初の3D立体視対応モデル(円偏光方式)として発売した2010年夏モデルの「FMV ESPRIO FH550/3AM」(Core i3-350M/2.26GHz、4Gバイトメモリ、1TバイトHDD)に比べて、PCMark Vantageの総合スコア(PCMark)で56%、PCMark05では57%もよいスコアをマークした。

 FH550/3AMの基本スペックは当時としてもミドルレンジクラスのものであったとはいえ、こういった総合性能を見るテストで1.5倍にもなっているということは、FH99/CMの快適さを示す指標の1つとして価値があるだろう。

 3D描画性能については、海外FPSなどの本格派3Dゲームがプレイできるレベルにはない。しかし、FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3ではよいスコアが出ているように、CPU内蔵グラフィックスとしてはかなりよい性能があるので、3D描画負荷の高くないゲームであればプレイできる。

PCMark Vantage x64(1024×768)のスコア(画面=左)、PCMark05のスコア(画面=右)

3DMark06(1600×900ドット)のスコア(画面=左)、FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3のスコア(画面=右)

騒音テストの結果

 室温21度、環境騒音32デシベルの室内にて、液晶ディスプレイ前面から前方30センチの距離で動作時の騒音レベルを測定したところ、結果はアイドル時や低負荷時で35デシベル、高負荷時で38デシベルだった。

 デスクトップPCとしては、なかなか優秀な静音性といえる。騒音の印象としては、アイドル時から低負荷時は、静かな部屋であれば動作していることが分かる程度だ。負荷がかかればファンの回転音が上がるが、耳障りなほどではなく、音量も安定している。ちなみに、ナノイー発生器の動作中は1デシベルほど動作音が上がるのが確認できた。

エンターテインメント体験が存分に味わえるオールインワンマシン

 2011年2月下旬の発売時は実売価格が26万円前後だったが、約2カ月が経過したこともあり、量販店でも22〜23万円くらいで販売しているところが多く、値下がりして買いやすくなってきている。

 グラスレスでの3D立体視については画質、使い勝手ともに課題はあるが、この機能のため、特別に価格の上乗せが感じられるわけではないので、このような“カジュアルなメガネなしでの3D立体視”という選択肢があってもよいと思う。

 Windows 7環境で快適に作業できる高い基本性能を持つことに加えて、充実したテレビ視聴/録画機能とBlu-ray Disc再生環境も持つ。スイベル機構を備えた精度の高いボディ設計や液晶ディスプレイの画質、スピーカーの音質、リモコンの使いやすさなど、スペックでは分からない部分もしっかり作り込まれており、個人用の液晶一体型PCとして完成度は高い。家庭用ゲーム機などの接続に使えるHDMI入力を装備しているのもポイントだ。

 リビングに置いて家族で楽しむオールインワンPCとして適しているのはもちろんだが、PCとフルHDの液晶テレビ、Blu-ray Discレコーダー、そしてナノイー発生ユニットまで1台にまとめられるので、(テレビやレコーダーのレスポンスは専用機にかなわないが)それぞれの機器を別々に設置したくない1人暮らしのユーザーや、個室でパーソナルに楽しみたいユーザーにもおすすめできる。


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