「突き抜けた」と思わせるiPad 2の魅力iPad革命の本当の出発(4/5 ページ)

» 2011年04月27日 21時35分 公開
[林信行,ITmedia]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

これぞアップルデザイン――1枚のカバーにたくさんの機能を凝縮

 ここまでは本体の話だが、実はiPad 2には、まだ2つ、すごい点がある。1つめは「スマートカバー」という、本体と同時にデザインされたカバーだ。

 工業デザインでは常に他社と一線を画していたアップルだが、これまで筆者は、アップルの純正カバーについてはあまり感心できずにいた。iPodのカバーにしても、靴下を模した「iPodソックス」以外は、それほど驚きがなく、見た目にも魅力が少なかった。初代iPad用の純正カバーも、機能はよく考えられていたものの、デザイン面での魅力がないため、買ってはみたものの使わずにいた。

 しかし、iPad 2のスマートカバーは違う。まさに“アップルデザイン”とでもいうべき、考えに考え抜かれ、それでいて美しさを備えたデザインなのだ。4分割された面で構成されるシンプルなカバーなのだが、ここに一体どれだけの機能が盛り込まれたことか。

 まず、1つめはマグネットを使って、ラッチなど一切なしに、簡単に着脱できるという点。スマートカバーの金属部分を下にして、本体向かって左側から近づけていくと、強力な磁石によって吸い付けられ、ピタっと本体にくっつく。

 2つめは本体電源のオン/オフだ。マグネットで本体左側から吸着したスマートカバーで液晶面を覆うと、カバーの右側も、本体右側にピタっとマグネットで吸着する。この時に、カシャっという音がするが、これはiPad 2本体の電源がスリープモードに落ちた音だ。

 実は右側のマグネットがスイッチになっていて、液晶をカバーすると、自動的に節電モードに切り替わる。以前のiPadでは、スリープにしているつもりが、電源が入ったままになっていて、10時間持つはずのバッテリーがいつの間にか切れていた、という経験をした人も多いだろう。だが、スマートカバーをつけたiPad 2ではその心配が少ない(カバーで電源をオン/オフするかどうかは、設定で切り替えられる)。

 ちなみに液晶をカバーしている間は、3つめの機能も働いている。スマートカバーの内側は、マイクロファイバー素材になっていて、カバーのわずかな動きを通して、液晶面から指紋などを拭き取ってくれているのだ。確かに気がつくと、iPad 2の画面は汚れていることが少ない。

 4つめの機能を利用するには、スマートカバーの4つ折り部分(日本ではよく「お風呂のフタ」などと例えられる)を折りたたんで三角形を作り、これを本体底面の下にもぐりこまさせる。すると、液晶ディスプレイに表示されるキーボードがちょうど入力しやすくなるような傾斜をiPadに加えて、スタンドに早変わりするのだ。

 カバーをスタンドにして大丈夫なのかと心配する人もいるだろうが、是非とも実際のスマートカバーで確かめてほしい。三角形の構造も、本体に吸着するマグネットも思った以上に強力で、手に重心を傾けてもかなりしっかり支えてくれる。

 そしてスマートカバーが持つ5つめの機能は、この三角形を底面にもぐらせた状態で、画面を立てること――iPad 2をフォトフレームのように立てて使うこともできるのだ。実際にこの状態のまま、飛行機の中で映画を観たりしたのだが、飛行機の急な揺れにも倒れることなく快適に視聴できた。ほかにも(アップルが推奨する使い方ではないが)iPad 2の背面カメラで撮影をするときに、三角部分をグリップに使うといった活用方法もある。


 しかし、スマートカバーで最も重要な機能は、本体色が2種類しかないiPad 2を個性豊かに彩ってくれることだ。シックな革版と鮮やかなパステルカラーのポリウレタン版の2種類があり、それぞれ5色のバリエーションが用意されている。すでに発売されている欧米では、一番の人気色は「PRODUCT RED」の赤で、これだけミラノやパリのApple Storeでも一切、見かけることがなかった。ちなみに革版とポリウレタン版では価格が違うが、触った印象では、どちらもうっすらと産毛で覆われているような触り心地で、それほど違いを感じさせない。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月17日 更新
最新トピックスPR

過去記事カレンダー