海外プリペイドSIM+無線LANルータ導入マニュアル──「クアラルンプール」編「確かに安いけど、これも旅情」な海外定額データ通信(2/3 ページ)

» 2011年10月21日 17時00分 公開
[山根康宏,ITmedia]
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KLセントラル駅でモデムセットを購入

 クアラルンプール国際空港に着いた大手航空会社のメインターミナルには、イミグレーションに向かう手前に「Maxis」と「DiGi」の小さなカウンターが設置されている。このほか、荷物受け取りロビーに出ると「Celcom」の店舗が設置されていた。ひとまず到着したら、空港内でプリペイドSIMカードやモデムセットを購入してしまうのが楽な方法の1つだろう。

photophoto KLセントラル駅のメインコンコースにDiGiとMaxisの店舗が並んでいた(写真=左)。Plaza Low Yatへ行ってみるいいだろう。こちらはPlaza Low YatにあったCelcomの店舗(写真=右)

 空港から市内へは、メインターミナルであれば空港鉄道を、LCCターミナルからはAirAsiaなどが運行する連絡バスを使い、KLセントラル駅まで行くのが一般的だ。このKLセントラル駅構内にもMaxis、DiGi、Celcomの店舗が設置されており、こちらで購入してもよい。また、繁華街の一つブキット・ビンタン街にある大型IT商業ビル「Plaza Low Yat」にも各社の店舗やSIMカード販売店が入っている。現地ならではの雰囲気も味わいたいならこちらの方法もアリだ。

 今回はこのKLセントラル駅にあるMaxisとDiGiの店舗でUSBモデム+データ専用プリペイドSIMカードのセットを購入した。USBモデムは不要なら、データ専用SIMカードだけを購入することもできる。

 どちらもSIMカードを入れ、PCにUSB接続するとドライバや接続ソフトウェアがインストールされる、いわゆる“ゼロインストール”に対応していた。このあたりは各国のUSBモデムセットの動きと同様、他国のものがどんな感じかは「海外プリペイドSIM導入マニュアル バックナンバー」を参照いただければ幸いだ。

photophoto Plaza Low Yat内にはSIMカード“専門店”もある(写真=左)。今回購入した購入したDiGiとMaxisのモデムセット(写真=右)

 まずはDiGi製品を試そう。価格は178リンギット(約4400円、取材当時の日本円換算。以下同)で、5日間の定額利用が可能なプリペイドSIMカードとHuawei製USBモデム「E153」がセットになっていた。接続ソフトの「Connect」ボタンを押せば利用開始となり、そこから連続した5日間使用できる。

photophotophoto DiGiのパッケージにはUSBモデムとプリペイドSIMカードが入っている。PCに差してインストールされる接続ツールで「Connect」を押せばインターネットへ接続される

 さて、この接続ソフト上からは利用期間の確認ができないのが少し不便。あと何日使えるかを確認するには、SIMロックフリーの携帯電話にSIMカードを入れ替えて「*128*1#」へ発信すると有効期限が画面に表示される。まあ、短期間の滞在であれば“初日から5日間まで”と覚えておけばチェックする必要はないかもしれないが……。

photophoto 残高や有効期間の確認はSIMロックフリースマートフォンなどにSIMカードを入れ替えて「*128*1#」へダイヤルすると表示される

エリアが広めの「Maxis」、対して使いやすいのは「DiGi」

photo Maxisのモデムセットは、計4日間/最大2Gバイト分で約3400円だ

 もう1つ、Maxis製のモデムセットは138リンギット(約3400円)と若干安価だ。

 付属するプリペイドSIMカードは3日間で2Gバイト分までのデータ通信を利用でき、セットの特典によりプラス1日分のボーナスが付いていた。計4日分利用できるわけだ。さらに、この4日分終了後は追加期間・時間利用権を細かく指定することも可能となっている。

 接続ソフトにて「Connect」ボタンを押してインターネットへ接続された後、画面の「My Accunt」ボタンを押すとブラウザが起動してMaxisのプリペイドポータルサイトが表示される。まずはここで開通(アクティベート)処理を行う。

 ページ右下に「CLICK HERE TO ACTIVATE YOUR STARTER KIT 2Gバイト 4 Day PASS」のリンクが見えるので、こちらをクリックしよう。しばらくすると有効期限が書かれた開通通知SMSが届く。Maxisは利用期限の区切りが24時間ごとのため、4日分の有効期限は開通直後より96時間が経過するまでとなる。ついでに、開通後に同ページへアクセスすれば何Mバイト分利用できるかの詳細情報も表示される。

photophotophoto 接続ソフトよりアクセスできる開通用ページにて初回の開通作業を行う。開通後、有効期限が記されたのSMSが届く

 初回の4日分以降、利用権はMaxisの店舗や街のSIMカード販売店、スーパーマーケットなどで利用料金を追加するためのプリペイドカード「Top-Upカード」(例えると、iTunes cardのような仕組みのもの)を購入して追加作業するか、駅などに設置されているプリペイド支払い端末を使って追加できる。

 この支払い端末は、利用している携帯電話事業者を選択(この場合はMaxis)→プリペイドSIMカードの電話番号を入力→支払い金額を選び現金を入れることで残高を追加できる。残高の追加作業後、接続ツール→プリペイドポータルへアクセスして利用したい期間などを選べば完了だ。

photophotophoto 利用可能なデータ通信量残高も、この専用ページより確認できる(画像=左)。残高の追加は、駅などに設置されているプリペイド料金支払い機で行うことも可能だ。初回と同じ1週間/2Gバイトのほか、2日/500バイトの“2Days Pass”、2時間/100Mバイトの“2Hours Pass”、30日/15GバイトのiPadユーザー向け“iPad Premium 30Days”など、料金プランがいろいろある(画像=中央、右)

 両社のセットを使い比べると、筆者が検証した限りではMaxisの方が3Gでの接続が安定傾向にあった。ちなみに両社ともGSMサービスも行っており、HSDPA/W-CDMAのエリア外では自動的に上限128KbpsのEDGE/GSM通信へ切り替わる。

 ただ、総合的な使用感は、購入してPCに装着するだけで5日間定額利用でき、PCでのデータ通信も気兼ねなく利用したいならDiGiのほうが楽だ。2〜3日の短期滞在かつライトユースの場合は単価の安いなMaxis、5日間たっぷり使うならDiGiと買い分けるのがよさそうである。

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