ニュース
» 2011年10月18日 15時30分 UPDATE

Logitech創立30周年:「ライフスタイルをよりパーソナルに」――“Logitechの父”が語る未来 (1/2)

2011年10月に創立30周年を迎えたLogitechがプレスカンファレンスを実施。Logitech International S.A.創業メンバーの1人であるダニエル・ボレル氏が来日し、30年の歩みを振り返るとともに、未来の展望を語った。

[ITmedia]

Applesの牧場で始まったLogitech

og_logi_001.jpg Logitech International S.A.創立メンバーのダニエル・ボレル(Daniel Borel)氏と、日本法人ロジクール代表の竹田芳浩氏

 Logitechは10月17日、創立30周年を記念してプレスカンファレンスを開催した。Logitech International S.A.が設立されたのは1981年10月2日。同年に光学式マウスを発売して以降、同社はキーボードやWebカメラ、ヘッドセット、イヤフォン、ゲームコントローラと、多岐に渡る製品を発売してきた。2008年にはマウスの累計出荷台数が10億台に達するなど、世界50カ国以上で展開する大手周辺機器メーカーとしての地位を不動のものにしている。

 同イベントには“Logitechの父”(本人的にはLogitechの祖父)こと、同社創立メンバーのダニエル・ボレル(Daniel Borel)氏が登壇。スイスにある人口800人ほどの小さな村、Apples(アプレ)の牧場でスタートを切った同社が、さまざまな危機を乗り越えながら成長してきた30年の歴史を振り返った(ちなみに“Apples村を代表する会社”だったLogitechは、1987年に米Apple Computer(現Apple)のマウスをOEM供給している)。

og_logi_002.jpgog_logi_003.jpgog_logi_004.jpg LogitechはスイスにあるApplesという村で始まった。「カルフォルニアなら通常“ガレージ”だが、スイスバージョンではミルクが取れる牧場なんだ」とボレル氏(写真=左)。日本企業との関わりも深い。設立当初ソフトウェア企業としてスタートしたLogitech(Logiはソフトウェアの意)は、まだMachintoshもGUIもない時代からリコーとビジネスをしている。その後、サプライヤのオムロンをはじめ、東芝、日立、富士通、ソニーといった大手メーカーとも協業。ボレル氏は「日本の企業から多くのことを学んだ」と振り返る(写真=中央)。Logitechは、9000人以上の従業員を抱え、50カ国で展開し、1年に2億台以上の製品を出荷する巨大な周辺機器メーカーとして成長した。なお、最初の大きなOEM供給は1983年に契約したHPで、当時年間5万台のマウスを製造していたが、今では年間1億台のマウスを製造している(写真=右)

 ボレル氏は「この30年間を振り返って、我々は常に、人とテクノロジーの間にあるインタフェースに注力してきた。人がやろうとしていることと、テクノロジーのギャップを埋めること。さらに、この部分はコードレスに、この部分は色を変えたい、あるいはジョイスティックを使いたい、といったように、パーソナルコンピューターをよりパーソナルに変革してきたからこそ、ここまで生き残ってこられたのだと思う」と語る。

og_logi_005.jpgog_logi_006.jpgog_logi_007.jpg 1961年にマウスを発明したダグラス・エンゲルバート氏はLogitechに在籍していたこともあるという。写真は当時エンゲルバート氏の壁に掛かっていたイラスト(写真=左)。エンゲルバート氏が開発したマウスのプロトタイプ。ちなみにこれはレプリカ(写真=中央)。会場には懐かしいマウスが展示されていた(写真=右)

 その一方で、「私たちの世界には前提として常に変化が存在する」とも述べ、ニーズに対応する柔軟性が必要であることも強調した。「今日のグローバルな世界ではそのスピードがより速くなった。例えば、ラジオが発明されてユーザーが5000万人に達するまでには38年かかった。テレビは13年。iPodは3年。そしてiPadは1年半。一方、Google+はわずか3カ月だ」とボレル氏。

 また、かつて日本企業が大きな位置を占めていたコンシューマーエレクトロニクスの分野では、その後ソフトウェアやインターネットと融合したiPodやiPhone、iPadを作り出したAppleが市場を席巻していった例を挙げて、「2011年以降、世界はインターネット、クラウドに移行している」と続け、「これまで(Logitechが)コンピューターをよりパーソナルにしてきたように、これからはデジタルワールドを、毎日のライフスタイルをパーソナルにしていく。その中でテレビはまだどこもタッチしていない領域だ。今後はテレビを使ったビデオコミュニケーションをもっとソーシャルなものに変えていく」と述べ、大画面テレビを通じたリビングルームソリューションなど、同社が今後注力していく新しい方向性を示した。

og_logi_008.jpgog_logi_009.jpgog_logi_010.jpg パナソニックのビエラと連携する「ビエラ・コネクト」機能を備えた「ロジクールTVカム for Skype」。接続するだけでリビングの大画面テレビがビデオ通話機器になる。カールツァイス製の広角レンズ(左右78度)とステレオマイクを内蔵し、リビングルームにいる多人数とビデオ通話ができる。今後はレグザやブラビアといった他メーカーとの連携も進めていくという

 この業界において生き残るために最良の方法はイノベーション――そう語るボレル氏は、「30年前、ピエルルイジとジャコモ・マリーニの3人で会社を立ち上げた当時、私たちはみな若く、ハンサムだった。今はもう若いとはいえないが、それでも未来は私たちの前に広がっていると思う」と語り、Logitechが常に未来へ向けて革新を求める企業であることをアピールした。

       1|2 次のページへ

Copyright© 2017 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

この記事が気に入ったら
ITmedia PC USER に「いいね!」しよう