「VAIO L」2011年夏モデルを試す(後編)――強力無比なテレビ機能と独特のタッチ操作にハマるPCの地デジ移行はしましたか?(3/4 ページ)

» 2011年07月01日 11時15分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

Sandy Bridgeに外部GPU、大容量HDDと充実の基本スペック

背面のスタンドを取り外すと、2基のSO-DIMMスロットと3.5インチHDDベイにアクセスできる

 基本システムは引き続き、開発コード名「Sandy Bridge」こと第2世代Core iシリーズのモバイル向けシステムを採用している。本体をスリムボディにまとめるため、低消費電力で発熱の低いモバイル向けCPUとチップセット、メモリを利用して発熱を抑えつつ、比較的発熱の差が小さいHDDはデスクトップ向けの3.5インチHDDを搭載し、大容量のストレージ領域を確保した。2011年夏モデルでは、標準仕様モデル全機で2Tバイト(5400rpm)の大容量HDDを内蔵した点が新しい。

 標準仕様モデル最上位機のVPCL229FJ/Bは、CPUがクアッドコアのCore i7-2630QM(2GHz/最大2.9GHz、3次キャッシュ6Mバイト)、チップセットがIntel HM67 Express、メモリが8Gバイト(4Gバイト×2、PC3-10600)、グラフィックス機能がNVIDIAのGeForce GT 540M(グラフィックスメモリ1Gバイト)だ。2011年春モデルの標準仕様モデル上位機「VPCL219FJ/W」と比べても、メモリ容量が2倍に、グラフィックス機能は3D描画性能のより高いGPUへと進化した。

 ボディ右側面には、1層BD-R最大6倍速、2層BD-R最大4倍速の記録、1層/2層BD-REへの最大2倍速書き換えなどに対応した記録型Blu-ray Discドライブを搭載している。こちらの光学ドライブもモバイル向けのスリムタイプだ。

CPU-Zによる情報表示画面(画像=左/中央)。CPUはCore i7-2630QM(2GHz)を採用する。高負荷時に安全な範囲で動作クロックを上昇させるIntel Turbo Boost Technology 2.0、省電力機能のEIST(Enhanced Intel Speedstep Technology)を搭載し、必要なときだけ動作クロックを上げて高速に処理する一方、アイドル時や低負荷時は逆に動作クロックと電圧を下げて消費電力を節約する。GPU-Zによる情報表示画面(画像=右)。グラフィックス機能にはGeForce GT 540M(グラフィックスメモリ1Gバイト)を採用。従来の標準仕様モデル上位機(VPC219FJ/W)や、その後継となる3D立体視なしモデル(VPCL227FJ/W)が搭載するGeForce 315M(グラフィックスメモリ512Mバイト)より3D描画性能が高く、比較的描画負荷の低いものであれば3Dゲームも実用的にプレイ可能だ。また、GPGPUのCUDAに対応しているため、CUDAに対応したPMB VAIO Editionでの動画変換などが高速に行なえるメリットもある

 通信機能は、1000BASE-Tの有線LANのほか、IEEE802.11b/g/nの無線LAN(最大送受信150Mbps)とBluetooth 3.0+HSを装備。また、HDMI入出力(3D対応)のほか、2基のUSB 3.0、3基のUSB 2.0、IEEE1394a(4ピン)、メモリースティック デュオスロット(PRO-HG、マジックゲート対応)兼SDメモリーカードスロット(SDXC/SDHC対応)など、本体装備のインタフェースも実に充実している。

 液晶フレームの上部には、高感度に強く、暗い室内でもノイズの少ない静止画/動画が撮影できるExmor CMOSセンサーを搭載したHDウェブカメラ(有効画素数131万画素)も内蔵する。

多くの端子類は左側面にまとめられている(写真=左)。上からメモリースティック デュオスロット(PRO-HG、マジックゲート対応)兼SDメモリーカードスロット(SDXC対応)、USB 3.0×2、IEEE1394a(4ピン)、ヘッドフォン、マイクを装備する。一番下のASSISTボタンを押すと、メンテナンスソフトの「VAIO Care」を起動する。右側面には上部に光学ドライブを搭載するほか、その下にテレビ/ディスプレイ関連のボタンがまとめられており、ボリューム調整、テレビチャンネル切り替え(スグつくTV/GigaPocket Digital両方で有効)、OSDメニューの起動、画面入力切り替え、画面消灯/点灯ボタンなどがある(写真=中央)。背面にはケーブルを常時接続させておくことを想定した端子類が集まり、アンテナ入力×2、DC入力、USB 2.0×3、有線LAN(1000BASE-T)に加えて、HDMI入力、HDMI出力、ビデオ入力(コンポジット)を装備している(写真=右)

定番モノからVAIO独自タイトルまで、豊富なソフトウェア構成

 OSには64ビット版のWindows 7 Home Premium(SP1)を導入しており、フォトレタッチソフトの「Adobe Photoshop Elements 9」や動画編集ソフトの「Adobe Premiere Elements 9」、オフィススイートの「Microsoft Office Home and Business 2010」といった定番ソフトもプリインストールしている。

 前述のGigaPocket DigitalやVAIOホームネットワークビデオプレーヤーをはじめ、ASSISTボタンで起動するサポートソフトの「VAIO Care」、3D対応手書きお絵かきソフト「Family Paint 3D」、リコメンド機能付きのメディアプレーヤー「Media Gallery」、写真や動画の整理・編集・保存が行える「PMB VAIO Edition」など、工夫を凝らしたVAIO独自のソフト群も魅力だ。

VPCL229FJ/Bのデバイスマネージャ画面


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