Etisalatは長年にわたってアラブ首長国連邦の通信事業を独占してきた国営企業。対してduは新進の民間企業という関係から、カバーするエリアが広大なEtilsalatに対してduは使えるエリアが限られる、というのが一般的な評価だが、今回滞在したアブダビに限っていえば、duのロゴを掲げた基地局は市街地に多数設置されており、duのプリペイドSIMカードを契約した同行者も滞在のほとんどの時間を仕事で過ごしたリゾートホテルと空港でデータ通信が可能だったという。
Etisalatもduも購入できるショップは市街地に多数ある。とはいえ、初めて訪れた中東の国であったため、“街の携帯電話屋さん”で購入するのはちょっとばかり勇気がいる。また、酷暑のアラブ首長国連邦では、14時から16時の間にほとんどの店が休業する。そういう場合は、近代的な大型ショッピングモールにある直営ショップで購入するといいだろう、と考えて、とある大型ショッピングモールを訪れたが、Etisalatの直営ショップはフードコートのの入り口に食券売り場と勘違いしそうなオープンカウンターで設けられていた。
プリペイドSIMカードを購入するには、カウンターで、「私はプリペイドSIMカードだけを購入したい」「私はSIMロックフリーのスマートフォンを持っている」「私はインターネットを使いたい」「可能ならば1Gバイトのデータ通信プランを使いたい」(容量は自分の希望するプランを選ぶ)と“英語”で申告すればいい。そのとき、身分証明としてパスポートの提示を求められる。また、支払いは日本の銀行口座から引き落とすクレジットカードが使えた。申告開始から契約終了までかかった時間は30分程度だ。
購入時に申告していれば、Data Packageの登録も同時にしてもらえる。ただ、SIMカードをスマートフォンに差す作業は契約終了後に自分で行うようになる。とはいえ、そのあとの作業は簡単で、SIMカードをスマートフォンに差せばEtisalatの電波を捉え、ほどなく「EtisalatINF」から「もうすぐ設定を受信できるから、それをデフォルトにしてくれ」とSMSが送られてくる。このSMSが届くまで人によっては半日など、長い時間待つというが、今回は、10時45分の契約から待つこと25分間、11時10分に受信できた。
スマートフォンに用意された機能で設定内容をダウンロードすれば、アクセスポイントにData Packageが登録されて定額データ通信が可能になる。SIMロックフリーのモバイル無線ルーターにEtisalatのプリベイドSIMカードを差しても利用できる。この場合、モバイル無線ルーターのユーティリティでアクセスポイントの設定を行うことになるが、必要なのはAPNのドメインに「etisalat.ae」を入力するだけで、ユーザー名とパスワードは空欄でいい。
データ通信は、市街地は当然ながら、市街地から離れたホテル街、市街地からそのホテルまで続く、回りに何もない高速道路沿い、そして、空港と使えないエリアはなかった。建物の中でも問題ない。通信速度もHSPA対応だけあって速い。SPEEDTEST.NETを用いた測定では、UPLOADが1470Kbps、DOWNLOADが2759Kbpsを記録した。
高速のデータ通信が可能だけあって、PCを接続してビジネス利用でも十分に耐えられる。使えるエリアもアブダビの市街地ではまったく問題ない。入手も容易であるので、ビジネス、観光を問わず、SIMロックフリーのスマートフォン、または、モバイル無線ルーターを持っているなら、まずはさておき、到着初日に購入しておきたい。
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