Twitterやmixiも安全に利用できる「ウイルスバスター2012 クラウド」製品発表会リポート

» 2011年08月25日 23時13分 公開
[ITmedia]
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マルチデバイス時代の保護を実現する新ラインアップ

トレンドマイクロ取締約エグゼクティブバイスプレジデント日本地域担当の大三川彰彦氏

 トレンドマイクロは8月25日、セキュリティソフトの最新版「ウイルスバスター2012 クラウド」および、「ウイルスバスター モバイル for Android」を発表、同日より先行オンライン販売を開始した。パッケージ版の価格は、ウイルスバスター2012 クラウド 1年版が5980円、ウイルスバスター モバイル for Androidが2980円。また、両製品をセットにしたパッケージが7980円で販売される(いずれもトレンドマイクロ・オンラインショップ価格)。なお、量販店向けパッケージは9月2日に発売される予定だ。

 最新版のウイルスバスター2012 クラウドでは、2011年版で実装されたクラウド技術をさらに強化し、TwitterやfacebookなどのSNSサービス上に投稿されたURLの安全度判定を行う「SNSプロティション」を追加したのが特徴。一方、2011年5月よりβ版の無料配布を行っていたウイルスバスター モバイル for Androidは、今回発表された正式リリース版で、端末の盗難・紛失対策機能が盛り込まれ、不正アプリ対策機能が強化されている。

 製品発表会の冒頭に登壇したトレンドマイクロの大三川彰彦氏は、インターネットの利用人口や利用形態、ソーシャルメディアの普及、Androidデバイスに対する脅威の増加など、インターネットを取り巻く環境の変化を挙げて、「現在のセキュリティでは、外からの攻撃に対する防御とともに、内から外へ流出するデータ保護の対策が求められている」と述べ、2方向の対策が必要だと指摘。クラウドベースの技術(スマートプロテクションネットワーク)でリアルタイムの安全性を確保すると同時に、携帯端末の紛失や盗難に伴う情報流出などに対応するデータ保護の重要性を訴えた。

国内インターネット人口とサイバー犯罪の推移(平成22年情報通信白書)。これによればインターネット利用人口は10年で2倍に、モバイル端末からの利用は3倍に増え、PCとモバイル端末を併用しているユーザーが69%を占める。マルチデバイスの所有が一般的になっている状況が見て取れる(画面=左)。TwitterやFacebook、mixiなどのSNSサービスがコミュニケーションツールとして広く利用されている(写真=中央)。トレンドマイクロが目指すクラウドセキュリティの4つの柱。データセンター(クラウドインフラ)に対しては通信事業者との協業によって、データストレージ(クラウドデータ)はオンラインストレージ「SafeSync」で、モバイル&エンドポイント(クラウドデバイス)の保護には「ウイルスバスター モバイル for Android」で、SNS・Webサービス(クラウドアプリ)の保護には、「ウイルスバスター2012 クラウド」で追加した「SNSプロテクション」で応えていく(写真=左)

SNSプロテクション機能を備えたウイルスバスター最新版

トレンドマイクロマーケティング本部の吉井直子氏

 一方、ウイルスバスター2012 クラウドとウイルスバスター モバイル for Androidの具体的な機能については、マーケティング本部のコンシューマー&SBマーケティンググループの吉井直子氏がデモを交えながら説明した。

 ウイルスバスターは、昨年の2011年版で大きくアーキテクチャを変更し、クラウド技術をベースとしたレピュテーション機能により、リアルタイムの保護を提供すると同時に、システムに対する負荷を軽減しているのが最大の特徴だが、2012年版ではそれらの機能がさらにブラッシュアップされている。また、不正変更の監視機能が強化され、(不正な挙動で検出した)該当ファイルの侵入経路を特定して、経路上のWebサイトをブロックするとともに、どの経路で侵入したのかグラフィカルなリポートで把握できるようになった。

 目玉機能として「SNSプロテクション」を追加しているのもポイントだ。これまでにもWebメールやIM上のURLに対する安全性判定を行う機能はあったが、これを拡張してTwitterやFacebook、mixiなどのSNSサービスにも対応した(ただし、これはWebブラウザのプラグインとして提供される)。また、2011年版と比較してパフォーマンスも向上した。同社によればフルスキャン速度が48%、メモリ使用量も42%削減したという。

SNSプロテクションのデモ。安全なURLは緑、不正の疑いがあるURLは黄色、既知の危険なURLは赤色で表示される。危険なURLは仮にクリックしてもアクセスが遮断されるようになっている。(写真=左/中央)。軽快さも向上した。他社競合製品と比べても優位としている(写真=右)

Android端末向けの「モバイル for Android」

 一方のウイルスバスター モバイル for Androidは、Android 2.2/2.3および3.0/3.1に対応するAndroid端末向けセキュリティソフトだ。同製品は5月からのβ配布ですでに20万人が利用しているが、今回登場した正式版では端末の盗難・紛失対策機能が加わっている。例えば、端末をどこかに置き忘れた場合に、Webブラウザの管理画面からGPS機能を利用して端末の場所を特定し、Googleマップ上に位置を表示したり、端末のロックや情報の消去をリモートで実行できる。また、Android OS向けのマルウェア対策機能として、これまでapkファイルのみを対象にスキャンを行っていたが、すべてのファイルが検索対象になった。

 なお、スキャンは手動のほか、リアルタイム検索も可能となっているが、ダウンロード時や実行時の常駐監視ではなく、インストール直後の検出となるため、マルウェアの種類(rootを奪取して一般アプリでは書き換え不能領域にバックドアを仕掛けるなど)によっては防げない可能性もある。不正なアプリの配布元を遮断するWebレピュテーション機能などもあるが、場合によっては都度apkファイルの手動スキャンが必要になりそうだ。

端末の紛失を想定したデモ。Webブラウザの画面で「捜索」をクリックすると、GPS情報からGoogleマップ上に端末の位置が示される(写真=左)。捜索アラームはマナーモード時でも強制的に音を鳴らす機能だ。部屋の中のどこに置いたか分からなくなった、といったときにも利用できそう(写真=中央)。ロック機能はその名の通り、リモートで端末をロックして利用できないようにする機能だ。あらかじめ設定したパスワードか、ワンタイムパスワードを入力するまで使えなくなる(写真=右)

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