幾何学模様が“キラッ”と主張する新デザインノート――「VAIO E」を試す価格は4万円台から(3/4 ページ)

» 2011年08月23日 09時45分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

1366×768ドット表示の15.5型ワイド液晶を採用

 15.5型ワイド液晶ディスプレイの表示解像度は1366×768ドットと標準的だ。画面サイズに対して、解像度が高くないので、情報の一覧性はそこそこだが、細かな文字なども大きく表示されるため、初心者や年配の方も使いやすいだろう。

 VAIO独自の液晶ディスプレイグレードはエントリークラスの「VAIOディスプレイ」とされている。液晶ディスプレイ表面は光沢仕上げのため、照明や外光は映り込みやすい。

 表示品質は価格なりといったところ。輝度は水準以上に確保されているが、青みが少し強い色味で、若干メリハリに欠ける印象の表示だ。視野角も特に上下方向で狭いが、液晶ディスプレイのヒンジの角度は約138度まで開くので、極端に上からのぞき込むような姿勢で使わなければ、角度調整で対応できるだろう。

1366×768ドット表示の15.5型ワイド液晶ディスプレイを採用(写真=左)。液晶ディスプレイの角度は約138度まで開く(写真=右)

テンキー付きのアイソレーションキーボードを装備

 キーボードは、テンキー付きのアイソレーションデザインを採用している。半角/全角キーのキーピッチのみ約14ミリと少し狭いが、ほとんどのキーで約19×19ミリの広いキーピッチを確保しており、パームレストも広々としているため、ゆったりと文章を入力できる。

 ただし、カーソルキーはほかのキーから離して配置されているが、レギュラーキーとテンキーとの間は約5ミリとそれほど開いていないので、慣れないうちはミスタイプしやすいかもしれない。

 キーストロークは約2ミリと少し浅いが、アイソレーションキーボードでは標準的だ。強めにタイプすると、テンキー部分で少したわみがある。

テンキー付きのアイソレーションキーボードを採用(写真=左)。キーボードの奥にあるワンタッチボタンは、「ASSIST」ボタンがVAIO Care、「WEB」ボタンがWebブラウザ、「VAIO」ボタンがMedia Gallaryの起動に割り当てられている(写真=中央)。「VAIOの設定」では、Media Gallaryの代わりにほかの機能を割り当てることも可能だ(画面=右)

 ポインティングデバイスは、キーボードの手前に2ボタン式のタッチパッドを搭載する。テンキー付きキーボードでは、キーボードのホームポジションがかなり左寄りになるため、タッチパッドもホームポジション直下の左寄りに配置されており、この点が使っていて気になるかもしれない。

 パームレストとタッチパッドはシームレスにつながっており、パッド領域には段差を付けて、ドット加工を施している。タッチパッドの滑りは悪くなく、左右がそれぞれ独立しているボタンの感触も良好だ。

 タッチパッドにはシナプティクス製ドライバが導入されているが、最近のVAIOノートでは珍しく、スクロールやマルチタッチジェスチャーなどの拡張機能には標準で対応していなかった。マルチタッチジェスチャー機能はともかく、パッドの右辺を利用したスクロール機能なども使えないのは少々物足りないところだ。

 とはいえ、ソニーストアではさまざまなデザインやカラーのマウスが販売されているので、それを同時購入して利用するのもよいだろう。

ボディのかなり左寄りに2ボタン式のタッチパッドを配置している(写真=左)。タッチパッドにはシナプティクス製のドライバが導入されているが、機能的には最小限のものだ(画面=右)

Sandy Bridgeシステムならではの高性能

 さて、各種ベンチマークテストの結果をチェックしていこう。改めて紹介すると、今回テストしたのは店頭向けの最上位モデル(VPCEH19FJ/W)で、CPUがCore i5-2410M(2.3GHz/2.9GHz)、グラフィックス機能がCPU内蔵のIntel HD Graphics 3000、メモリが4Gバイト(2Gバイト×2)、HDDが640Gバイト(5400rpm)、OSが64ビット版Windows 7 HomePremium(SP1)というスペックだ。

Windowsエクスペリエンスインデックスのスコア

 Windowsエクスペリエンスインデックスのスコアは右の画面の通り。CPU内蔵グラフィックスコアを利用しているため、グラフィックスのサブスコアがほかより低い4.7だが、メモリの7.2、プロセッサの6.9など、全体的に高い基本性能を備えていることが分かる。

 FuturemarkのPCMark 7は、OS標準機能を中心に実際のアプリケーションを使って処理を実行し、さまざまな角度からシステム全体のパフォーマンスを測定するベンチマークテストプログラムだ。

 標準的なPCの利用法を想定した「PCMark」、小型ノートPCなど向けに比較的ライトな処理を集めた「Lightweight」、動画変換やゲームなどの処理性能を計測することを目的とした「Entertainement」、写真編集やビデオ編集などクリエイティブ用途向けの性能を測定する「Creativity」、ビジネス用途でのアプリケーション処理をシミュレートする「Productivity」、写真操作や動画変換からCPU/GPU性能を見る「Computation」、ストレージ性能を計測する「Storage」といった項目がある。

 PCMarkのスコアはCore i7-2600K(3.4GHz/最大3.8GHz)とSSDを搭載した最新のデスクトップPCでも4500前後というのが相場で、ストレージ性能に左右される傾向もある。新しいテストプログラムなので、まだピンと来ないと思われるが、以前の製品との比較として、PCMark Vantageの総合スコアも掲載している。同じCPUを搭載したVAIO C(VPCCB19FJ/D、GPUはRadeon HD 6470M/512Mバイト)に近いスコアが出ており、A4サイズのノートPCとして十分な性能を持っている。

 3D描画性能を計測するベンチマークテストとしてはDirectX 10世代の技術を使ったテストである3DMark Vantageのほか、比較的描画負荷が低いゲーム系テストの代表として、モンスターハンターフロンティア ベンチマーク【絆】とストリートファイターIVベンチマークを実行している。Intel HD Graphics 3000はCPU内蔵GPUコアとしては性能がよいほうではあるが、ストリートファイターIVくらいなら画質を落とせばプレイできるといった程度のスコアである。

PCMark 7のスコア(グラフ=左)、PCMark Vantage x64(1024×768)のスコア(グラフ=中央)、3DMark Vantageのスコア(グラフ=右)

そのほかのゲーム系ベンチマークテスト結果
ゲームタイトル テスト設定 スコア
ストリートファイターIVベンチマーク 解像度:1280×720ドット、画面表示:フルスクリーン、アンチエイリアス:NONE、垂直同期:オフ、モデルの品質:高、背景の品質:高、ソフトシャドウの品質:低、セルフシャドウの品質:低、モーションブラーの品質:低、パーティクルの品質:中、エクストラタッチ:オフ、音量:ミュート 30.15fps(ランクD)
モンスターハンターフロンティア ベンチマーク【絆】 解像度:1280×720ドット、画面表示:フルスクリーン 1599


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