ソニーだから大画面ノートも“薄型軽量”で攻める――「VAIO S(SE)」徹底検証15.5型フルHDのIPS液晶が美しい(2/6 ページ)

» 2011年09月28日 12時15分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

大画面ノートでもバッテリーにはこだわり

バッテリーはパームレストの下に配置されており、ネジ止めされたカバーを外せば着脱できる。ACアダプタは大画面ノートの割に大きくない。急速充電にも対応している

 本体底部に内蔵するリチウムイオンバッテリーの容量は49ワットアワー(11.1ボルト 4400mAh)で、公称のバッテリー駆動時間は約6.5時間(ソニーストア直販のVAIOオーナーメードモデルは約6〜7.5時間)となっている。大画面のぶん、バッテリー容量が同じVAIO S(SA/SB)より駆動時間は少し短くなっているが、それでもこれだけの長時間駆動ができる15.5型クラスのノートPCというのは珍しいだろう。

 VAIO S(SA/SB)と同様、底面に追加で装着するシート型の拡張バッテリー(直販価格1万9800円)も用意されている。装着した状態では総重量が約2.605キロ、厚さが33.3ミリまで増えるが、フルフラットなスタイルは維持され、バッテリー駆動時間は約13.5時間(VAIOオーナーメードモデルは約12.5〜15時間)まで延びる。実際に拡張バッテリーを装着して総重量を実測したところ、約2.57キロと公称値より少し軽かった。

 放電は拡張バッテリーから、充電は標準バッテリーから行うように設定されており、拡張バッテリーは付属の(本体用の)ACアダプタに単体で接続して充電することもできる。このあたりの仕様はすべてVAIO S(SA/SB)と同じだ。

 ACアダプタもVAIO S(SA/SB)に付属していたものと同等品だ。実測でのサイズは42(幅)×122(奥行き)×30(高さ)ミリ、重量は約362グラムだった。A4ノートPCの中には低コスト化も考慮して、必要以上にACアダプタが大きく、たまに持ちだそうと思ったときに困ってしまうような製品もあるが、そういう心配はない。

VAIO S(SA/SB)と同様、底面に装着するシート型の拡張バッテリーも用意(写真=左)。拡張バッテリー装着時でもフルフラットなフォルムは維持される(写真=中央)。拡張バッテリーは付属のアダプタとPC本体のACアダプタを使ってバッテリー単体で充電が可能だ(写真=右)

通常電圧版Sandy Bridge+ハイブリッドグラフィックスを採用

 基本システムは13.3型モバイルノートのVAIO S(SA/SB)と同等で、CPUに通常電圧版の第2世代Core iシリーズ(開発コード名:Sandy Bridge)を搭載し、CPU内蔵グラフィックスとAMD製外部GPUのスイッチャブルグラフィックスシステムを採用する。もともとVAIO S(SA/SB)は、薄型軽量のモバイルノートPCとしてはトップクラスの性能を持っており、一般的なA4ノートPCと比べて見劣りはない。

 標準仕様モデルであるVPCSE19FJ/BのCPUは、Core i5-2430M(2.4GHz)を採用する。Hyper-Threadingに対応したデュアルコアCPUで4スレッドの同時実行が可能だ。また、Turbo Boost 2.0により、高負荷時には最大3.0GHzまで動作クロックが上昇する。

 ソニー直販サイトで購入できるVAIOオーナーメードモデルでは、より高性能なCore i7-2640M(2.8GHz/最大3.5GHz)、Core i5-2540M(2.5GHz/3.2GHz)のほか、Core i3-2330M(2.2GHz)も選べる。ただ、詳細は後述するが、Core i3を選ぶと最大メモリ容量やグラフィックスなどの選択肢が制限される点に注意したい。

CPU-Zの情報表示画面。CPUにはSandy Bridge(開発コード名)こと第2世代のCore iシリーズを採用。標準仕様モデルではCore i5-2430M(2.4GHz)を搭載する。デュアルコアCPUでHyper-Threadingに対応し、4スレッドの同時処理が可能だ。Turbo Boost 2.0もサポートし、高負荷時には自動的に最大3.0GHzまで動作クロックが上昇する

キーボード左奥のスライド式スイッチ「パフォーマンス・スイッチ」で2つのグラフィックスを手動で切り替えられる

 チップセットにはIntel HM65 Expressを搭載する。グラフィックス機能は、CPU内蔵のIntel HD Graphics 3000と、AMD Radeon HD 6470M(グラフィックスメモリ512Mバイト)の切り替え式だ。GPUの切り替えはVAIO SA/SBと同じく、キーボードの左奥に用意されたスライド式スイッチ「パフォーマンス・スイッチ」から手動で切り替える方式を採用している。

 スイッチには「SPEED」と「STAMINA」の2種類のモードが用意されており、これによりGPUと電源プランを同時に切り替える。具体的には、SPEEDモードにするとGPUがRadeon HD 6470Mになり、Windows 7の電源プランも「ハイパフォーマンス」に切り替わる。また、STAMINAモードではCPU内蔵のIntel HD Graphics 3000が使われ、電源プランも「バランス」に切り替わる仕組みだ。それぞれのモードに割り当てられた電源プランは変更可能で、一度変更すればそのまま各モードの設定として保持され、次回から反映される。

 なお、VAIOオーナーメードモデルは外部GPUとしてより高性能なRadeon HD 6630M(1Gバイト)を採用し、チップセットもIntel HM67 Expressに変更される。ただし、CPUにCore i3を選んだ場合はこれを搭載することができず、Intel HM65 ExpressチップセットとRadeon HD 6470M(512Mバイト)の組み合わせになる。

GPU-Zの情報表示画面(画面=左)。SPEEDモードでは外部GPUのRadeon HD 6470M(512バイト)がグラフィックスを担当し、電源プランも「高パフォーマンス」に切り替わる。DirectX 11に対応し、160基のユニファイドシェーダを装備するミドルレンジクラスのGPUだ。HD動画再生支援機能のUVD3も搭載する。キーボード奥のスライド式スイッチを操作すると、一瞬画面がブラックアウトした後、GPUと電源プランが同時に切り替わり、切り替え直後にこのような通知が表示される(画面=右)。この通知はタスクバーに常駐している矢印アイコン(2本の矢印が左上/右下に向いているデザイン)をポイントすれば、いつでも確認できる

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