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» 2011年07月14日 11時00分 UPDATE

もし、在宅業務することになったらどうするか:PCフリーライターが普段実践する、モバイルオフィス環境──「データの分散保存」編 (1/2)

モバイルオフィス環境を実践しだすと、どうしようか少し迷ってくるのが「データの保存先」。PC内蔵ストレージだけでは容量が乏しいが、ネットワークストレージはどうか。万一時や安全性、利便性をあれこれ悩んだ結果、こう落ち着いた。

[石川ひさよし&編集部,ITmedia]

出先で「業務・作業データ」をどうするか

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 ノートPCとともに、電源環境通信手段を確保すれば、とりあえずのモバイルオフィス環境は整ってしまう。

 そこで今回はもう少し具体的に、そこで作業するデータをどう取り扱うかについて検討したい。“データ”と大きくくくったが、それはテキストやメール、オフィスファイル、画像といった単体ファイルの扱いはもちろん、モバイルオフィス環境においてはストア、バックアップ、同期なども考慮することでより快適に、安心して活動できることになる。

 まずはストア。こちらは作業のためのにデータを保存する場所、ストレージ容量という意味だ。最近のノートPCには、320G〜500Gバイトクラスとかなり大容量のHDDを搭載するモデルも多くなっているが、モバイルノートPCではそれより容量が少なめとなるSSD、あるいはこれまでのノートPCを使い続けるなら数10Gバイト前後で使用する人も多いと思われる。業務で利用するデータをすべて保存できればよいが、それができない場合はもちろん、全部となるとモバイルオフィス環境の実践においては若干ムダなシーンも多い。また、データをPCの1か所だけに集中させてしまうのも少し不安になる。

 次はバックアップ。上記でも述べたが、モバイルオフィス環境で使うにあたっては、落下による破損、あるいは紛失・盗難など、さまざまなデータ消失リスクが生じる可能性が普段よりどうしても高まる。リスク回避手段の1つとして、データのバックアップは絶対に欠かせない。

 最後は同期。バックアップ1つに対してノートPC1台となると上記のバックアップと同じだが、PCがないと業務が完全にストップするPCフリーライターの筆者としては、複数台の予備PCも用意し、それぞれがほぼ同じ環境となるよう、メインのPCに何か起こっても予備のPCでそのまま作業を続行できるようデータの同期を行っている。こちらは、一般PCユーザーであればそこまでする必要はないかもしれないが、データを異なる方法で分散保存することで万一のリスクを軽減するという考え方だ。故障でなくても、同じデータを参照できるならば、外ではモバイルノートPCで、家では高速・大画面のデスクトップPCで──といったように状況に応じて使うPCを使い分けて運用することも可能だ。

 というわけで今回のテーマの実行においては、PCデータの外部保存先に3つの方法を取り入れたい。外付けのストレージ(外付けHDDやUSBメモリなど)、ローカルネットワークのストレージ、そしてオンラインストレージだ。これらは一長一短があり、相互に補完関係にあるもの。それぞれを組み合わせて活用するわけだ。

【手段.1】「外付けのストレージ」を利用する

photo アイ・オー・データ機器の薄型ポータブルHDD「HDPC-AUシリーズ」。2011年7月現在、最大1Tバイトモデルまでラインアップする

 まずは「外付けのストレージ」。主に2.5インチHDDなどを内蔵したポータブルHDDやUSBメモリなど、USB接続で手軽に利用できる、PC利用者にとってはごく一般的な機器だ。モバイルオフィス環境でもネットワーク状況に影響されることなく利用でき、手軽かつ十分な速度を確保できる特徴がある。

 筆者は編集部にスペースを借りて作業する際や取材時、特に海外取材など、モバイル通信環境が不確かだったり、急ぎの仕事である場合に備えてポータブルHDDを持ち歩いている。現在では2.5インチのポータブルHDDであっても750Gバイト〜1Tバイトと大容量のものも登場しており、家電量販店などに出向けば、500GバイトのポータブルHDDが5000円前後(2011年7月現在)と、そこそこ手軽な価格帯で販売されている。

 さて、ポータブルHDDは重量200グラム前後とはいえ持ち運ぶ機器が1つ増え、USB接続のためPCのバッテリーを余計に消費するものが増える点はあるが、“ストア”する意味では一番手軽な存在だ。自信で単体での紛失や盗難を防げれば、セキュリティ面もある程度信頼がおける。


photo バックアップ機能が充実する「Clickfree」シリーズ

 バックアップと同期については、それを行うときに必ずPCに接続しなければならない手間はある。筆者はマイドキュメントフォルダの中に現在進行中の業務だけをまとめた「Work」フォルダを用意し、外付けHDDにはバックアップツールで差分コピーするようにしている。業務を終えた過去のデータは改めて時間が空いたら全バックアップを行うようにしつつ、普段は短時間で手間なく済ます手法だ。

 なお、ポータブルHDD製品にはバックアップ用ソフトウェアが付属することも多く、本体単体で起動できるバックアップ専用ボタンを備えたモデルなどもいくつかある。中でもバックアップボタン付きのモデルは(今回の用途目的では特に)便利なので、予算に余裕があればそちらをお勧めしたい。

 一方、1つの外付けストレージで複数台のPCのデータを同期する──のは少し面倒だ。ここで悩んだ結果、筆者は後述するローカルネットワーク内のストレージ、つまりNASに対して複数台のPCより同期処理を行い、それを基にポータブルHDDへとデータをバックアップするという手順をとっている。


  【手段.1】「外付けのストレージ」を利用する
省電力 ☆☆☆☆(ポータブルHDDであれば電力消費は微量)
初期コスト ☆☆☆(320G〜500GバイトのポータブルHDDで5000円前後から。家電量販店などで手軽に買える)
ランニングコスト ☆☆☆☆(運用は容易。故障や買い換え時以外はほぼかからない)
重量 ☆☆(ポータブルHDDは200グラム前後。持ち物が1つ増えるので若干の工夫は必要に)
速度 ☆☆☆☆☆(接続規格や保存するデータ量など状況に応じて変化はあるが、ネットワークストレージ比では高速で安定)
容量 ☆☆☆☆(製品次第だが、ポータブルHDDでも容量1Tバイトクラスの大容量モデルは存在する)
(※星が多いほど効果あり/良好 を示す。満点:☆☆☆☆☆ ※あくまで筆者感覚値です。ある条件化では大きく異なる可能性はあります)


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