NVIDIA、次世代Tegra「Kal-El」の構成と性能を公開「1+4」コアって、なにそれ?(2/2 ページ)

» 2011年09月21日 15時00分 公開
[長浜和也,ITmedia]
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同じ性能を3分の1の消費電力で実現

 NVIDIAの資料では、Kal-Elを搭載したシステムで測定したベンチマークテストの結果も公開している。導入したvSMPによる消費電力削減効果を示すためにデュアルコアのTegra 2と比較したデータでは、MP3再生、ゲームのそれぞれで14〜34%、専用エンジンを使うHD動画再生では61%の電力削減をKal-Elで実現している。

Kal-ElとTegra 2で比較した消費電力の相対比較。“最大”クアッドコアのKal-Elは、すべての条件において、デュアルコアのTegra 2を下回る。なお、グラフの下限値は20%になっていることに注意

 また、ベンチマークテスト「CoreMark」では、動作クロック1GHzのデュアルコア「OMAP4」「QC8660」の測定結果と消費電力測定値を比較している。そのデータでは、CoreMark測定値が等しい場合(スコアが5000台)でKal-Elの動作クロックは480MHzと半分程度、消費電力がOMAP4とQC8660の約3分の1にとどまる。一方、Kal-Elの動作クロックを1GHzに上げた条件では、CoreMarkのスコアが比較対象の2倍強に達しながら、消費電力は比較対象をやや下回るレベルに収まっている。

OMAP4とQC8660(ともに1GHz、デュアルコア)とKal-Elで、CoreMarkの測定値と消費電力の関係を比べる。グラフの横軸がCoreMarkの測定値で縦軸が消費電力だ。CoreMarkの測定値が同程度の場合、Kal-Elの消費電力は比較対象の3分の1程度で済み(写真=左)、Kal-Elの動作クロックを1GHzにすると、Coremarkのスコアは2倍強に達しながらも、消費電力はまだ下回る(写真=右)

「The Benefits of Quad Core CPUs in Mobile Devices」では、クアッドコアのKal-Elが発揮する性能を訴求するベンチマークテストの測定値を紹介している。CoreMarkの測定結果では、A5とTegra 2も加わったデュアルコアARMとの相対結果でKal-Elが約2倍のスコアを発揮することを示している(写真=左)。複数の画像を合成してパノラマ画像を生成する「Photaf 3D Panorama」では画像処理時間がTegra 2の半分で済む(写真=右)

「Linpack」を用いたマルチスレッドの処理性能測定では、Tegra 2の1.5倍のスコアを出すほか(写真=左)、ゲームタイトルを使ったベンチマークテストでも、Kal-ElのスコアはTegra 2の2〜2.5倍に達する(写真=右)

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