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» 2011年07月23日 09時00分 UPDATE

街のイオンで買う“データ通信SIMカード”:980円で大丈夫か──「イオン専用b-mobileSIM」徹底検証 (2/3)

[坪山博貴,ITmedia]

使い始めはU300と同じ、画像圧縮サービスは強制適用

photo 筆者が所有する日本通信版「IDEOS」と本製品。タイプAのシールが張られており、契約時の料金プラン別にパッケージが準備されていることが分かる

 本製品はNTTドコモ、あるいはSIMロックフリーのW-CDMA(3G)対応スマートフォン、携帯電話、データ通信端末などで利用できる。

 ただし「音声通話はできない」(機能を持たない)ことから、一部のスマートフォンではデータ通信は行えるもののアンテナバーが圏外表示になったり、利用できない端末もある。動作確認済みの機器は日本通信のWebサイトで公開されているので参考願いたい。


イオン専用b-mobileSIM用APN
APN dm.jplat.net
ユーザー名 bmobile@aeon
パスワード bmobile

 使い始めは、APN(Access Point Name:該当SIMカードでデータ通信を行うための通信設定項目)の設定を行う(設定方法は機種それぞれで異なるので、自身が所有する機器のマニュアルなどを参照願いたい)。

 こちらはb-mobileSIM U300などと設定内容はほぼ同じ。異なるのはユーザー名が本SIMカード用の文字列に変わっているくらいだ(ただ、U300と同じ設定でも利用できてしまった。当然、通信速度などに変化はなかった)。

 データ通信は、日本通信が発売する標準パッケージの「b-mobileSIM U300」や「b-mobile Fair」などでは任意で利用する、画像圧縮サービスが自動的に適用される。

 画像圧縮サービスは、通信データ量を減らす目的でWebサイトの画像を圧縮する機能である。Webサイトの静止画は圧縮されることで原則として画質が劣化することになる。画面サイズが4型前後のスマートフォンであればそれほど気にはならないのだが、それより画面サイズが大きいタブレットやPCで見ると劣化具合が判別できる感じになる。

 なお、今回はあくまでタイプAで検証した結果だが、日本通信によると、より高速に通信できるタイプB、タイプCでも同様に画像圧縮サービスが強制適用となるようだ。こちらは、特にMbpsクラスの速度となるタイプCだとPCでの普通のデータ通信用として利用する層も多いだろうから、常時画像圧縮されてしまうのはちょっと……と思う人は多いかもしれない。

photophoto 弊社サイト内のある画像を、左:画像圧縮なし(別回線で接続)、右:画像圧縮あり(本SIMカード)で表示具合を比較。少し分かりにくいが、画像圧縮ありの画像は黄色・白色部分などにブロックノイズが目立つようになり、エッジも甘めになる。こちらはオリジナルの画像が最初からどの程度圧縮された状態であったかにもよるので分かりにくい例もあると思うが、おおむね、まぁこのくらいならと思えるレベルでもある

最大100kbpsのタイプAでも、メール、Twitter、経路・路線案内検索なら十分に使える

 では実際にスマートフォンで使うとどうだろう。今回はb-mobileSIM[イオン専用]の利用が可能とうたわれているNTTドコモの「Xperia(SO-01B)」、日本通信「IDEOS」で利用してみた。

 最大100kbpsのタイプAが想定するのは、メール、Twitterなど、文字情報の送受信を中心とした使い方だ。これらであれば遅さはほとんど気にならない。場合により乗換案内など、比較的データ送受信量が少ないアプリケーションもそこそこ普通に利用できる。

 なお、Twitterで写真投稿をする機会の多い人は、送信をバックグラウンドで行える仕様のアプリケーションを選ぶとよいだろう。Androidだと純正Twitterアプリケーションがこれにあたる。それができないものだと、送信に時間がかかるのでストレスの元になるかもしれない。

 一方、比較的データ通信量が多めのマップ(Google Mapアプリ)も、V5以降では地図がビットマップからベクター方式に変更され、データ量が小さくなったこともあり、最大通信速度から想像するより実用的だった。さすがに地図データのキャッシュをクリアして使い始めると、まったく地図データがキャッシュされていない場所で1画面分の地図の読み込みに1分以上待たされるのだが、現在地の地図を読み込んだ状態からの徒歩での経路案内程度の利用であれば、遅さはそれほど感じずに済む。このあたりはユーザーがどう運用するかの問題で、無線LANなど高速な通信環境で利用している時に普段よく地図表示するような場所を表示してキャッシュさせるよう心がければよく、単に使い続けるだけでも次回以降はキャッシュの効果で快適になるわけだ。

 Webページの表示も、思ったよりは実用的だった。ここ数年で主要サイトのスマートフォン対応が進んでいることもあり、レイアウトを簡略化し、データ総量も少な目になっているスマートフォン向けページなら普通に読み進められる。さすがにPC向けのサイトだとやや待たされる感は強くなるが、画像圧縮の効果もあるのか、最大100kbpsでも使い物にならないほどの遅さではない。

 ちょっとした例外は、https://〜で始まる通信が暗号化されたサイトだ。同プロトコルを用いるサイトは画像圧縮が行われないので、サイトによってはそこそこの我慢が必要である。例えば決済・通販系のサービスは当然暗号化通信になるので、そのサービスがPC向けのページしか用意していなければ遅くてもだえてしまう。ま、もっとも月額980円と思えば納得してもよいレベルではある。

 次はポータブル無線LANルータ「b-mobile WiFi」にb-mobileSIM[イオン専用]を装着し、PCでデータ通信を行った。

 まずはTwitterや電子メール送受信といったテキスト中心のものはスマートフォンの場合と同様にデータ量がそれほど多くないため、十分実用的だ。ただ、Webメールサービスについては、利便性の向上を理由に昨今リッチコンテンツ化している場合も増えているので少し注意が必要だ。例えばGmailは、標準HTML表示のモードだと一覧表示するにもかなり待たされ、簡易HTML表示モードをお勧めされてしまう始末だった(もっとも、簡易HTML表示モードにすればほぼストレスなく利用できる)。

 Webサイトの表示も、最大100kbpsなりに想像よりは使える。一例として、ブラウザのキャッシュを全削除してからPC USERのTOPページを表示すると表示完了までに40〜50秒、ある程度キャッシュが有効な状態なら10秒もあれば閲覧可能なレベルまで表示される。当サイトは画像がそこそこ多いので、画像圧縮の効果も大きいのだろう。

 これを遅すぎるとするか、許せるとするかは、利用環境や急いでいるとき、あるいはそのときの心理状況などを含めてシーン別・時間帯別それぞれで個人差があると思う。同じ場所でWiMAXに切り替えて通信すると瞬間に表示されるWebサイトでも、基本的には表示に5〜10秒かかる。しかし、通信手段がまったくない場合と比べれば、通信できることこそに意味があるわけだ。

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