インタビュー
» 2011年07月13日 11時10分 UPDATE

42万5000本、150億ダウンロード:ゲーム、スポーツ、健康機器、そして“節電”支援まで――2億台規模の市場を持つiOSアプリの現在 (1/3)

新しいジャンルの家電製品としては、非常に速いペースで広がり続けている「iPad」。同製品を担当する米Appleワールドワイドマーケティングのスコット・ブロドリック氏が来日し、iOSアプリケーションの現状について紹介した。

[林信行,ITmedia]

2億台プラットフォームを支える42万5000本のアプリケーション

og_ios_001.jpg 新しい“生活家電”ともいえる「iPad 2」

 7月7日、アップルは「iPhone」「iPod touch」「iPad」向けに作られたiOSアプリケーションのダウンロード総数が150億を突破したと発表した。

 読者の中には、2011年の1月に同社が100億ダウンロードのカウントダウンをはじめ、同月22日に達成されたことを記憶している人もいるだろう。2008年の夏にスタートし、そこから2年半かけて達成した100億ダウンロードだったが、それからわずか半年でさらに50億を積み上げたわけだ。App Storeのダウンロードが、ものすごいペースで加速していることを感じさせる。

 それというのも、iOS機器そのものがあいかわらず破竹の勢いで売れ続けているからにほかならない。6月に発表された統計によれば、iPhone、iPod touch、iPadの累計出荷台数はすでに2億台を超え、日本の人口の2倍に近づいている。

 2011年第2四半期に売れたiPhoneの台数は1860万台で、これは日本で半年間に売れる携帯電話の総数よりも多い。ちなみに、この1860万台を構成するのはiPhone 4と一部海外市場で売られているiPhone 3GSの2機種だけ。これに対して、日本で半年間に売れる携帯電話の台数は、3キャリアが数十機種ずつ販売するすべての端末を総計した台数で、スケールがまったく異なる。

 このiPhoneに加え、iPadも販売開始からの14カ月間で、よく比較対象とされるタブレット型商品群を大きく引き離す2500万台の出荷を達成している。

 これは今回のインタビューで述べられたものではないが、米IHS Screen Digestの調査によれば、App Storeは確実に利益を生み出す構造になっている。同調査によればAndroidのマーケットは、有料アプリケーションはなかなかダウンロードされない傾向が強く、2010年の段階で過半数の57%ほどが無料アプリケーションで、市場規模は1億200万ドル規模と推定されている。BlackberryのApp Worldは1億6500万ドル規模、NokiaのOvi Storeも1億500万ドル規模だ。

 これに対して、iOS機器のApp Storeは、2010年の段階で有料アプリケーションの割合が72%と多く、17億8200万ドル市場と圧倒的に規模が大きい。こうしたことも追い風になり、iOSには現在、42万5000本のアプリケ−ション(iPad用に最適化したものだけでも10万本)がそろっている。

 今回の説明会は、iPadワールドワイドマーケティング担当、スコット・ブロドリック氏が、その中からいくつか特徴的なものを紹介すべく行われたものだが、以下ではそれらを順番に整理して見ていこう。

専用ゲーム機に追いつけ、追い越せ

og_ios_002.jpg TAITOによる日本未発売(2011年7月12日現在)のアプリケーション「Drawin' Growin'」(115円予定)

 iOS機器は、すでに2年以上前からゲーム/エンターテイメントアプリケーションのタイトル数で、PSPやNintendo DSと数倍近い差をつけており、東京ゲームショウを始めとするいくつかのゲームイベントで大きな注目を集め始めている。今回、ブロドリック氏はiOS用ゲームが、さらに大きな広がりや、新しい可能性を見せ始めていることをアピールした。

 まずはTAITOの子供も一緒に楽しめるファミリー型アクションパズルゲーム、「Drawin' Growin'」を紹介した。ユーザーの土地にタッチ操作で防御壁を描き、雷雨や干ばつの日照りから植物を守るというゲームだ。電話契約不要で購入できることから、若年層の間でゲーム端末として人気を集めているiPod touchでもプレイが可能で、実際にデモもiPod touchで行われた。

 ゲーム機としてのiPod touchは、専用ゲーム機と比べて、ゲームソフトの価格が圧倒的に安く、ほとんどのアプリケーションが数百円で買えることでも、保護者から人気が高い。こちらの「Drawin' Growin'」は日本未発売(7月12日現在)だが、カートリッジ販売のゲームと比べて圧倒的に安い価格になることが期待されている。

 よりスマートフォンらしいのが、AR(拡張現実)技術を使ったバンダイナムコの「AR カードダス」だ。人気アニメ作品の「ワンピース」や特撮ヒーロー「仮面ライダー」のカードにAR用のコードが埋め込まれていて、これを無料アプリケーションが入ったiOS機器でスキャンするとカードからキャラクターが飛び出てきて戦う、という仕掛けになっている。カードは仮面ライダー、ワンピースともに3枚入りで315円で、7月30日から全国の玩具店、カード専門店、量販店、家電量販店の玩具売り場、コンビニエンスストアで販売が開始される。

 昭和世代にも懐かしい仮面ライダーカードも、今ドキはiOSなのだ(ぜひとも、昭和世代の親御さんは、お子さんに、カードだけ取り出してお菓子を食べずに捨てたりしないように注意を促そう)。

og_ios_003.jpgog_ios_004.jpg バンダイナムコによるARカードのアプリケーション「AR Carddass」(無料)

 次に紹介されたゲームは、さらに度肝を抜いた。iPad 2発売当初のレビュー記事には、必ず登場していた「Real Racing 2 HD」というゲームを覚えているだろうか。iPad 2ユーザーの中には、同製品のグラフィックス性能を堪能しようと、このゲームをプレイしすぎて、すでに飽きている人もいるかもしれないが、そんな人はアプリが最新版にアップデート済みかを確認したうえで、iPad 2を外付けのディスプレイまたは大型テレビにつないで見てほしい(HDMI端子搭載のテレビであればApple Digital AVアダプタ、アナログRGB端子搭載のディスプレイやプロジェクターであれば、Apple VGAアダプタが利用できる)。

og_ios_005.jpg Real Racing 2 HD(レーシングゲーム)アプリケーション「Real Racing 2 HD」(1200円)

 iPad 2が標準で画面のミラーリング出力をサポートしているおかげで、旧バージョンのReal Racing 2 HDでも、大型テレビをつなげば、iPad 2そのものをハンドルのようにして操作し、迫力ある大画面でゲームを楽しむことはできた。しかし、大画面に映し出されているのと、同じ内容がiPad 2本体の液晶にも表示されているのが、少しかっこわるかった。

 ところが、Real Racing 2 HDの最新バージョンでは、なんと外付けディスプレイには1080pのハイビジョン出力でリアルなレーシングコースと車を描き出しながら、同時にiPad 2本体の液晶画面にはレーシングコースや操作に必要なボタンを映し出すというデュアルディスプレイ(2面ディスプレイ)での操作が楽しめるのだ。

 大画面でゲームそのものを楽しみながら、手元のディスプレイで付加情報を確認する、というスタイルは、任天堂社の次世代ゲーム機「Wii U」を彷彿とさせるものがある(ただし、iPad 2の場合は、ディスプレイはiPad 2本体からケーブル接続が必要)。

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