「計画停電」と「無能政治」に悠然と立ち向かうネパールのIT事情山谷剛史の「アジアン・アイティー」(2/3 ページ)

» 2011年06月30日 19時01分 公開
[山谷剛史,ITmedia]

ネパール人のITリテラシーは高い!

 外国への出稼ぎが当たり前のネパールだけあって、観光地から住宅地まで旅行代理店がいたるところにある。そのオフィスでPCを使う人は多く、かつ、業界内競争が激しいことから、旅行代理店では航空会社のオンライン予約を代行したり、インドの列車のオンライン予約を代行することは当たり前の業務になっている。ネパールでもネットカフェがあちらこちらにあるが、そこでIP電話を使って国際電話をする人を多く見かけたのも、海外に出稼ぎせざるを得ないネパールの事情を表している。

カトマンズのオフィスではPCが当たり前のように使われている。ある程度の教育を受けたネパール人のITリテラシーは高い(写真=左)。スーパーマーケットのレジも素のPCがPOSとして利用されている(写真=中央)。文房具屋さんでもスキャンとコピーのサービスをPCで構築していた(写真=右)

カドマンズのネットカフェはビジネスセンターも兼ねていれば(写真=左)、IP電話を利用した国際電話ボックスも兼ねていた(写真=中央、右)

PCはパーツから組み立てます。当たり前でしょう

 海外への出稼ぎが多く、人口も少ないため内需市場も小さいので、ネパールに進出する海外のPC関連メーカーは少ない。ネパールのPCショップは、自作PCか、ショップ自らが国外で購入したノートPCを扱うケースが多く、海外PCメーカーの代理店は限られたショッピングセンターなど非常に少ない。

カトマンズにある「New Road」はネパール最大の電脳街だ(写真=左)。カドマンズで見かけたPCショップはユーザーのオーダーに合わせてパーツを選んで組み立てる(写真=中央)。こんな感じでPCショップが集まったエリアもある(写真=右)

ネパールで見かけた数少ないデジタルガジェットショップ(写真=左)。こちらのIT専門店では時計も扱っている(写真=中央)。そして、PCショップは路地裏にもあった(写真=右)

 一方で、携帯電話の販売店では、Nokia、Samsung、Sony Ericsson、Motorolaなどのグローバルなメーカーに加えて、インドメーカーの製品、さらに中国のノンブランド携帯電話こと“山寨機”が「China」というブランド名でヒマラヤの山々を越えて売られている。

カドマンズの携帯電話ショップ。PCと異なり携帯電話は海外からも多数のメーカーが参入している(写真=左)。携帯電話ショップの中には家電も扱う「よろず家電ショップ」が多い(写真=中央)。ネパールで移動体通信事業サービスを展開するNcell(写真=右)

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