「A6-3650」と「Core i3-2100T」を比べてしまったイマドキのイタモノ(3/4 ページ)

» 2011年07月06日 10時00分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]

統合グラフィックスの性能は優れているが、Dual Graphicsはドライバの最適化待ち

 Aシリーズでは、統合グラフィックスコアと外付けのGPUを連動させる「Dual Graphics」機能を導入している。Dual Graphicsとして組み合わせる外付けのGPUとして、AMDはRadeon HD 6670からRadeon HD 6450まで、実売価格1万円前後のクラスを推奨している。外付けGPUの性能によってDual Gaphicsの効率がどのように変わるのかも検証してみた。

 なお、AMDでは、統合グラフィックスコアと外付けGPUの組み合わせごとに、Dual Graphicsの型番を定めているが、まだ、導入されて間もないこともあって、それぞれどのようなグラフィックスコアとGPUで構成されているのかが分かりにくいと思われるので、この記事では使用していない。

3DMark Vantage 3DMarks
3DMark Vantage Graphics

3DMark11 3DMarks
3DMark11 Graphics

3DMark11 Physics
3DMark11 Combines

Lost Planet 2
Last Remnant

DiRT2
DiRT3

 3DMark Vantageの3DMarksで、Radeon HD 6530Dの性能はIntel HD Graphics 2000に対して3倍という結果が出た。3DMarksだけでなくGraphicsのスコアも同様だ。一方、Dual Graphicsの効果は、Radeon HD 6530Dを1としてRadeon HD 6450を組み合わせた場合は1.6倍、Radeon HD 6570で2.4倍、Radeon HD 6670が2.6倍となった。なお、A6-3650にRadeon HD 6570を組み合わせた時点でCore i3-2100TにRadeon HD 6670を組み合わせたスコアを抜いている。3DMark11はIntel HD Graphics 2000で動かないため、統合グラフィックスコアの比較はできないが、Dual Graphicsでの性能は、3DMark Vantageでの傾向と同様だった。

 DirectX 9に対応するゲームタイトルの「The Last Remnant」では、A6-3650のRadeon HD 6530Dで1280×768ドット条件において30fpsを超えている。一方、Core i3-2100TのIntel HD Graphics 2000と比べると2倍以上の差となっている。ただし、Dual Graphicsでは、CrossFireXが効いていないためか、むしろスコアを落としている組み合わせもあった。これは、先に計測したA8-3850と同様だ。A6-3650にRadeon HD 6450を組み合わせたスコアは、統合グラフィックスコアしか効いていないのではと思えるほど低い結果になっている。

 DirectX 11対応ゲームのLOST PLANET 2では、Dual Graphicsの効果が確認できたのがRadeon HD 6670を組み合わせて1920×1080ドット条件で測定した結果だけだった。DiRT2に関しては、Dual Graphicsがドライバの最適化が進んでいないためか、Radeon HD 6570を組み合わせた1920×1080ドット条件、および、Radeon HD 6450との組み合わせでエラーとなるトラブルが発生した。なお、Dual Graphicsのフレームレートに関しては、A8-3850の検証時に使用したドライバのように、スコアが伸びないということはなくなった。ただ、ゲームタイトルでDual Graphicsの効果がはっきりと確認できるのは、Radeon HD 6670を組み合わせた1920×1080ドット条件のみだった。一方、DiRT3では、Dual Graphicsの効果が明らかで、A6-3650にRadeon HD 6570を組み合わせた段階でCore i3-2100TにRadeo HD 6670を組み合わせたスコアを超えている。

効果が高いDual Graphicsの組み合わせは?

 すでにレビュー記事を掲載しているA8-3850の統合グラフィックスコア(Radeon HD 6550D)とA6-3650に統合されたRadeon HD 6530Dの性能はどれだけ異なるだろうか。3DMark系ベンチマークテストでは、Radeon HD 6530Dが1000ポイントほど低いスコアで、Radeonコアの数と動作クロックの影響が表れている。

 Dual Graphicsでは、Radeon HD 6570以上を組み合わせて初めて効果が確認できるという結果だ。Radeon HD 6450はRadeonコアの数が160基で、統合グラフィックスのRadeon HD 6530Dより少ない。それでも、わずかに性能を上げてくれるのはベンチマークテストでも確認できているが、3Dグラフィック性能を飛躍的に向上させられるほどではない。Llanoの統合グラフィックスコアに満足できず3D性能のアップグレードを図るユーザーが、プラス数FPSの向上しかもたらさないローエンドGPUを選ぶのだろうか、という疑問は残る。

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