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» 2011年10月19日 15時30分 UPDATE

知って得する「ビジネスプリンタ」ワード:「エコ設定」――紙もインクも節約しながら賢く印刷すべし

前回はプリンタ本体の省エネ性能を示す「TEC値」に注目したが、今回はプリンタを活用するうえで覚えておきたい基本的な「エコ設定」をチェックしていこう。

[小川夏樹,ITmedia]

→特集:2011年秋冬のビジネスプリンタ

→前回記事:「TEC値」――やっぱり“省電力”は外せない

プリンタ/複合機をエコに配慮して活用するには?

 最新のプリンタや複合機は省エネ性能が高い製品が多く、買い替えるだけでオフィスの消費電力が下がる場合も少なくないが、普段の使い方を工夫すれば、より環境負荷の低減に配慮した運用が可能だ。多少古いモデルであっても、ユーザーが簡単な設定を心がけるだけで、プリンタ/複合機のエコ運用に貢献できる。

 というわけで、今回はプリンタ/複合機をもっとエコ志向で運用するために、どのような使い方をすればいいのか、基本的なプリント/コピー機能をピックアップしてみた。

エコに配慮したプリント/コピー機能の代表例

(1)トナーセーブ/インク節約

(2)両面印刷

(3)縮小/割り付け印刷


(1)トナーセーブ/インク節約

 「トナーセーブ/インク節約」とは、レーザー/LED方式のプリンタならトナーを節約、インクジェット方式のプリンタならインクを節約して印刷する機能だ。当然、印刷は薄くなるため、顧客用の資料や品質重視の出力には使えないが、個人用や社内で配布する印刷物などでは積極的に活用したい。

 昔は試し刷り用のドラフトモードといった意味合いも強かったが、昨今はトナーセーブの濃度を段階的に選べたり、黒文字の部分を濃く、図版部分は薄くして文章の可読性を高めるなど、高度な節約機能を持つ製品も増えつつある。こうした製品を選べば、状況に応じて十分な印刷品質を保ちつつ、ランニングコストや環境負荷の低減も同時に行えるだろう。

tm_1110_eco_01.jpgtm_1110_eco_02.jpgtm_1110_eco_03.jpg トナーセーブモードの印刷イメージ。左から「オフ」「やや薄い」「薄い」の設定で、全体的に印刷が薄くなるものの、内容は判別できる

(2)両面印刷

 「両面印刷」とは文字通り、用紙の表と裏に印刷することで、紙の消費を半分に抑える機能だ。プリンタや複合機では古くからある機能で、最近は低価格帯の製品でも標準搭載する例が増えつつある。片面印刷を1000枚していたのが、両面印刷なら500枚ですむことを考えると、いかに効果的か分かるだろう。

 両面印刷を多用する場合、片面印刷だけでなく、両面印刷の速度も考慮して製品を選ぶとよいだろう(片面印刷の速度に比べて、両面印刷の速度が大きく低下する製品もある)。また、両面コピーを頻繁に使うならば、ADFが自動両面読み取りに対応した製品を選ぶとよいだろう。

 なお、インクジェット方式のプリンタ(特に染料インク採用機)は、レーザー/LED方式のプリンタと比較して、紙にインクが浸透しやすいため、普通紙の両面に写真や図版を印刷すると、紙がたわむこともあるので注意したい。

tm_1110_eco_04.jpgtm_1110_eco_05.jpg 実売価格10万円以下のクラスで両面読み取りに対応したADFを備えたA4カラーレーザー/LED複合機はそう多くない。キヤノンのA4カラーレーザー複合機「Satera MF8380Cdw」(写真=左)や、OKIデータのA4カラーLED複合機「COREFIDO MC561dn」(写真=右)は、この条件に合致したモデルだ

(3)縮小/割り付け印刷

 「縮小/割り付け印刷」とは、普通に印刷すると1ページでA4用紙を1枚使うようなデータを縮小することで、1枚に数ページぶんの印刷を行う機能だ。用紙の節約はもちろん、トナーやインクの消費量を抑えることにも貢献する。

 割り付け印刷機能は「2 in 1」や「4 in 1」のように表記されることが多く、前者は2ページぶんのデータを1ページに割り付けて、後者は4ページぶんのデータを1ページに割り付けて印刷できる。両面印刷と併用すれば、用紙の使用量をさらに減らせる。

tm_1110_eco_06.jpgtm_1110_eco_07.jpg キヤノンのA4カラーレーザー複合機「Satera MF8300」シリーズのプリンタドライバには、ページレイアウト機能として「2 in 1」から「16 in 1」まで幅広い割り付け印刷の設定がある(画面=左)。MFC-J6710CDWのプリンタドライバでは、割り付け印刷機能として「用紙を節約して印刷」の設定が選べる(写真=右)


 こうした機能は、プリンタドライバや本体の液晶メニューから、明示的に設定しないと使えないことが多い。オフィス全体でエコに配慮した運用ができるかどうかは、すべてのユーザーに普段からエコ印刷機能を活用してもらえるよう、その重要性や使い方を周知させることが課題になるだろう。

tm_1110_eco_08.jpg 富士ゼロックスのA3カラーレーザープリンタ「DocuPrint C3350」には、両面印刷や割り付け印刷、トナーセーブモードなどを組み合わせると、環境にやさしいプリントができた目安として、表示されるリーフの数が増える機能がある。ユーザー側にさりげなくプリンタのエコ運用を促すための工夫だ

印刷自体を減らす工夫も効果的

 エコに配慮した複合機の運用としては、スキャナによる紙文書の電子化を進める方法もある。わざわざ紙で配布する必要がないデータについては、コピーの代わりにスキャンしてPDFファイルや画像ファイルにしておけば、情報の管理や再利用も容易だ。特にPDFファイルなら、OCRを使ってキーワード検索可能なデータに変換できる。

 さらに、スキャンしたデータをUSBストレージやメモリカード、あるいはネットワーク上の共有フォルダに送信したり、受信したFAXをPDFファイルでメールに添付して送信したり、といった高度な機能を備えた複合機を導入すれば、紙やインクを節約しつつ、紙文書の電子化も進み、業務効率のアップにもつながるだろう。

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