LIFE-DESIGN部門は、上記LIFEBOOK部門よりもう少し未来の生活スタイルをイメージさせ、ICTで「暮らしをより豊かにする」「機器から社会インフラへ/パーソナルからソーシャルへ」をコンセプトにした作品が多く集まった。
同部門では総合グランプリの「The Aid」(Egle Ugintaite氏/リトアニア)、準グランプリの「Integral Cord」(Raphael Lang氏、Yu-Lin Hou氏、Chan Wing Tak氏/ドイツ)をはじめ、猪子寿之賞に「Smile Cup」(Nikita Mokhirev氏/エストニア)、バーギット・ローマン賞に「River runs through CitY」(大野力氏/日本)、大谷信雄(富士通常務)賞に「The Total recall agent」(中村昌平氏、MoonHwan Lee氏、YoungWook Jung氏/日本、韓国)が受賞した。
The Aidは、通信機能や各種センサーを内蔵し、通信サービス類を活用して利用者をサポートする“つえ”だ。移動のナビゲーションや体調管理を含めて、The Aidが管理し、外出が困難なユーザーも積極的に社会と関わることを可能とするデザインを目指した。
Integral Cordもかなり面白い。ボディはフレキシブルなひも状で、先端に通信端子、内側にカメラやプロジェクター、各種センサーを内蔵する。ケーブルを囲った内側に画面やソフトウェアキーボードなどの操作インタフェースを超小型プロジェクターで投影して表示、それぞれをつなげて仲間と情報を共有しながら情報を表示、丸めた輪の中に物体を通すと3Dスキャンも可能……という。将来はこれをひとりひとりが所持し、複数人が同時に操作できる新たなコミュニケーションの場を作り出すような世界を想像したという。
「おおむね、“スマートなアイデア”、“すごいアイデア”、そして“何だこりゃ?? なアイデア”の3カテゴリに当てはまる作品が多く集まった。また、近未来の部門と数年後以降の部門で応募作品がまったく違う傾向を示したのも、このアワードならでは。こういうことに携われるのもすごくエキサイティングだった」と審査員の1人でデザインスタジオ キュリオシティ代表のグエナエル・ニコラ氏。富士通の大谷信雄常務も「富士通が目指す次世代のコンピューティングやテーマはこうだと示したい。今後も“使う人中心のデザイン”の追求をさらに推進し、新たな生活シーンの創造に貢献したい」と述べた。
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