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» 2011年08月10日 15時00分 UPDATE

もし、在宅業務することになったらどうするか:PCフリーライターが普段実践する、モバイルオフィス環境──「連絡手段の確保」編 (1/2)

モバイルオフィス環境は、社内での勤務のように「対面コミュニケーションでない」ため意思疎通が難しくなると心配になることもある。今回はそんな「連絡手段」を考察しよう。

[石川ひさよし,ITmedia]

「複数のコミュニケーション手段」を確保する

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 最初にお断りするが、モバイルオフィス環境を実践するとはいえ、重要な案件は対面で、先方へ出向いたりどこか場所を決めて打ち合わせをすることが望ましいと筆者は思っている。いくらインターネットや携帯電話を含む通信、連絡手段が発達してきているとはいえ、対面コミュニケーションを超える意思疎通ができるWebサービスはおそらくまだない。対面コミュニケーションは、音声、視覚、文字、触覚、そのほかの感覚、あらゆる手段を使ってものを伝えられ、その逆もしかり。一方、それ以外の手段は、音声、文字、視覚のうちの一部を用いて最大限の意思を伝える努力が求められる。

 それをふまえつつ、モバイルオフィス環境でのコミュニケーション手段は1つだけでなく複数用意しておくようにしている。

 あの日、2011年3月11日の午後に打ち合わせの予定があった筆者は、ちょうど出かける準備をし始めたときに地震が発生した。直後に一帯が停電となり、情況がつかめないまま携帯電話以外、固定電話と光インターネット回線の通信・連絡手段を瞬時に失った。打ち合わせ予定の担当者となんとか連絡をとろうにも、携帯電話も輻輳(ふくそう)や通話規制でつながりにくくなった。

 唯一利用できたのは3Gデータ通信回線だった。かろうじて通信できる程度だったが、インターネットを通じたコミュニケーション手段だけは利用できた。断片ながらも情況を把握しつつ簡易なメッセージを送り、編集担当からの指示を仰ぐ段階まで意思疎通が図れた。

 このことから、固定回線がだめなら無線通信、通話がだめならデータ通信というように複数の手段を確保しておくべきことを改めて学習した。やみくもに用意すればいいものではないだろうが、思いつく手段は段階的に確保するだけ安心できる。今回は固定電話やPCでの一般的な電子メール送受信、携帯電話での音声連絡といった一般的な手段は省かせてもらいつつ、筆者が実際に導入、あるいは導入を勧めるインターネットを介したコミュニケーションサービスをピックアップしよう。単体のインスタントメッセージング(IM)ソフトはもちろん、TwitterやFacebookのようなソーシャルネットワークサービスにもダイレクトメッセージ機能があり、さらにPCだけでなくスマートフォンや携帯電話も活用することで、バックアップ環境もいくつか構築できると思われる。

【手段.1】IMサービスを統合「Meebo」

photo ブラウザで利用できる統合IMサービス「Meebo」

 まずは「インスタントメッセージング(IM)サービス」。こちらは1990年代から存在する、PC利用者にはよく知られているであろうサービスだが(逆にもう使っていない人もいるだろうが)、やはりリアルタイムで文字列の連絡が必要な時に便利だ。「ちょっとこれを開いて」とURLを送ったり、画像データを送信するなど、すぐ見てくれるか分からないメールでの連絡でなく、確実に相手がいる/伝わるという状況で利用できるのがよいところだ。

 しかし、古くからあるIMサービスはその分多数のサービスが存在し、原則として互換性がない(あるサービス専用のIMソフトでは、他サービスのIMは受け取れない)。すべての相手、取引先が同じIMサービスを使ってくれていれば苦労はないが、なかなかそうもいかない。それならばと導入したのが「Meebo」だ。

 Meeboは複数のIMサービスを統合し、かつ横断して利用できる。特に、ブラウザ上で操作できるので専用クライアントソフトのインストールを必要としない点が手軽で、Windows PC以外でも共通アカウントで使えるのが便利だ。Windows Live Messenger、ICQ、AIM、さらにはGoogle talk、(まだβ版だが)Facebookに対応しており、ごちゃつきがちな常駐アプリケーションを減らせる効果が十分にある。そして、Windows Live Messengerを使用する人も、Facebookを使う人も、一緒にまとめて一覧表示してくれるため、「あの人はどのIMサービスを使っているんだっけ」などと使用するサービスの違いを意識しなくてよい。

 日本ユーザーにとっての難点は、Yahoo!Japan版のYahoo!メッセンジャーに対応していないことか。Meeboは海外のソフトウェアであり、Yahoo!Japan版は本国Yahoo!版とは異なる仕様で展開する独自サービスのためだろう。こちらは仕方ない。

 利用は簡単だ。Meeboのアカウントを作成し、IMサービスのそれぞれで使うアカウント情報を登録するだけだ。こうすることで次回から、Meeboのアカウントでログインすると登録したすべてのIMサービスも一緒に利用できるようになる。Meeboは主に海外で利用されるサービスが中心とはいえ、70程度のIMサービスやSNSに対応している。グローバルで活動する人にも便利なサービスと言えるだろう。


photophoto 複数のIMサービスが一括表示され、サービスの違いを意識せずに済む。AIMや米Yahoo!、Windows Live、MySpaceやGoogle Talkなど、主要サービスはおおむねサポートしている

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