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» 2011年09月07日 08時00分 UPDATE

5分で分かった気になるアキバ事情:安く広くに突き進んだ8月のアキバ (1/2)

夏休みシーズンの特価キャンペーンだけでなく、OSからメモリまでさまざまなパーツが値下がりをみせた8月。その一方でニッチな需要を満たす新製品も多かった。

[古田雄介(ぜせ),ITmedia]

「Windows Home server 2011」とDDR3メモリの値下がりが話題に

og_akibam_001.jpg 8月初旬に登場した、ASRockのZ68マザー「Z68 Extreme4 Gen3」。2万円前後ながら、いきなり3000円引きの値札が張られていた

 8月は夏休みシーズンということもあり、メーカーによる期間限定の値下げキャンペーンがいくつも実施された。特に最大5〜6000円程度の大幅値下げに踏み込んだASUSTeKは、複数のショップで大きく売り上げを伸ばしたという。

 そうした期間限定のプライスダウンとは別に、大幅に安くなったパーツも少なくない1カ月だった。8月初旬に話題を集めたのは、DSP版「Windows Home Server 2011」の価格改定だ。USB 2.0カードなどとのセットで1万2000円前後だったところが、一気に7000円前後までダウン。家庭用ホームサーバ向けOSということで当初限定的だった注目度は、お盆に向かって広がっていった。

 PC DIY SHOP FreeTは「これだけ安いと、Windows 7の代わりに試してみようという人も出てきますね。PCとしては、サブマシンとしてメールやネットを中心に使いつつ、裏ではデータのバックアップやネットワークサーバとして役立てる、といったスタイルも余裕でできるので、これはかなりお得だと思いますよ」とプッシュしていた。

 また、円高の影響もあり、DDR3-1066やDDR3-1333などの主力メモリの値下がりもハイペースで進行している。8月初旬から、各ショップで売られる4Gバイト×2枚の8Gバイトキットが3000円を切るようになり、月末ごろには週末限定で2500円以下のモデルも見られるようになった。Winchip製の8Gバイトキットを限定価格2480円で販売したパソコンハウス東映は「半年前は安くても6000円はしましたから、本当にすごいペースで値下がりしていますね」と語る。

 この現状について、仕入れ担当のあるベテラン店員氏は「DDR3メモリは今の傾向が長引けばメーカー側の調整が入るでしょうから、このあたりが底値になると思います。それでも数カ月前の価格に戻ることはないでしょう。これだけ安いと、OS込みで5万円以下のマシンが相当ハイスペックに組めるので、昔ながらの『自作PCは安い』を地でいくようになるかもしれません」と話していた。

og_akibam_002.jpgog_akibam_003.jpgog_akibam_004.jpg 価格改定されたDSP版のWindows Home Servser 2011(写真=左)。パソコンハウス東映の限定特価POP(写真=中央)。8月中旬に撮影したフェイス秋葉原本店のDDR2メモリ価格表。こちらも安くなっている(写真=右)

本気のファンレスキットとマルチディスプレイ向けの強力カード

 値下がりの激しいアイテムが注目を集める一方で、8月はニッチなジャンルで熱烈に支持されるコアな新製品も多かった。8月初めには、Nofanのファンレス自作セット「A40」と「A43」が複数のショップのPCケースコーナーで目立っていた。ともにファンレスのATX電源と直径222ミリの巨大なファンレスCPUクーラーを搭載したPCケースで、A40はATX対応、A43はMicro ATX対応となる。A40は3万6000円前後、A43は4万円前後だ。

 どちらもTDP 100ワット以下のCPUがファンレスで使えるとあって、ハイスペックなオーディオPCなどを組むユーザーの関心を集めているようだ。デモを実施していたTSUKUMO eX.は「可動部がないから当たり前なんですけど、振動もないので駆動しているか不安になるほどです」と話していた。

og_akibam_005.jpgog_akibam_006.jpg Nofan「A40」(写真=左)。TSUKUMO eX.でデモ稼働中の「A43」(写真=右)

 マルチディスプレイを構築したい人に話題なのは、月後半に登場した玄人志向のグラフィックスカード「GF-QUAD-DISP/4DVI」だ。GeForce 210を採用したファンレスカードで、映像出力を分岐するコントローラーチップ「IDT VMM1402」により、1枚で4系統のDVI出力を実現しているのが特徴。IDT VMM1402により2枚のディスプレイで1画面を形成するため、フルHD液晶を4枚つないだ場合は3840×1080(または1200)ドットの画面が2枚認識される。価格は1万3000円弱。

 これまで、コンシューマー向けのグラフィックスカードで4画面以上を構成できる製品は、SapphireのRadeon HD 5670カード「11168-29-20G」(1万2000円前後)や、ZOTACのGeForce GTX 460カード「ZT-40407-10P」(2万8000円前後)など、DisplayPort出力を組み込んだものがほとんどだった。GF-QUAD-DISP/4DVIは普及しているDVI出力のみで4画面構成が可能な点が支持を集めている。

 ソフマップ秋葉原本館は「DisplayPort対応のディスプレイはまだほとんどないので、専用アダプタを仲介させないと活用しきれない難点があるんですよね。その点、GF-QUAD-DISP/4DVIなら何も足さずに使えるので、描画性能はそこそこで画面を増やしたいという人にはかなり魅力的な選択肢になると思います」とプッシュしていた。

og_akibam_007.jpgog_akibam_008.jpg 玄人志向「GF-QUAD-DISP/4DVI」

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