これは“デルらしくない”ノートPC――「Dell XPS 15z」発表会Adamoではないけれど

» 2011年05月24日 21時09分 公開
[ITmedia]

デザインに注力した15.6型ワイドノートPC「Dell XPS 15z」

Dell XPS 15z

 既報の通り、デルがコンシューマー向けノートPCの新モデル「Dell XPS 15z」(以下、XPS 15z)を発表した。15.6型ワイドの液晶ディスプレイを搭載したWindowsノートPCで“世界最薄クラス”をうたい、外装にアルミニウム、パームレストにマグネシウム合金を用いたフルメタルボディが特徴だ。同社はメインストリームに「Inspiron」、パフォーマンスに注力した「XPS」、ハードコアゲーマー向けの「Alienware」などを投入しているが、今回の「XPS z」シリーズはXPSの上位に位置付けられ、XPS 15zはその第1弾になる。

 同日行われた製品発表会では、コンシューマー&SMB事業本部マーケティング本部 本部長の原田洋次氏が登壇し、Dell XPS zシリーズを投入した背景を説明した。デルは2011年初頭から、「この違いを、あなたらしさに、デル」というテーマでコンシューマー向けキャンペーンを展開し、「購入」「所有」「使用」の3つの体験を通して、より“自分らしさ”を追求できる製品展開を行ってきたという。例えば、BTOのカスタムメニューだけでなく、XPSで150種類以上の天板デザインを選択できる「Design Studio」などもその1つだ。

デルコンシューマー&SMB事業本部マーケティング本部 本部長の原田洋次氏

 今回のXPS 15zは、そのコンセプトをよりいっそう押し進めたものになる。原田氏は「XPSシリーズのパフォーマンスを引き継ぎつつ、一言でいうと、クオリティ感、デザインをより上質にしたのが特徴。より自分らしさを際立たせたいと感じる、他人とは違う個性を求める人に使って欲しい」と述べ、「(XPS 15zは)自信を持って出せる“デルらしくない”製品だ」とアピールした。

 なお、デザインに注力したノートPCとして、デルはかつて「Adamo」を投入したことがあったが、この点については「購入者の(Adamoの)評価は高かったが、数量の点でもニッチな層を狙ったもので、非常に限定した形での投入になった。また、誰もが買える価格帯ではなかったことなども踏まえ、より広い層に届けられる製品として昇華したのがXPS zシリーズだ」と説明する。実際、XPS 15zシリーズの最安モデルは10万円を切る価格に設定されており、コストパフォーマンスも高い。

XPS zシリーズの位置付け(写真=左)。デルがラインアップする15型クラスのノートPC(写真=中央)。XPS 15zシリーズの主なスペックと価格(写真=右)

精巧に作り込まれたデザイン――写真で見る「Dell XPS 15z」

デルコンシューマー&SMB事業本部マーケティング本部の伊田聡輔氏

 一方、XPS 15zの製品概要は、コンシューマー&SMB事業本部マーケティング本部の伊田聡輔氏が担当した。

 主な仕様はすでにお伝えした通りで、CPUに第2世代Core i7/Core i5を採用し、グラフィックス機能は外付けGPUのNVIDIA GeForece GT 525M(1Gバイト/2Gバイト)と、CPU統合グラフィックスコアをNVIDIA Optimus Technologyで切り替える仕様になっている。メモリ容量は4〜8Gバイト、HDD容量は500Gバイト/750Gバイトから選択可能。光学ドライブとして、右側面にスロットローディングタイプのDVDスーパーマルチドライブを備える。また、液晶ディスプレイは1366×768ドット表示(輝度220nit)と1920×1080ドット表示(輝度300nit)の2種類が用意される。

 最大の特徴は何といってもアルミニウムシャーシベースのボディだ。アルマイト加工が施されたシルバーの外装は、緩やかにカーブを描く船底形の側面に向かって、光の加減でグラデーションを描く。一方、キーボードの枠とパームレスト、スピーカー部が一体になった内側は、素材にマグネシウム合金が用いられており、外観よりも暗いグレーで塗り分けられ、ボディ全体で金属的な質感を引き立てている。また、本体背面の排気口や底面の吸気口がメッシュ状にデザインされているのもポイントだ。デザインは非常によく作り込まれており、アップルの「MacBook Pro」や日本HPの「ENVY」などを連想する。

 インタフェースは、左側面に9-in-1メディアスロットと、USB 3.0×2、PowerShare対応のUSB 2.0/eSATA兼用ポート、HDMI 1.4、Mini DisplayPortが並ぶ。本体サイズは384.85(幅)×260.37(奥行き)×24.68(高さ)ミリ、重量は約2.51キロ。最大約8時間22分のバッテリー駆動を公称する8セルのリチウムポリマーバッテリーは、本体一体型タイプで着脱はできない仕様だ。充電サイクル数や耐用年数は公表していないが、バッテリーの交換はサポートを通じて行うとしている。

本体の厚さは24.68ミリ。このクラスのノートPCでは、「15インチMacBook Pro」が厚さ24.1ミリで、わずかに負けている(写真=左)。アイソレーションタイプのバックライト付きキーボードを搭載。その両脇にスピーカーを内蔵する(写真=中央)。エッジに向かって緩やかにわん曲する船底形のボディデザインだ。アルミニウムの外装と、マグネシウム合金のパームレスト部はサラサラとした質感だが、エッジは光沢感のある素材でアクセントをつけている(写真=右)

左側面に各種インタフェースをまとめている(写真=左)。右側面にはスロットローディングタイプのDVDスーパーマルチドライブと音声入出力が並ぶ。なお、BTOにBlu-ray Discドライブは用意されない(写真=中央)。底面から吸気し、背面に向かって排気する設計だ。普段は見えない底面のスリットまでデザインされている(写真=右)


 なお、今回のDell XPS 15zが“シリーズ第1弾”となっているように、同社によれば「ラインアップとしてより小さいモデルの投入も検討している」とのことで、より薄くより軽い、XPS zシリーズの11/13型モデルの登場が期待されるところだ。

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