「そろそろ底が張られるかも」――DDR3メモリ8Gキットが限定で2500円切り古田雄介のアキバPickUp(1/4 ページ)

» 2011年08月29日 09時15分 公開
[古田雄介(ぜせ)&ITmediaアキバ取材班,ITmedia]
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「高付加価値を狙っても6000円。すごい時代ですよ」――DDR3メモリ事情

パソコンハウス東映の週末限定特価

 ここ数カ月のPCパーツで、もっとも値下がりが顕著なのはDDR3メモリだ。特にDDR3-1333とDDR3-1066の4Gバイト×2枚キット(8Gバイトキット)の容量単価が低く、複数のショップで3000円以下のキットがみつかる状態となっている。特価品では、パソコンハウス東映がWinchip製の8Gバイトキットを土日限定で各日10本のみ2480円で販売していた。同店は「半年前なら安くても6000円程度だったので、本当にすごいことになっています。1Mバイトあたり3.3円ですからね」と語る。

 長期的な値下がり傾向には複数の要因があるとささやかれているが、なかでも目立つ説は供給の過剰と円高の影響だ。某ショップは「昨年から1枚4Gバイトのメモリが大量に生産されて安くなっていましたが、2月に起きたSandy Bridge対応チップセットの不具合でPCメーカーの生産計画が狂ったことで、一時的に買い手のつかないDDR3メモリが大量に発生し、そのときの値崩れが低価格化に拍車をかけたようです。そこから価格を戻す動きもないまま円高傾向が続いて、現在のような価格になったと思います」と分析している。

 ただし、そろそろ底値となって価格が少し持ち直すというウワサもある。あるベテラン店員氏は「円高があまりに長く続いているので、内部で価格を調整しきれないというメーカーも出てきたようです。このまま売値が下がり続けるようなら、そう遠くない時期に何かしらの方法で値上がりする動きが出る可能性は高いと感じます。少なくとも、8Gバイトキットが2000円を切るという状況にはならないんじゃないかと踏んでいます」と話していた。

 とはいえ、ここまで値下がりすると、最安クラスではなく、付加価値のついたメモリを買い求めるユーザーも増えてくるようだ。先週末はPC DIY SHOP FreeTが、Hynixチップを使ったセンチュリーマイクロのDDR3-1333 8Gバイトキットを5980円で限定販売しており、好評を博していた。

 同店は「高品質なセンチュリーマイクロ製品でも6000円を切るということで、かなりお買い得ですからね。実際、『ここまでDDR3メモリが安いなら、ちょっといいものを選ぼうかな』という人も少なくないと思います。そのあたりは電源ユニットの売れ方と似ているかもしれません」と語る。

 そのほか、先週登場したコルセアのDDR3-1333メモリ8Gバイトキット「VENGERNCE LP CML8GX3M2A1600C9W」のように、1.35ボルトの低電圧で動作するLPタイプも出回るようになっており、今後のトレンド候補として期待されている。価格は7000円弱だ。

 パソコンハウス東映は「LPはノート用メモリから流行ると思うので、デスクトップ向けで一般化するのはまだ先でしょう。こういう新たな価値のついたメモリが安定して売れるようになるのを気長に待ちますよ」と話していた。

PC DIY SHOP FreeTで売られてたセンチュリーマイクロの30周年記念モデル(写真=左)。コルセア「VENGERNCE LP CML8GX3M2A1600C9W」(写真=中央/右)

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