“究極のオールインワン”をうたうアップルの「iMac」は、2009年に今の形へモデルチェンジして以来、3代に渡って同じボディを踏襲してきた。背面までアルミで一体成形された継ぎ目のない外観や、液晶全面をガラスで覆ったフラットなディスプレイは、いかにもアップルらしいデザインで、高い人気を支える理由の1つとなっている。
その一方で、内部システムはCore 2 DuoからNehalem世代のCore iプロセッサ、そしてSandy Bridge世代の第2世代Core iへと着実に進化してきた。1年におよそ3回のモデルチェンジを行う国内PCメーカーの製品に比べるとモデルチェンジの頻度は少ないものの、そのぶん新モデルが登場したときの性能アップはめざましい。実際、CPU処理性能は最大約1.7倍、グラフィックスも最大3倍(21.5型モデル)の向上をうたっており、旧モデルのユーザーにため息をつかせるほどだ。
最近のMacは、好調な「iPhone」や「iCloud」への期待で影が薄くなりがちだが、先のWWDC 2011でも触れられたように、過去20四半期に渡ってPC市場の平均出荷比率を上回るスピードで成長を続けている。国内でも初登場で販売ランキングのトップ10(家電量販店のPOSデータ集計/Gfk Japan調べ)に食い込み、その後もじわじわとランクを上げており、アップル直営店やApple Storeでの販売も考慮すると、まさに“絶好調”というほかない。
ここでは、新型iMacのうち、最も安価な21.5型モデル「MC309J/A」と、最上位の27型モデル「MC814J/A」を取り上げ、実際にどのくらい性能が向上したのか評価していく。なお、比較対象として旧型の21.5型モデル「MC508J/A」と27型モデル「MC511J/A」も並べている。
型番 | MC508J/A(旧型) | MC511J/A(旧型) | MC309J/A(新型) | MC814J/A(新型) |
---|---|---|---|---|
CPU | Core i3-540(3.06GHz) | Core i5-760(2.8GHz) | Core i5-2400S(2.5GHz/最大3.3GHz) | Core i5-2400(3.1GHz/最大3.4GHz) |
メモリ | 4GB(PC3-10600) | 4GB(PC3-10600) | 4GB(PC3-10600) | 4GB(PC3-10600) |
HDD | 500GB | 1TB | 500GB | 1TB |
グラフィックス | ATI Radeon HD 4670(256MB GDDR3) | ATI Radeon HD 5750(1Gバイト GDDR3) | ATI Radeon HD 6750(512MB GDDR5) | ATI Radeon HD 6970(1GB GDDR5) |
液晶ディスプレイ | 21.5型ワイド | 27型ワイド | 21.5型ワイド | 27型ワイド |
画面解像度 | 1920×1080ドット | 2560×1440ドット | 1920×1080ドット | 2560×1440ドット |
登場時の価格 | 11万8800円 | 19万8800円 | 10万8800円 | 17万8800円 |
既報の通り、新型iMacの主な強化点は、CPUとグラフィックス機能の強化、Thunderboltポートの搭載、FaceTime HDカメラの内蔵だ。このうち、CPUはNehalem世代のCoreプロセッサから、Sandy Bridge世代の第2世代Coreに刷新され、最下位モデルにもクアッドコアCPUが採用された。これにあわせて、CPU負荷に応じてクロックを引き上げるTurbo Boost Technologyをサポートし、MC309J/Aは最大3.3GHz、MC814J/Aは最大3.4GHzで動作する(シングルコア動作時)ようになった。また、下位モデルのMC309J/Aに搭載されたATI Radeon HD 6750が旧最上位モデルのATI Radeon HD 5750にどの程度迫れるのか、グラフィックスパフォーマンスの向上も気になるところだろう。次ページから簡単なベンチマークテストを実施してシステム性能を見ていく。
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