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» 2011年09月28日 23時53分 UPDATE

Amazon、切り札は199ドルの7インチタブレット「Kindle Fire」

Amazon.comは、長らくそのリリースがうわさされてきたタブレット「Kindle Fire」をついに発表した。価格は199ドル。さらに、タッチパネルを搭載した「Kindle Touch」を99ドルから、Kindleの最新世代モデルを79ドルで販売する。

[西尾泰三,ITmedia]
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 米Amazon.comは9月28日(現地時間)、長らくそのリリースがうわさされてきたタブレット「Kindle Fire」をついに発表した。価格は199ドルで、11月15日から出荷される。日本での発売は不明。

 合わせて99ドルの最新E Inkタッチパネルディスプレイ搭載「Kindle Touch」と、その3Gモデルである「Kindle Touch 3G」(149ドル)も発表(出荷は11月21日)。さらに、第4世代Kindleが79ドル(非広告付きモデルは109ドル)で販売される。

編注:初出時、非タッチの従来モデル(Kindle Keyboard)が79ドルと表現しましたが、正しくは、Kindleの第4世代モデルが79ドルで、Kindle Keyboardは99ドルの別ラインです。おわびして修正します。

発表まとめ

  • 7型タブレット「Kindle Fire」は199ドル
  • タッチ操作が可能なKindle Touchは99ドル・149ドル(100カ国で無料の3Gモデル)
  • Kindleを軽量・高速化した第4世代モデルは79ドルから

 Kindle Fireは7インチ(1024×600ドット)のタブレットで重さは413グラム。設計と製造を台湾のQuanta Computerにアウトソースしているためか、BlackBerryの「PlayBook」を薄く・軽くしたような外観となっている。

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 しかし、作り込みの部分では両製品は大きく異なる。Kindle FireではOSであるAndroidにAmazon自身がチューニングを加え、一般的なAndroidタブレットと比べても動作は軽快のようだ。Webブラウザでの読み込みなども、「Amazon Silk」と呼ばれるAmazon EC2を使った高速化が図られているという。バッテリーの駆動時間は読書時で8時間。

 最近の標準的なAndroidタブレットが搭載しているような外部スロットのたぐいは存在しない。しかし、iPadのように内蔵メモリの違いでバリエーションがあるわけでもなく、内蔵メモリ8Gバイト(ユーザー領域が6Gバイト)のWi-Fiモデルのみとなる。基本的には、内蔵メモリで足りないものはクラウドで、というコンセプトで、端末からコンテンツを削除しても、購買履歴からいつでも再ダウンロードできるようになっている。

Kindle FireはiPadキラーか?

 ハードウェア的な側面から言えば、iPadに備わっていてKindle Fireに備わっていないものは幾つかある。カメラがその代表例で、GPSなども搭載されていない。しかし、事前のどのうわさでも予想されなかった199ドルという価格でそうした声をかき消そうとしている。iPadのローエンドモデルでも499ドルであることを考えればこの価格は圧倒的だが、同社はKindleの発表時と同様、競合より安く端末を販売し、長期的な売り上げを得るというビジネスプラクティスに今回も固執したようだ。ちなみに、Amazonはこの製品を第3四半期中に100万台販売するつもりでいる。

 さらに、独自のコンテンツ供給チャネルを所有しているAmazonはサービスも含めた端末の完成度が高く評価されるかもしれない。例えば、Cloud Music Locker、Textbook Rental System、Cloud Reader、Music Store、Audio books、そしてKindle eBook Libraryなど、タブレットの利用用途の大半をカバーするかのようなサービスがKindle Fireで利用可能だ。さらに、必要であればAndroid App Storeでアプリをインストールすることもできる。日本ではいまだ日の目を見ない電子書籍の“貸し借り”なども、すでにAmazonは提供しているだけに、強力なソーシャルツールとして発展していく可能性がある。

 Amazonと電子書籍市場で競合するBarnes & Nobleも負けじと新たなカードを切ろうとしている。それが電子書籍リーダー端末の「NOOK」新モデルだ。

 事前のうわさでは、それは「NOOK Encore」と「NOOK Acclaim」というモデルで、前者が恐らく7インチ、後者が10インチとされている。価格はそれぞれ249ドルと349ドルだが、さらに別のモデルをエントリーモデルとして用意しているとも伝えられている。

 Androidタブレットは2010年辺りから各社がリリースしているが、いまだAppleのiPadに勝るような機種は登場していない。ハードウェアのスペックはさほど問題ではなく、その上で利用できるサービスまで含めた完成度でAppleが優れていたのだといえるが、「顧客へ必要なものを、安く、早く提供する」と掲げるAmazonが、今後Androidタブレットの旗手として猛追を見せるかもしれない。Kindle Fireを求める動機はさまざまだろうが、Kindle Fireを手にすることで、Amazonが持つポテンシャルを改めて感じることになるだろう。日本での発売も期待したいところだ。

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